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アメージング旅行記

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「アメージング」がどの程度の強調表現かは分かりません。それでもアメージングな旅行記を書いてみた(つもり)。
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15. 光り輝く聖なる島で

15. 光り輝く聖なる島で

スリランカを歩けば、この国の体質がなんとなく分かるようになった。

『地球の歩き方』を読んでも、YouTubeで動画を観ても、その国の情報のみが得られるだけで、「雰囲気」が掴める訳ではない。

きっとVRの技術が進んでいったら旅行は仮想空間でもできると言われる未来も来るかもしれないが、果たしてその土地の日差しの強さや香りを再現することができるのだろうか。

風に吹かれて鼻に通ってくる香辛料の香りと

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14. 間違えて他国の通貨で支払いをしてしまった夜

14. 間違えて他国の通貨で支払いをしてしまった夜

スリランカの旅を終えてもう一年も経ったというのに未だに旅行記を書き終えていないのは、そのエピソードの多さが所以だろう。もっともその要因は僕が「サボったから」なのだけど、ちゃんと完結させるのでお許しください。

とはいえ、そろそろ終わらせたいという気持ちが強いので、ここからは出来事を抽出して取り上げようと思う。

スリランカのビーチリゾート、ヒッカドゥワにいたときのことだ。

ビーチリゾートというの

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値切る極意〜アジアの市場で値切り倒してきた僕がすすめる7つの方法〜

値切る極意〜アジアの市場で値切り倒してきた僕がすすめる7つの方法〜

0. 値切ることを恥じるな

値切る。それは卑劣な行為なのだろうか。確かに、僕たちが何か買い物をするとき、すべての物を値切ったら、それはケチと認定されることは必至。

しかし日本で生活していて値切ることなんてあるかといえば、それはほとんどないだろう。

このキャベツ、100円にしてとスーパーにクレームを入れることはできないし、100均の200円商品を100円にしてとも言うことだってできない。いや、

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ラオスで托鉢に参加したら思っていたのと違った

ラオスで托鉢に参加したら思っていたのと違った

ニワトリが鳴くよりも早く起床した。時刻は午前5時半。まだ街に朝日は昇っておらず、辺りは真っ暗だったが地元民や観光客たちが着々と繰り出している。

その理由は托鉢である。ここ、ラオスのルアンパバーンでは朝一番に橙色の袈裟を召した僧侶たちが列をなし、鉢を抱えてゆっくりと歩く。その鉢へカオニャオというもち米やらお菓子やらを入れていくのだ。

それらは僧侶の食糧になっているようで、加えて貧しい家庭へも分配

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モーニンググローリー!

モーニンググローリー!

その日の夕食を迷っていたから、とりあえずお土産屋台をじっくり眺めていたら時刻はもう20時半を超えていた。

タイはバンコクのローカル食堂なら、24時間営業をしているのではないかと疑うほどにいつの時間であっても開いていることが多い(実際、結構多いらしい)。だから時間なんて気にしなくてもいいのだがルアンパバーンはバンコクと違って田舎だから、この時間になればどこのローカル食堂も閉まってしまう。

となれ

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ラオスで出会った物と人

ラオスで出会った物と人

騒音ホテルこと、ビラサヤダからルアンパバーンの繁華街までの道のりはもう完璧に覚えている。

繁華街といっても日中のそこらにあるのは寺と小さなお土産屋だけだ。だが日が暮れ始めるとそこで営む人々は屋台を開き、東南アジア各地で見られるような料理やら細々とした土産物を売り始める。

料理は焼き鳥からタイ風焼きそば、焼飯、カオソーイという担々麺もあったし、いかにも日本を模したたこ焼きもあり、人々は屋台で好き

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13. 日本人だから特別大サービス

13. 日本人だから特別大サービス

海外のビーチリゾートのイメージといえば、白い砂浜に青い海。ビーチはずっと遥かかなたまで続き、濃いサングラスをかけた白人たちがパラソルの下で横たわっている。そんなイメージはハワイのワイキキビーチに影響されすぎたのかもしれない。が、タイのパタヤやベトナムのダナン、ニャチャンもそんな感じであった。

