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ネガティブ人間、バーに通う【エピソード1 憧れの女性】

「素敵な女性がいるな」
そんなことをぼんやり考えながらバーのガラス越しに女性を眺めていた。

どうも。私は、アラサー既婚会社員、精神系の病気持ち、趣味は転職活動とチャット、特技は特になしのネガティブ人間だ。

そんな人間の趣味である
「ネガティブ人間、バーに通う」
を今回紹介したいと思う。

新卒1年目、初任給が出た日、私は新人歓迎会に参加していた。2次会まで参加していたが、退屈のため、途中で抜けだし、1人でぶらぶら街中を歩いていた。
今思うと、よく抜け出したな、と思う。
そんな中、1つのバーを発見。バー「B」である。
バー「B」はガラス越しに中の様子が見える店で、女性マスターとたくさんのお客様で、賑わってっている様子だった。興味を持った私はその店の前を数分間うろうろとしていた。完全な不審者である。
ガラス越しに覗いてみると、そこには財前直見似の美女が、上品な姿でカクテルを飲んでいた。そして冒頭のようなことを思ったのである。「素敵な女性がいるな」と。

バーの雰囲気に魅力を感じたことと、その女性と話しをしたくて、少ない勇気を振り絞っていざ入店!私はその時完全に酔っぱらっていた。なぜなら新人歓迎会と二次会でお酒を飲んでいたからだ。私はお酒を飲むと陽気になり、誰かれ構わず絡んでしまう、厄介な癖がある。その時もその素敵な女性と話したく、お店に入ったのだった。
お店に入ると、女性の隣の席をゲット。
まるでデスノートという漫画の主人公、夜神月のように「計画通り」と思ったのだった。
お店で、私はマスターに
「初任給で来たんです!」
と自慢していた。今思うと大勢のお客様もいるのによく言ったと思う。あの頃の私は、若さ故に最強だった。
余談だが、マスター曰く
「あの時は、他のお客様もそれを聞いて「おお!」ってなってましたよ」
と言われたのだった。

さて、その女性とは話が弾み、何と偶然下の名前同じであることも発覚した。とても親近感を覚えたのだった。その女性について、少し紹介しておこう。女性を仮に「京香さん」と呼ぼう。京香さんは年齢不詳の財前直見似、女性社長であるらしい。「らしい」というのは、はっきりと職業はわからないからだ。サラサラな髪、いい香り(変態か!)、素敵な腕時計とファッションで決まっている女性だった。
話は弾み、京香さんは私に「今度食事に行かない?」と誘ってくれた。とても嬉しかった。大人の仲間入りをした様な気分だった。


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