村中克成@クリエイティブ・エッジ

品質には自信があるのに市場の常識と離れているためにどう売って良いかわからない。そんな悩…

村中克成@クリエイティブ・エッジ

品質には自信があるのに市場の常識と離れているためにどう売って良いかわからない。そんな悩みを解決できるかも知れません。ご連絡ください。マーケティング戦略全般&ブランディング、それに伴うクリエイティブまで。https://www.creative-edge.co.jp/

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「地方でマーケティング」が難しい理由

◆「地方×マーケ」が困難な3つの原因地方でマーケティングを実践していくのはメチャクチャ大変です。もちろん、都会だろうが地方だろうが本気で丁寧にマーケティングを実践していくことは大変なことではあるのですが、地方には都市部にはない固有の大変さがあります。 それは、地方企業や地方自治体が抱える課題には、教科書的な戦略マーケティングの手法や進め方では解決できないことが、非常にたくさんあることに起因します。 そして、そのことはあまり知られていない、というか考えられていないように思いま

    • マーケティングnote(3) SWOTはセカイ系である

      ◆SWOT問題のラスボス■ゆるキャラB級グルメ問題 今回は、SWOTそのものが持つ根本的な問題について書いてみたいと思います。 以前に、ひところの地方振興策が、どこにいってもゆるキャラやB級グルメばかりだったことの背景にはSWOT的な考えがあることに触れました。 私は、このようなSWOTによる戦略が没個性化を進めレッドオーシャン(過当競争)市場を作ってしまうことを「ゆるキャラB級グルメ問題」と呼んでいます。 ゆるキャラやB級グルメは典型例であり、この問題は地方自治体に限

      • マーケティングnote(2) 新規案件や地方案件でSWOT戦略を立てる時にはまってしまう落とし穴がある

        ◆クロスSWOTの落とし穴新規案件や地方案件は、マーケティングの応用問題であると言えます。市場にとって馴染みのない、ある意味とてもクセの強い商材やサービスを扱うからです。 したがって、入門書や概要記事に書いてあるとおりの手はずでマーケティングを行ってもなかなかうまく行きません。 ところが、新規案件や地方案件は案件規模が比較的小さいためか、応用問題として扱っている人は、専門家であっても少数派だと思います。 新規案件や地方案件に携わっている人が時間を惜しんで勉強して得たマーケ

        • マーケティングnote(1) SWOTには、守らないといけない手順がある

          ◆はじめにこの5年ほどで世界は大きく変わってしまいました。このまま続くと思われたグローバル化はあっけなく終わり、分断化の時代が始まりました。AIは身近になり、ニューノーマルはそのままノーマルになりました。 私はふだん、東京と福井の2拠点を軸に、地方に根ざした企業や自治体に向けて、企業戦略や地域の戦略立案や実行、課題解決を、マーケティングやブランディングといった手法を用いてお手伝いしています。 これまで受けてきた相談は、何が起きているかわからない、何から手を着けていいかわか

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        「地方でマーケティング」が難しい理由

          リゾートの次の宿泊施設コンセプト(ヴィジョンの産婆術 事例紹介①)

           いつまでも頭の中にとどまり続けているひらめきを、対話によって掘り起こし、その核と輪郭を探し当て、構造化することで形にし、事業化への道筋を付ける「ヴィジョンの産婆術」の事例です。  北陸3県に、遊戯施設やゴルフ場、飲食店などを展開するアミューズメント事業者S社様を経営するA専務からのご依頼で、コロナ後を見据えたリゾートに変わる新しい宿泊概念を見つけ出すお手伝いを致しました。  現在は用地選定の段階ですが、コンセプトの明確化までが受託範囲でしたので、差し支えない範囲でご紹介

          リゾートの次の宿泊施設コンセプト(ヴィジョンの産婆術 事例紹介①)

          ナラティブとアブダクションと「ヴィジョンの産婆術」

           以前に、主にベンチャーや地方を拠点とする企業(長いのでS/L企業と略します。Startups and Local based companies から)が、新規事業を立ち上げる際に役立つ、マーケティング戦略のフレームワークについて紹介しました。  これは、商品あるいはサービス、または素材自体は大変素晴らしいけれど、市場のトレンドに反していたり、市場投入のタイミングが悪かったり、あるいは市場自体が縮退していたりとマーケットの条件が悪すぎて、通常のマーケティングのフレームワー

