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自作の詩や詩にかかわる文章を掲載します。 自身が気付いたこと、他の人の表現からインスピレーションを得たもの、など、つぶやきを詩のような形にしました。
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記事一覧

【詩】媚薬

その一滴は どこを滲ませたのだろう いつ 零れ落ちてきたのだろう その一滴は わたしの現実…

しおん
1日前
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【詩】満月の夜のスカボローフェア + 「note創作大賞」参加作品ハードボイルドの世…

満月の夜に スカボローフェアを聴きながら 胸の中を静かに満たしていくものに 心は揺らぐ 輝…

しおん
3日前
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【詩】月の眼差し

そのむかし 空に貼り付いていた月を 少し爪をたてて剥がした 今、思うと それはコンタクトレ…

しおん
5日前
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【詩】月の雫

月から零れ落ちる 沈黙の雫を 貴女にあげよう 貴女は その雫を 言葉の帳に 挟み込み わたし…

しおん
2週間前
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【詩】言葉を囓(かじ)る

わたしの言葉たちは 調子に乗りすぎたようで 貴方の周りを ぴょんぴょん飛び跳ねながら 貴方…

しおん
3週間前
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【詩】想いの姿

わたしの鼓動は キーを打つ わたしの想いが 鼓動で打たれる まだ、 わたし自身が気付いてい…

しおん
3週間前
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【感想詩】眼差し ビクトル・エリセ監督「瞳をとじて」に寄せて

わたしはアナ、と 瞳をとじてつぶやき 心の奥深くにしまい込んだ もう会うことがかなわない 面影を浮かべる 幼いころ 精霊を呼び出すために 心に刻んだ祈り わたしに会いに来てくれると願い わたしを ここから連れ出してくれると願い 何度もその祈りを虚しく漂わせ 願うことすら 時間の重みの底に沈んでいたのに 懐かしい面影は、その願いを ぷかりと浮かび上がらせる 暗い闇の中から 息を次ぐように 空気の粒のようにぷかりと だけど、目の前にいるのに やはり あなたは銀幕の中

【詩】緑の息吹

遥かに見える山なみ 刷毛で掃いた水彩画のように 笑い声で滲んでいた色彩たちが 柔らかな緑に…

しおん
3週間前
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【詩】縄跡の戒め

“固結びの紐”と わたしを 喩えた貴方は 結ばれたままの わたしを縛る 腕、首、胸、臀部、…

しおん
4週間前
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【詩】昼の太陽、仮の夜の月

昼に輝くものは太陽で でも、わたしの昼には昇らない 遮り、隠れ、 わたしは 昼の太陽を遠ざ…

しおん
4週間前
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【詩】仮の夜の月

陽を閉ざした 二人だけの秘密の部屋に わたしの月が 昇る 欲望が滾る 仮の夜に わたしの月…

しおん
1か月前
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【詩】春の夜に零れ落ちるもの(「春の夜」改め)

春の夜は滲み わたしの心から 零れ落ちるものたち わたしの内なる月は 滲む夜を 引き寄せ …

しおん
1か月前
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【詩】おてんとさまとおつきさま

おてんとさまは 見ていると おてんとさまに 恥じることを してはいけないと 手渡されてきた …

しおん
1か月前
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【詩】うさぎ跳ぶ

春の海 波立つ原っぱ うさぎ跳ぶ 今宵帰るか 満月の宴