トラウマの始まり その1
祖父は心臓を患っていた。たしか、心臓弁膜症だったと聞いたことがある。
ある日、私の手を引いて歩いてる時、突然道端に倒れ込んだ事があった。私は驚いて「じいちゃん、じいちゃん」と背中を擦った。それでも起き上がらない祖父を見て、父や母を呼ばなければと走り出そうとした。その時、祖父は私の手を握り「まーこ大丈夫だよ。だからこの事は誰にも言うな。2人の秘密だ」と。
青白い顔をした祖父はゆっくりと起き出しまた私の手を引いて歩いた。
あの日は1月。
北海道の1月はとても寒い。まして昔の家