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【詩】想いの姿

わたしの鼓動は
キーを打つ

わたしの想いが
鼓動で打たれる

まだ、
わたし自身が気付いていない
産声すら上げていない想いが震わす
わずかな波紋ですら

鼓動は拾い上げて
想いをしたためる

それなのに
あなたを想うと
鼓動は早鐘のように乱れ打ち

変換も追いつかず
ひらがなのままの想いは
とめどなく打ち出され

絡まり
よじれ
瘤になり

哀しい姿をさらす

幾度となく
何度繰り返しても

鼓動は想いに急かされ
キーを狂い打ち

産み落とされたひらがなたちは
文字がひしゃげているのか
想いがひしゃげているのか
もはや、わからないほど

いとしい姿をさらす

鼓動が打ち出す
哀しいものや
愛しいものは
その姿以外には
なりようがなかったものたち

わたしは
それらを抱きとめると
胸の中に広がる
湖水にそっと沈める


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