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【詩】崖

下に引きずり込む力には
逆らえなくて

誰かに繋ぎ止めてほしい

わたしをここに

この足をこの場所に

奈落は
甘やかな顔をしていざな

自然の摂理である
重力の意のまま落ちゆく

誘われるから
覗かなかった

誘われるから
近寄よらなかった

身を投げ出したくなる衝動には
抗えない

崖に立ち

この身が砕けるのを
見る





わたしは、高所恐怖症です。

夫の妹の家はマンションの上階なのですが、1回行ったきりです。
エレベーターから離れた部屋にたどり着くまで、壁伝いに、まるで忍者のごとく張り付いて歩いてました(笑)。
そう言えば、十津川の谷瀬の吊り橋を渡りきらず、途中で引き返したことも。

知人に何が怖いの?と聞かれて、
吸い込まれそうになるから、
飛び降りたくなるから、
と説明したのですが、
この人はそんなふうにはならないんだな、ということに驚きました。

でも、不思議なことに、わたしはジェットコースターも、高層のガラス張りエレベーターも平気で、大台ケ原の緑深い谷間に突き出た岩場の上に、風に吹かれながら立ったときも気持ちよさを感じていました。

ハーネスでしっかり固定されるジェットコースターは、遠心力で振り回される感覚に、逆に快感を覚えます。

あっ、だけど、高い塔の上から垂直に一気に降りる遊具、あれは駄目でした。てっぺんで、少しの間止まるんですよね。止まっている間、周りの景色と一体化しちゃって、抜け出したくなり、自分を抑えるのが大変でした。

そう思うと、機会があれば、1回バンジージャンプをして、ほんとに飛び降りる経験をすれば、自分の中の何かが変わるかもしれません。

高所恐怖症といっても、人さまざま。

最近の、自分を表す言葉に
「脱皮」があるのですが、
また、
何かに急かされているような気がしていて、
強気なことを言いながら
実は、同じ強さで
今のままとどめてくれる存在を欲している、
乖離した願いもあるように思えて、
そんな心の内も重ねています。

久しぶりの投稿。
この詩は、このままで送り出すのはいけないように思い、
少し自分語りをしました。

それと、ふだんより投稿の間隔が開いてしまったので、
ちょっと激務で疲弊しているけど、
なんとかやってます、をお伝えしたくて…。

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