しおん

数年前のある朝、「わたし、今、更年期の長いトンネルを抜けた!」と目覚め、自身の新たなス…

しおん

数年前のある朝、「わたし、今、更年期の長いトンネルを抜けた!」と目覚め、自身の新たなステージの性と向き合って、感じ、考え、あがき、そして気付いたこと、ぼちぼち綴ります。時々、家族のことも。 降りてきたことばをもとに詩にしたり、他の人の表現からイメージしたことなども詩にしています。

マガジン

  • 自作の詩や詩にかかわる文章を掲載します。 自身が気付いたこと、他の人の表現からインスピレーションを得たもの、など、つぶやきを詩のような形にしました。

  • 返詩、または、連なる詩

    先に誰かの詩や表現があって浮かんできたことばをつぶやきのような詩にしたものです。 おもに、今は、noteクリエーターのCir さんの詩から浮かんだイメージをもとにしたものが多いです。 元のテーマと関係なく、一部の表現に惹かれ、勝手にイメージを膨らませたものは、本文に元の表現の紹介をしていないため、コメントで紹介しています。 独立できたと思えた詩は、マガジン「詩」にも掲載しています。

  • 雑記 性と生

    おもに性的存在としての自分について考えを深めるために、書き散らかしたものをまとめます。

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わたしに なぜ 詩が降りてきたのだろう わたしは 誰に向けて 詩を届けようとしているのだろう noteを始めた動機とは 別の何かが 蠢くように この2ヶ月半 ノートの海に …

しおん
3か月前
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【詩】媚薬

その一滴は どこを滲ませたのだろう いつ 零れ落ちてきたのだろう その一滴は わたしの現実を揺るがせ 甘噛むような 痛みさえ請い願わせる 肌にひりひりと張り付くよう…

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月から零れ落ちる 沈黙の雫を 貴女にあげよう 貴女は その雫を 言葉の帳に 挟み込み わたしは 狂おしい 静けさの中で 貴女を繙き 開いた頁を滲ませる

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【詩】想いの姿

わたしの鼓動は キーを打つ わたしの想いが 鼓動で打たれる まだ、 わたし自身が気付いていない 産声すら上げていない想いが震わす わずかな波紋ですら 鼓動は拾い上げ…

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【詩】緑の息吹

遥かに見える山なみ 刷毛で掃いた水彩画のように 笑い声で滲んでいた色彩たちが 柔らかな緑に包まれる 帰ろう 帰ろう わたしの光の中へ わたしの髪は 陽に梳かされ 干し…

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【詩】縄跡の戒め

“固結びの紐”と わたしを 喩えた貴方は 結ばれたままの わたしを縛る 腕、首、胸、臀部、鼠蹊部 ゆるやかな作法で 回りながら 次々と取り出された麻縄は 身体を這うよ…

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【詩】昼の太陽、仮の夜の月

昼に輝くものは太陽で でも、わたしの昼には昇らない 遮り、隠れ、 わたしは 昼の太陽を遠ざける 昼の太陽に映し出される影は 歪な輪郭をくっきりと浮かび上がらせ わた…

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しおん
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【ひとり語り】詩とわたし

【ひとり語り】詩とわたし

わたしに
なぜ
詩が降りてきたのだろう

わたしは
誰に向けて
詩を届けようとしているのだろう

noteを始めた動機とは
別の何かが
蠢くように

この2ヶ月半
ノートの海に
撒き続けた、わたしの詩

きっと、詩とは言えない
つぶやきを
書き留めたものたち

降りてきたり
触発されたり
突き動かされたり

心に響いて
イメージが湧き出て
物語が生まれて

オンナになり
オトコになり
少女や少年に

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【詩】媚薬

【詩】媚薬

その一滴は
どこを滲ませたのだろう

いつ
零れ落ちてきたのだろう

その一滴は
わたしの現実を揺るがせ
甘噛むような
痛みさえ請い願わせる

肌にひりひりと張り付くような
沈黙のなかで

疼くまま
蠢くまま

炙られ
衝かれるままに

手を伸ばした先は

内側に取っ手のない扉

そうだった
秘かに持っていた
小瓶の蓋を開けたのは
わたし

甘やかな香りに誘われ
その痛みに魅せられたのは
わたし

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【詩】満月の夜のスカボローフェア + 「note創作大賞」参加作品ハードボイルドの世界へのご招待