          ナラティブとアブダクションと「ヴィジョンの産婆術」

          Facebookとマクドナルドの創業ストーリーの一致が示す「成功」のナラティブ

          少し違った視点の記事で、少しでも気持ちの切り替えの役に立てればと書きました。 ■マーク・ザッカーバーグ氏とレイ・クロック氏 市場の常識とはかけ離れているために、通常のマーケティングのフレームワークでは売りにくい商品やサービスのプロデュースをする際に、鍵となるのは、その商品やサービスに埋め込まれている物語(ナラティブ)を発見することです。 商品やサービスに固有の物語(ナラティブ)を、市場を支配している物語(ナラティブ)に結びつけることができれば、常識外れというマイナスは個

          Facebookとマクドナルドの創業ストーリーの一致が示す「成功」のナラティブ

          新規事業立ち上げのためのマルチバース・マーケティング戦略

           ベンチャーや地方を拠点とする企業(長いのでS/L企業と略します。Startups and Local based companies から)が、新規事業を立ち上げるケースのマーケティング戦略の相談を、ここ5年ほどいろいろ受けてきて、応用可能なフレームワークにすることができましたので、書いてみます。 ■新規事業立ち上げの悩み  S/L企業の新規事業は、経営者が絶対に行けそうだ、これに賭ける、といった、めちゃめちゃ熱量の高いパッションに基づいた商品やサービスを核にしている点

          新規事業立ち上げのためのマルチバース・マーケティング戦略

          まだ地図に載っていない福井県竜声地方の「異世界転生戦略」(マルチバース・マーケティング戦略 事例紹介)

          ■異世界転生戦略 市場をマルチバースと見立てることで不利な条件を個性に変えるマルチバース・マーケティング戦略のうち、「視座」を移す「異世界転生戦略」の事例です。 「異世界転生戦略」は、ジャンルもしくは世界観を新しく創ってしまうことで後発であることを無意味化させてしまう戦略です。通常に考えられる市場では訴求力が弱かったり新味に欠ける場合に、視座を新しい概念に移すことでブルーオーシャンを創造します。 ■ご依頼内容 異世界転生戦略を行った事例として、「福井県竜声地方」をご紹

          まだ地図に載っていない福井県竜声地方の「異世界転生戦略」(マルチバース・マーケティング戦略 事例紹介)

          デジマ中毒と天ぷら蕎麦

          ■マーケティングとプロモーション よく使われる言葉なのに、いまひとつ意味が曖昧な言葉があります。 「マーケティング」もそのひとつと思います。 マーケティングを体系化し洗練させた第一人者であるフィリップ・コトラー博士は、 と定義しています。でも、日常会話でマーケティングをこの意味で使っている人はあまりいないのではないでしょうか? コトラー博士の定義は、正確なんだけれども、たぶんイメージしにくいのだと思います。 あとは、経営者のアイドル的存在であるピーター・ドラッカー

          Makuake最高売上を3度更新した蒸留酒の「脱セカイ戦略」(マルチバース・マーケティング戦略 事例紹介)

          ■脱セカイ戦略 市場をマルチバースと見立てることで不利な条件を個性に変えるマルチバース・マーケティング戦略のうち、「視野」を盲点以上に拡大する「脱セカイ戦略」の事例です。 「脱セカイ戦略」は、市場での苦戦を、セカイへの囚われと見なすことで、現状見えている市場の外に、より大きな市場を発見し、ビジネスのフィールドを移動させます。 ■ご依頼内容 脱セカイ戦略を行った事例として、樽熟蒸留酒『菅原水鏡』をご紹介します。自社のオリジナルのお酒の開発も行う酒販ベンチャーのお客様の事

          Makuake最高売上を3度更新した蒸留酒の「脱セカイ戦略」(マルチバース・マーケティング戦略 事例紹介)

          美味しんぼの常識を覆した高級三増酒の「世界線戻し戦略」(マルチバース・マーケティング戦略 事例紹介)

          ■世界線戻し戦略 市場をマルチバースと見立てることで不利な条件を個性に変えるマルチバース・マーケティング戦略のうち、「視点」をずらす「世界線戻し戦略」の事例です。 「世界線戻し戦略」は、世界線(現在固定化されてしまっている市場の常識)を、常識が出来上がる以前の世界まで戻してしまうことで、市場の常識をひっくり返します。 ■ご依頼内容 世界線戻し戦略を行った事例として、長期熟成日本酒『清力甘露1968』をご紹介します。筑後の珍しい日本酒を、縁あって相当量保有していた老舗の

          美味しんぼの常識を覆した高級三増酒の「世界線戻し戦略」(マルチバース・マーケティング戦略 事例紹介)