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雑記:アカフェミの実際?

 上野千鶴子氏が共同親権に関して以下のようなポストをしていた。

https://x.com/ueno_wan/status/1791290814309761323

 これは筋の悪い批判であろう。仮に全体的傾向として男親の育児分担が少なかったとして、個としては育児分担の多い男親も当然存在する。

 上野氏の言うように、全体として男親の育児参加率が低いことが共同親権に反対する理由に仮になるとして、その場合は育児参加率の高い男親は「あなたは頑張っているが、他の男が悪いから」連帯責任により親権に与れなくなってしまう。そんな理不尽な話があるだろうか? 「女性は概して昇進の意欲が薄いから」という理由で、意欲ある女性の昇進を妨げて良いのだろうか?

 親としての務めを果たしているものは男女どちらであれ相応の親権を得るべきである。そもそもこのイシューは男性・女性全体の傾向から語るべきものではないと思われる。

 上野氏のような専門家がこのような粗末な論陣を張っていることに、困惑を覚えた人も多いのではないだろうか。上野氏といえば元東大教授であり、本邦における代表的なフェミニストであり女性学者である。そのような学識深い人物がこのような議論をしていることに戸惑う人もいるだろうが、しかし、一方で私は次のように思うこともある。

 アカデミックフェミニズムって実はこんなもんなんじゃないか?


 ーーと。

 私も昔は「ツイフェミはアレだが、学問としてジェンダー学やフェミニズムを学んでいる人たちはきちんとしているのではないか」と思っていた。だが、最近は疑いを抱きつつある。いくつかの事例から、私のアカフェミへの信頼はどんどん失われている。

 そこで今回は、私の手元にある書籍『女性学・男性学 ジェンダー論入門』(伊藤公雄・樹村みのり・國信潤子 有斐閣アロマ 2002)の中身をいくつかご紹介したいと思う。


私が実際に読んだのは改訂版=第2版

 これは大学のジェンダー論の教科書として使用されることを想定した書籍なのだが、読んでいくと頭を抱えるような記述に度々出くわした。新入生に使用することも想定されているようだが、テキストを批判的に読むことに慣れていない学生がこれに触れることを思うと、老婆心ながらつい心配になってしまう。

 以下、私は3つのポイントから本書の「危うさ」についてお伝えしていく。私自身も大学でジェンダー論を履修したことはないが、本書を通じてその一端が垣間見えてくるのではないだろうか。


1.まずもって怖い


 本書は「教科書としてのお堅いイメージ」を払拭するためにマンガパートを入れているのだが、読んだ瞬間にゾッとしてしまった。


(『女性学・男性学 ジェンダー論入門』 P46より引用)


 電車内にあったヌード写真集と思われる宣伝ポスターに対して、女子学生が不快感を覚えて取り外そうとするシーンである。

 ……パッと見た瞬間は意味が分からなかった。当たり前だが、不快になったからといって、企業の広告媒体を勝手に破棄して良いわけがない。しかし、本書ではこの後、女子学生がポスターを勝手に取り外してクシャクシャに丸めてゴミ箱に投げ捨てるのである。「器物損壊罪だから真似してはいけない」と一応注意書きされてはいるが……(普通に考えれば注意書きで済まさずプロットから修正するべきだろう)。

 だが、この時点では私はまだ信じていた。「いくらなんでも教科書なのだから、勝手に器物損壊してはいけなかった、と女子学生が反省する流れだろう」と……。ところが、本作では女子学生は一切反省せず、男子学生までもが同様の器物損壊行為を行うのである。

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