【詩】言葉を囓(かじ)る
わたしの言葉たちは
調子に乗りすぎたようで
貴方の周りを
ぴょんぴょん飛び跳ねながら
貴方の様子を
ちらちらうかがう
もう、見えないのかな
もう、気付かないのかな
調子に乗って
ときどき
ぶつかってみたりしていたから
怒ってしまったのかな
嫌になってしまったのかな
わたしの言葉は夢想する
交わし合う
言葉と言葉が
溶け合い、染まる色を
湧き水のように
生まれ出る言葉たちが
睦び合い、奏でる音を
それが
叶わないというのなら
わたしを縛るその手で
わたしの言葉も
縛ってくれたらよかったのに
首を圧したその手で
わたしの言葉も
潰してくれたらよかったのに
キモチハ、イラナイ
コトバダケ、クダサイ
ワタシガ
タシカナ、テザワリヲ
カンジルノハ
コトバダケ
心の中は
貴方の言葉を待ち望む
わたしの言葉がひしめきあい
息苦しいほど
溶け合うことが叶わなかった
愛しい言葉たちは
自身の重みに耐えかね
姿を変えていく
わたしは
ひしゃげた
愛しい言葉たちを
つまんでは
囓る
命の糧を
囓る
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