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甘く しょっぱく 少々苦い 世界からの贈り物を心に受け取る

今日は休みやうれしいなあ、と言いたいところこの頃休みの日、なんだか辛い。いや休まんと職場に行きたいというわけやなく、職場復帰一月以上ここまでほんまにえらい人数のお客さんであふれ返っていたわがレストラン職場。

 なんやポイントが終了とCOVID19再蔓延で鎮まり返りつつある。今のところ自宅待機の声もなくやることはいっぱいの幸せな日々。

 しかしなのだ、進まんのだ、NOTEに書こうとしているフィルモア通信25の続きがあかんのだ、書けんのや。フィルモア通信だけやない料理長の美しい休日三と料理教室美味い不味いは気のせいや、という記事、もう二ヶ月以上書けんでいる。

何が書きたいか、誰のこと、などストーリーというか話の運びは見たままでええんやし、イメージというかその世界は見えてもいるが、書けん、進まん、すまん作中のEVERY ONE。フィルモア通信はあれからの自分今思い返してもいやな奴やった。それを書いて行かなあかん。料理長の美しい休日は好きになってしまった人のこと書かんならん、やめとけと心の声はいう。料理教室はぼやき漫才みたいになってへんかと日々省みたりもする。職場での自分の言動がバックラッシュとなり人生幸郎料理教室なにぬかしてけつかんねん、じぶんは叫んでるだけちゃうやろか。

そこに今朝、来ましたATJ,ゲランドの塩、マスコバド糖、パレスティナのオリーブ油。もう十年以上もフェアトレードの塩砂糖オリーブオイル買える幸運、使える幸せ、恵と共にあるわが生活、LIFE。まあ、パレスティナのオリーブオイルは余裕のある時だけや。さあ、さあ、さあぁ、何作ろうかな。

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柿ミカンあるのでサラダで行こう。今年最後のクリスピーな柿、柿ミカンには香りが少ないのでパレスティナのオリーブ油の強烈な土の香りがはんなりした果物にキックを添えてくれる、たぶん。

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なんとかの柿スーパーで安売りしとったやつ、種あるのがいとしい。ちょっと風味を感じるね、種が口に入ると。トマトも安いやつ全部青かったが家で追熟した、結構硬いが香りも立ってきた。そしてわさび菜、特売品。家でよく見たら羽虫のくろいやつがいっぱいおった。リンゴ酢で何回か洗いすすぎ全部除去、たぶん。

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さささっと切ってちぎって皿に盛り、待ちかねたぞと砂漠の風は吹き、オリーブ油をひと匙たらーり。すぐに立ち上るオリーブの香り。ふーむ、酸がほしい、バルサミコ酢入れてんか、とセルフの声。         

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やあ、いけるやんか、ええやんか。ゲランドの塩大きい粒のままパラパラでバックの緞帳は上がる、この風景はと思いはせるはやっぱり遠い部屋の記憶。エドワード・サイードのパレスティナと、かれが丁寧に説明してくれた西欧文明による、ことにフランスによるオリエンタリズムが今の世界をどう成り立たせてきたんかというキリスト教社会とイスラム教社会の密接な関係もある話や。あかんむつかしいことゆうたらあかん、もっと勉強せい。セルフの声。

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 ふーむ、たぶん大根もいけるんとちゃうやろかとまたも現役端っこのシェフセルフの声。はい、いけまっせ。パレスティナのオリーブ油はパレスティナ難民が自立して平和的にイスラエルの人たちと生きていけるひとつの大事な手段でもあります。

 オリーブの樹はこのパレスティナ辺りが原産で何千年もまえからそこに暮らす人々の命の営みを支えてきました。かのキリストの磔刑には最後に体を清める終油としても使われています。

 ぼくたちの味覚に馴染んでいるオリーブ油は主に地中海の沿岸地方、穏やかな海風に吹かれてその実りは優しい、フルーティーな風味とマイルドな滋味があります。

 パレスティナのオリーブ油は砂漠の厳しい環境の中で育ち難民の絶えざる努力も注ぎ込まれ本当に命の樹としてひとびとを支えています。風味はスパイシーでほんの少しの苦味が素材の個性を引き立たせることもあります、イマジネーション次第です。

 また、ゲランドの塩もフィリピンの島々のマスコバド糖もぼくらが使うことによって自立してほんのちょっとでも自由な生活ができるならこれらで料理して腕をふるうことはシェフ冥利につきるというものです。  

 今回もなんやらすかたんの投稿になってふがいない思いもありますが、文章はすかたんでもこれらの製品は超一流、最高品質、最高の品格。ぼくの五十年の料理の経験が保証します。どうか一度味わってみてください。


おう、こんどはちゃんと書いてや、頼むで。おれにもなんか買うてな。クリスマスやで。

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