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EV BOSCO の省エネ走行

前回、EV BOSCO の加速について書きました。上手に加速すると、余裕で70km/h以上を出すことができます。

もちろん高速走行は楽しいのですが(そして世の中にはスピードが求められる場面もそれなりにあるのですが)、やはり高速走行はそれなりにバッテリーを喰います。日本の家庭用100V電源だとフル充電に6時間を要し、フル充電で60kmしか走らない EV BOSCO の場合、消費電力を抑えつつ、こまめに回生充電を行いながら走り続けることが望まれます。そこで今回はタイトルの通り EV BOSCO における省エネ走行について書こうと思います。

急発進・急ブレーキをしない

これは他の自動車でも同じことで、教習所などでも習うことですが、急発進・急ブレーキは電気を喰います。

急発進はスピードが伸びない

とりわけEV BOSCOで急発進すると、スピードが伸びません。スピードの伸びが悪い状態でアクセルを回し続けることは、必要以上に電気を消費することにつながります。

前回も書きましたが、 EV BOSCO のアクセルの開き方には4段階があるように感じています。急発進しようとしてアクセルを急に大きく回すと、スピードよりもパワー重視の動きを見せます。そのまま速度を上げて走り続けようとすると、とても電気を喰う走り方になってしまいます。

乗り慣れていないうちは、つい思った以上にアクセルを開いてしまうことがあるかもしれません。うっかりアクセルを開きすぎた場合は、落ち着いてアクセルを戻すのが良いでしょう。私も慣れないうちは何度かパワー重視のスタートをしてしまい、その度に一旦アクセルを完全に戻してからジワジワと加速させるようにしていました。

急ブレーキは回生充電が限られる

EV BOSCO の場合、ギアが入った状態で減速している時に回生充電がなされます。急ブレーキは通常のブレーキと比較して減速している時間帯が短くなります。よって急ブレーキでは回生充電できる量が減ってしまいます。

かといって、例えばフットブレーキを使わない、いわゆるエンジンブレーキだけ使って物凄く長い時間をかけて停止するようにすれば、しっかりと回生充電がなされるかというと、そういうわけではありません。その理由は以下に続きます。

上手に減速する

先程「EV BOSCO の場合、ギアが入った状態で減速している時に回生充電がなされます」と書きました。このことは裏を返せば、「ギアが入っていない時や停止している時は回生充電が行われない」ということです。

ニュートラルを避ける

ある程度まで速度が落ちると、ギアが自動的にニュートラルに入ります。こうなると回生充電はストップしてしまいます。ちなみに EV BOSCO の場合だと、回生充電がされている時はカラカラという音が聞こえますが、ニュートラルに入るとこのカラカラ音がしなくなります。

電気の消費量を抑えた走り方をするには、減速してニュートラルに入る直前でほんの少しだけアクセルを入れると良いでしょう。これは私の実体験に基づく感覚なのですが、減速してニュートラルになる直前に、アクセルの遊び部分(アクセルを開いてもアクセルとしての機能が発動しない部分)のギリギリを少しだけ超えたところに一瞬だけ入れてアクセルを戻すと、回生充電が途切れることなく続くようです。

完全停止を避ける

ギアが入った状態で減速していると回生充電が行われますが、完全停止してしまっては回生充電は行われません。なので、電気の消費量を抑えた走り方をするには、なるべく完全停止は避けたほうが良いでしょう。

完全停止を避けると言っても、オートマ車のクリーピングのように、常にジワジワと前進してるのではありません。ジワジワ前進するのは、意外と電気を消費します。

「赤信号になりそうだな」とわかったら、早めに前の車との車間距離を少し長めにしてゆく。そしてエンジンブレーキをかける。ニュートラルに入りそうになったらギアを入れるためだけにアクセルを一瞬だけ操作する。こうして完全停止する前に信号が青になったら何事もなかったかの如く前の車の動きに合わせて加速する。

制動距離が異様に長いという、ちょっと奇妙な運転方法かもしれませんが、そういう走り方をするのが電気の消費を抑えた走り方になると実感しています。信号の個数にもよりますが、完全停止を避けられるかどうかで2kmで1%くらい消費される電気の量が変わってきます。理論上はメインバッテリーをフル充電すると60km走行可能ですので、完全停止を避けられるかどうかによって30%ほど消費される電気に差が出てくることになります。これは、かなり大きいのではないでしょうか。

快適な速度を維持する

いくら回生充電が行われるとはいえ、やはり加速や減速を行うと、それなりに燃費ならぬ電費は悪くなります。どの速度で走り続けるのが最も電費の良い走行速度か、オフィシャルな情報はありません。ただ、私の体感としては多分40km/h〜50km/hのあたりに最も電費の良い速度が存在するように感じています(もちろん、この速度は積み荷の重さや路面のコンディションによっても左右されると思いますが)。

私は別にスピード狂ではありませんが、深夜の青梅街道で他の車の流れに合わせて走っていたら75km/hを普通に出していた時は驚きつつも「こんなに走れる子なんだ」と妙な気持ち良さを感じていました(さすがに60km/hに減速しましたが)。そして車を停めた後でバッテリー残量を見て再び驚きました…いつもの1.5倍くらい減っていたのです。ずっと75km/hで走ったとしたら45kmくらいしか走れないのかもしれません。これは電費が悪い走り方です。

この後、悲劇が起きる…

EV BOSCO で消費する電気の量を抑えた「省エネ走行」をするコツを今回は書きました。そのコツを実践するのを「面倒」と思うか、「面白い」と思うかは、人それぞれだと思います。少なくとも私は、どれだけ省エネ走行できるか、1回の充電でどこまで走れるか挑戦してみたくなるタイプなので、面白がっています。もちろんグイグイ加速していくのも楽しいのですが、回生充電を意識したマニアックな減速も楽しいという、ちょっと変わった子が EV BOSCO かと。

多分、近所のスーパーに買い物に毎日行くだけくらいなら、ソーラーパネルのついたカーポートを作れば EV BOSCO は電気料金を気にしないで乗り続けることができると思います。あるいは週に1回くらい、片道20kmくらいのショッピングモールに買い物に行くような使い方なら、それで十分でしょう。

ただ、70km/hとか75km/hで走り続けると、想定外の悲劇が起きることがあります…次回は実際に私の EV BOSCO に起きた悲劇について書きたいと思います。











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