マガジンのカバー画像

小説まとめ

174
僕の書いた小説の類いをまとめました。
運営しているクリエイター

記事一覧

再生の森 #毎週ショートショートnote『記憶冷凍』

「記憶冷凍」 ナギがそう呟き、掌をヌイの額の辺りに乗せるとヌイはそのまま眠りについた。 …

camyu
2日前
62

放課後ランプ #毎週ショートショートnote

ある日の放課後、宿題を忘れたことに気づいた僕は、仕方なく塾に行く前に取りに行くことにした…

camyu
6日前
80

トラネキサム酸笑顔 #毎週ショートショートnote

「クソッ、中田さんすんません、血ぃ止めてください」 ボクシングフェザー級世界タイトル戦。…

camyu
2週間前
86

春の夢 #シロクマ文芸部

「春の夢をテーマに描いてみてください」 絵画教室の先生から与えられた題材である。 春の夢…

camyu
2週間前
88

雪解けアルペジオ #毎週ショートショートnote裏お題

川村は100年に1人の天才ギタリストと呼ばれていた。 愛用のGibson Humming birdを爪弾けば、…

camyu
3週間前
75

農園から生中継です♪ #毎週ショートショートnote『春ギター』

MCの音士アナ 「さぁ今日も元気にリポートお願いします!二本農園の富士さーん」 女性リポー…

camyu
3週間前
79

さくら(独白) #シロクマ文芸部『花吹雪』

花吹雪に抱かれながら、私はアナタに想いを馳せる。 アナタと出会ったのは小学生の時でした。 けれど、6年間同じクラスになることはなく、存在を認識しているぐらいのもの。 その後中学生になり、2年生の時に初めて同じクラスになりました。 家庭に問題を抱えていた私は集団生活にも上手く溶け込めず、陰鬱な日々を過ごしていました。そんな私に積極的に関わろうとする人はあまりいませんでした。特に女子との関わり方が、私にはよくわからなかった。 そんな私に、アナタは明るく話しかけてくれた。

ある教師の独り言 #毎週ショートショートnote『深煎り入学式』

昔は教師は聖職者なんて言われていたものだ。 それがいつからか不祥事ばかりが取り沙汰される…

camyu
1か月前
91

悲しき新生活。 20字×10本

おろしたてのワイシャツに苺ジャムをこぼす 初出勤の道中ピカピカの革靴で犬の糞を踏む 電車…

camyu
1か月前
94

命乞いする蜘蛛 #毎週ショートショートnote

「餌いねーかなー」 一匹の蜘蛛が天井から糸を垂らして降りて来る。 「あっ、クモさんだぁ」 …

camyu
1か月前
87

4月1日の未来予想図 #シロクマ文芸部 お題:『始まりは』

「始まりはいつも、終わりがセットなのよ」 妻が言った。 「それはそうかも知れないけど、僕は…

camyu
1か月前
84

桜回線 #毎週ショートショートnote

「日本中に満開の桜と幸せを届ける。それが我々の使命である」 年頭の挨拶で代表が息巻く。 …

camyu
1か月前
77

お返し断捨離 #毎週ショートショートnote

バイトからの帰り道、見慣れないクリニックを見つけた。 “記憶の断捨離お手伝いします” 入…

camyu
2か月前
102

突然の猫ミーム #毎週ショートショートnote

昭和最後の文豪と呼ばれる荒方怪太。 齢八十二になるが筆の方は衰えることなく、現在も3作の小説を並行して書き進めている。 「先生も如何ですか。ファンは喜ぶし、先生のイメージとのギャップは良いトピックになると思いますよ」最後に「ボケ予防にもなるし」と冗談も付け足して、担当編集である安里依乃が薦めてくれたのはSNSだった。 孫世代の安里だが、荒方に無い新しい感覚は、時に物語のヒントをくれた。未だに手書きの荒方だが、安里の提案に乗り、PCを購入した。 本人も驚くほどPCに馴染