【詩】満月の夜のスカボローフェア + 「note創作大賞」参加作品ハードボイルドの世界へのご招待

満月の夜に
スカボローフェアを聴きながら

胸の中を静かに満たしていくものに
心は揺らぐ

輝く月は
風に流される雲の隙間から
視線を投げかけ

わたしを誘う

パセリ、セージ、ローズマリー、タイム

呪文を唱えながら
緑の露に
足指を染め

パセリ、セージ、ローズマリー、タイム

呪文の帷を降ろし
月の影が生み出すあわいの世に
聖なる結界を結ぶ

あわいの世は
ただ、在ることが
そのままの意味に

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【詩】月の眼差し

【詩】月の眼差し

そのむかし
空に貼り付いていた月を
少し爪をたてて剥がした

今、思うと
それはコンタクトレンズのような
質感で

つるりとなめらかな月は

わたしの指につままれて
風もないのに震えていた

しなやかに輝く金色の糸を放つ月が
理由もなく憎くなり
その眼差しを汚してしまいたくて

指で
その、のっぺりとした明るさを押し潰し
薄墨を一滴垂らす

もう一度
空に貼り直した月は
わたしの指の跡を残し

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【雑記】セックスレスとウツとヒステリー+更年期、そして女風へー女風ユーザー再出発③ー

【雑記】セックスレスとウツとヒステリー+更年期、そして女風へー女風ユーザー再出発③ー

はじめに

◇◇◇「女風ユーザー再出発」共通のはじめにです。①または②を読んでいただいたかたは、目次のあるところからどうぞ。◇◇◇

ずっと、快楽を求めていた。

noteを始めたもともとの動機は、
そんなわたしが
女性風俗(女風)の利用をきっかけに
自分の性と、あらためて向き合い、
自分が納得できるあり方を見つけたいと
思ったから。

幼い頃の性の出会いと
広がっていく妄想と
現実との乖離と

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【詩】月の雫

【詩】月の雫

月から零れ落ちる
沈黙の雫を
貴女にあげよう

貴女は
その雫を
言葉の帳に
挟み込み

わたしは
狂おしい
静けさの中で
貴女を繙き

開いた頁を滲ませる

【詩】言葉を囓(かじ)る

【詩】言葉を囓(かじ)る

わたしの言葉たちは
調子に乗りすぎたようで

貴方の周りを
ぴょんぴょん飛び跳ねながら

貴方の様子を
ちらちらうかがう

もう、見えないのかな
もう、気付かないのかな

調子に乗って
ときどき
ぶつかってみたりしていたから

怒ってしまったのかな
嫌になってしまったのかな

わたしの言葉は夢想する

交わし合う
言葉と言葉が
溶け合い、染まる色を

湧き水のように
生まれ出る言葉たちが
睦び合い

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【詩】想いの姿

【詩】想いの姿

わたしの鼓動は
キーを打つ

わたしの想いが
鼓動で打たれる

まだ、
わたし自身が気付いていない
産声すら上げていない想いが震わす
わずかな波紋ですら

鼓動は拾い上げて
想いをしたためる

それなのに
あなたを想うと
鼓動は早鐘のように乱れ打ち

変換も追いつかず
ひらがなのままの想いは
とめどなく打ち出され

絡まり
よじれ
瘤になり

哀しい姿をさらす

幾度となく
何度繰り返しても

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【感想詩】眼差し ビクトル・エリセ監督「瞳をとじて」に寄せて