ではスリランカのビーチリゾートはいったいどんな場所なのかといえば、それはそれは規模が小さくてこじんまりと

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そして僕は最強ホテルを見つけた

そして僕は最強ホテルを見つけた

何故僕だけプレハブ小屋なのか。500円をケチって部屋をグレードアップしなかっただけでそんな待遇、気に食わぬ。

ただこのホテルはルアンパバーンの中では静かそうなので、とりあえず一泊だけすることにした。

昨日の睡眠負債を取り返すべく、チェックインしてから1時間ほどの昼寝をする。一見綺麗に見えるエアコンはNational製だったから見た目とは裏腹にかなりの年季が入ってそうだが、空調はちゃんと効くし何

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12. ローカルバス2回乗り継ぎ8時間耐久戦

12. ローカルバス2回乗り継ぎ8時間耐久戦

現地人の乗車率がほぼ100%のスリランカのローカルバスは、意外にも心地良い場所だった。その心地良さを引き出しているのは何かといえば、それは窓からビュービューと吹き込んでくるセイロン島の湿った風とあたたかな人の笑顔であった。

僕がこの国を愛してやまない理由は人がとてつもなくあたたかいことだろう。

どこを歩いても、どのバスに乗っても、人々は僕の方へ可愛らしい笑顔を見せるのである。それは、外人という

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やっぱりええ街、ルアンパバーン

やっぱりええ街、ルアンパバーン

相変わらず騒音に悩まされる最悪な朝を迎えたが、今日ばかりは気持ちが違う。なぜならそれは、思い切って違う宿に泊まると決心したからだ。

再びこの最低最悪の宿に戻らなくてはならないという心配はないから、寝不足で迎えた朝もなんだかスッキリとしている。

本当はまだこの宿に3泊はできる、というか3泊分のお金を既に払ってしまっているのだが、これ以上このホテルに居座ればルアンパバーンを——あるいはラオス自体を

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睡眠リベンジ

睡眠リベンジ

ルアンパバーンの街を散策したことについては後日記述することとして、その日の夜はバイクの騒音で殆ど眠りにつくことができなかった。

ルアンパバーンに着いたのが夕方とはいえ、すこぶる歩いたからその日は疲れた。だが、バイクがホテルの前をひっきりなしに通るから、交感神経が刺激されて重い瞼が開くのである。

日付が変わった頃、さすがに交通量は減ると思ったがこの街は眠ることを知らない。確かにバイクの交通量はま

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うるさいを通り越してうるせえ街

うるさいを通り越してうるせえ街

ラオスと聞いて、何を思い浮かべるか。それは人それぞれであろう。

僕がラオスへ訪れてみたいと思ったのはここ数年のことで、それまでこの国のことをまるっきり知らなかった。

そもそもラオスという国自体に興味を持っている人は日本にどれほどいるのだろうか。興味を持つか持たない以前に、ラオスはどこにある国なのか。いや、ラオスが国ということすら知らない人だって少なくないのではないか。

ということは、ラオスの

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ヤバい喫茶店

ヤバい喫茶店

国内旅行よりも海外旅行の方が好きだ。理由は刺激的だから。まあそれは国によるか。とはいえ、国内旅行であっても刺激がない訳ではないし、僕が去年訪れた岐阜の飛騨古川のとあるカフェはこじんまりとしているのに超絶刺激的な場所であった。



僕たちが岐阜に訪れたのは春を待ち侘びる最中で、まだみぞれが降るような2月のこと。学部時代、バイト先で仲良くなった男友達二人との一泊二日の旅だった。この旅一番の目玉が白

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11. なにゆえヒッカドゥワ!?

11. なにゆえヒッカドゥワ!?

スリランカのシーギリヤは石見荘という日本人の経営する宿にチェックインしたとき、シンハラ人のおじさん従業員に「明日はどこに行くんだ」と聞かれた。

スリランカ4日目はヒッカドゥワという海辺の街で過ごす予定であった。僕がヒッカドゥワと答えると、おじさんは目を丸くして「ヒッカドゥワ!?」と聞き返してきた。「イエス」と答えると彼は「ヒッカドゥワイズソーファー」と苦笑いしながら続けた。

確かに地図で見ると

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