大型犬のフード事情
シェパードのオーナーさんからご質問をいただいたので、どうせなら誰でも見れるように記しておこう、と思ったので記事にしたいと思います。
まず、シェパードは大型犬であり、基本的にお仕事犬ですから運動量もそれなりに必要です。
競技会に出ていたり、ドッグスポーツに参加するようなシェパードであれば、さらに給餌量は増えます。
まぁ、当然、食べる量は小型犬の比ではありません。
*シェパードって、1日どれぐらいの量を食べるの?
*1ヶ月の餌代は、いくらくらい掛かるの?
*1日に何回くらいあげるの?仔犬と成犬では変わってくるの?
とまぁ、疑問は色々と出て来ますよね。
シェパードが食べる餌の量と回数について
1回に、また1日にどれくらいの量のフードを食べるのかは、月齢(年齢)、体重、運動量によって個々に違ってきます。
平均的な体重から割り出す計算方法をざっと説明しますね。
・生きてるだけで必要なカロリー数(RER=基礎代謝量)を計算します。
まずはこの数値を算出して、次に1日に必要なカロリーの数値(DER)を計算します。
1日に必要なカロリー数を、電卓で簡単に計算する方法です。
例)25kgのシェパードの場合
1. 25×25×25=15625
2. √を2回押して15625を入力=11.1803・・・
3. 11.1803×70=782.6(RER)
4. 782.6×1.6(※エネルギー係数)=1252.16
5. 25kgの成犬に必要な1日のカロリーは、1,252kcal(DER)
*エネルギー係数
・生後4ヶ月までの仔犬=3.0
・生後4ヶ月~1歳まで=2.0
・避妊去勢済みの成犬=1.6
・未避妊未去勢の成犬=1.8
・7歳以上の避妊去勢済み=1.2
・7歳以上の未避妊未去勢=1.4
・肥満傾向の成犬=1.0~1.2
上記の計算から、1日に食べるご餌の量を計算します。
1252(DER)÷フード100gの代謝量(袋のどこかに明示されているが今回は400kcal)×100=313
以上の計算により、体重25kgで避妊・去勢済みの平均的な生活をしているシェパードが1日に食べる餌の量は313gと言う事になります。
1回にあげる量は、上記の量を2回か3回に分けて調整することになります。
ただ、この計算方法は犬の管理栄養士としての立場から言うと、太りやすいとか筋肉質だとか、それぞれの個体の体質や家庭環境に影響される事も多いので、各自で様子見ながら増やしたり減らしたり、って事になりますね。
餌代について
シェパードの飼い主さんがどんなフードを購入するかによって、または手作りするかによって金額は相当変わってくると思います。
それこそ、10kg/¥1,000程度の手軽に購入できるようなフードにするか、プレミアムフードと呼ばれるような、ちょっと特別感のあるようなフードにするのか。
安価なドッグフードは、穀物や小麦を使う事で大量生産できて、しかも価格を抑える事が出来るため、現在も市場には多数出回っています。
最近のドッグフードは、穀物不使用いわゆるグレインフリーと明記していなくても、原材料に入っていないフードも多くなってきています。
出来れば、穀物完全不使用でなくても添加物の少ない、バランスの良い内容のドッグフードを選んであげると尚良いかと思います。
大型犬の餌代は家計に響くことが痛いですが、こればかりは仕方ないですね。
フードの種類は数限りなくありますし、手作りという選択肢もあります。
まずは手作りは考えず、市販のドッグフードを選びましょう。
理由は、カロリー計算が難しく、特に大型犬は必要な栄養が摂り切れない。
余程の理由がない限り、良質なドッグフードを選んであげた方が、飼い主さんも楽な気がします。
手作りフードの場合、摂れない栄養はサプリ等で補うことになりますしね。市販のフードには、ドライタイプと缶詰などのウェットタイプがあります。
ウェットタイプは嗜好性も高いですが、一度開封してしまうと日持ちがせず、値段も割高です。
その点、ドライタイプは日持ちがするだけでなく、健康管理の点でもメリットが大きいと思います。 体重管理がしやすく、歯石も付きにくい(個体差による)ので、食事のケアが簡単です。
低価格のフードには、穀物(とうもろこし等)や小麦粉などを主原料としているものが多数あります。 シェパードのみならず、全ての犬が穀物系の食べ物を消化するのがちょっと苦手です。
理由は、犬の唾液にはでんぷんを分解する消化酵素がないためですが、もちろん、個体差があります。
ドライタイプからフードを選ぶ場合は、
*(出来れば)穀物・小麦粉不使用のもの=穀物アレルギーがなければ可
*人口添加物・副産物不使用
*タンパク質の%が低過ぎないもの(特に運動量の多い犬の場合)
*ミネラル分が多過ぎるものは避ける
等を選ぶ基準にされると良いかと思います。
ドッグフードの場合、どんなに良質な材料で作られていたとしても、必ず加熱という行程が入ります。
同じ材料で作ったとしても、その日の気温や工場内の湿度、加熱する時の温度等で別物に仕上がる事があるのは想像に難くないですよね。
いくら良い材料を使っていたとしても、そこまで考えて製造されているフードはなかなかないかもしれませんが。
ドライフードの品質管理って、思った以上に手が掛かるようですよ。
身体は食べるもので出来ている、と良く聞きますが、これは人間も犬も一緒ですね。
大型犬をパートナーに選ばれたなら、運動量とフードの量とのバランスを考えるのも飼い主のお仕事ですね。
では、また。
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