【感想詩】眼差し ビクトル・エリセ監督「瞳をとじて」に寄せて

わたしはアナ、と
瞳をとじてつぶやき

心の奥深くにしまい込んだ
もう会うことがかなわない
面影を浮かべる

幼いころ
精霊を呼び出すために
心に刻んだ祈り

わたしに会いに来てくれると願い
わたしを
ここから連れ出してくれると願い

何度もその祈りを虚しく漂わせ
願うことすら
時間の重みの底に沈んでいたのに

懐かしい面影は、その願いを
ぷかりと浮かび上がらせる

暗い闇の中から
息を次ぐように

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【詩】緑の息吹

【詩】緑の息吹

遥かに見える山なみ

刷毛で掃いた水彩画のように
笑い声で滲んでいた色彩たちが
柔らかな緑に包まれる

帰ろう
帰ろう
わたしの光の中へ

わたしの髪は
陽に梳かされ
干し草の甘やかな匂いに香り付く

行こう
行こう
わたしの緑の中へ

足元から
青く立ち昇る息吹は
吹き渡る風に包まれる

(作者から)
久々に、
明るい日差しが注ぐ
広い野原に風が吹き渡るような詩を
形にすることができました。

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【詩】縄跡の戒め

【詩】縄跡の戒め

“固結びの紐”と
わたしを
喩えた貴方は

結ばれたままの
わたしを縛る

腕、首、胸、臀部、鼠蹊部
ゆるやかな作法で
回りながら

次々と取り出された麻縄は
身体を這うように
まとわり

色褪せた赤い縄は
わたしの秘部を開き

貴方の美学に結ばれる

固く結ばれた紐は
縄とともに
貴方の手で解かれ

古い紐跡に
新しい縄跡が
上塗りされると

倒錯の歓びに誘う
扉を開けた
わたしの心に

新しい

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【詩】昼の太陽、仮の夜の月

【詩】昼の太陽、仮の夜の月

昼に輝くものは太陽で
でも、わたしの昼には昇らない

遮り、隠れ、
わたしは
昼の太陽を遠ざける

昼の太陽に映し出される影は
歪な輪郭をくっきりと浮かび上がらせ
わたしを崖に追いやる

現実と切り結ぶ僅かな足場は

それなのに
わたしをこの場所にとどめるように
青い息吹を
立ち上らせる

仮の夜に
わたしの身体を
預けながら

青い心を捨てきれない

昼の太陽を遠ざけるのは
この青い心まで
灼か

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【詩】仮の夜の月

【詩】仮の夜の月

陽を閉ざした
二人だけの秘密の部屋に

わたしの月が
昇る

欲望が滾る
仮の夜に

わたしの月は
熱を孕み

身を震わせながら
赤く灼けた姿を
浮かばせる

既に
戒めは破られているのだ。

戒めを破った者にふさわしい
恥辱は
妙なる音色と色彩の渦を起こし

わたしに
贖いの歓びを与える

全てが
倒錯した
秘密の部屋は

真実の調べを奏でる
小宇宙となり

仮の夜の霧をまとう
わたしの月は

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【雑記】脱皮してみようー女風ユーザーの再出発②ー

【雑記】脱皮してみようー女風ユーザーの再出発②ー

はじめに

◇◇◇「女風ユーザーの再出発」共通のはじめにです。①を読んでいただいたかたは、目次のあるところからどうぞ。◇◇◇

ずっと、快楽を求めていた。

noteを始めたもともとの動機は、
そんなわたしが
女性用風俗(女風)の利用をきっかけに
自分の性と、あらためて向き合い、
自分が納得できるあり方を見つけたい
と思ったから。

幼い頃の性の出会いと
広がっていく妄想と
現実との乖離と

そし

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【詩】春の夜に零れ落ちるもの(「春の夜」改め)

【詩】春の夜に零れ落ちるもの(「春の夜」改め)

春の夜は滲み

わたしの心から
零れ落ちるものたち

わたしの内なる月は
滲む夜を
引き寄せ

心に満ちる雫は
ぽたりと
零れる

零れる
零れる
零れ落ちる

過去の記憶や想い出
未来の希望や夢
流れる歌や移ろう色
含んだ息やなぞる指先
愛おしさや寂しささえも

引力の網目から
零れ落ちるものたちは

わたしが手放したものなのに
なぜ
こんなにも
あたたかいのか

蒼い風は
滲む夜を
柔らに広げ

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【詩】おてんとさまとおつきさま

【詩】おてんとさまとおつきさま

おてんとさまは
見ていると

おてんとさまに
恥じることを
してはいけないと

手渡されてきた
戒め

その姿を見るには
おてんとさまは
眩しすぎ
わたしの道は
陽に灼かれる

おてんとさまが沈む夜
手探りに進むわたしを
それでも
見ている者があって

視線のもとを
見遣ると

ぽっかりと浮かぶ
おつきさま

おてんとさまの陽に灼かれる
おつきさま

あなたは何の戒めを破ったのか

わたしの
足跡

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