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noteがなければ、家族と出会い直せなかったかもしれない。

今日noteがはじまって10周年だと知った。

10年前にはnoteを知らなかった。
SNSにはなにひとつ手をださないで
過ごしていた。

スマホさえ持っていなかった頃だ。

もう誰かと関わるのも嫌だったし。
なにか無性に傷つきたくなくて、なにも
やらないでただホームページに頼まれた
文章だけを書いていた。

ここに来たのはあの感染症のせいだけど。

それでも2020年に来て今2024年までこの
飽き性のわたしがいるなんてちょっと
びっくりしている。

わたしの個人的な問題の糸もこんがらがっていてどこを解けばいいのかわかないぐらいに、混とんとしていた。

正直友達もひとりぐらいしかいなかった。
鬱を抱えていたからドタキャンも平気で
していたし。
家族とは問題だらけだった。

新聞を読んでは紙のノートにそれを書き写し、どこかで世の中と接点を持った気に
なっていた。

そして世界的に流行したあの病のせいでなにかわけのわからない焦りみたいなものが、
わたしのなかに芽生えていた。

だからそれがどうしてnoteだったのかよく
わからないのだけど。

なにか言葉にして吐き出す場所が欲しかった。

仕事として書いていたサイトではそれはできない。
だからもうひとつのセカンドプレイスがほしかった。

その頃はもうnoteの名前を聞いて知っていたので認識はしていた。

でもそこにわたしが書く場所をみつけるとは
思ってもいなかった。

はじまりはみんな大抵一人だと思うけど
わたしもひとりで来てみた。

noteを始めてみた。

さっさと書いてさっさと去っていた。

コメント欄で交流とかはまだ遠い話だった。

さっさと書いてと書いたけど。ほんとうは
何を書けばいいのかわからなかった。

短歌や詩を書いてみたけどさっぱり読まれない。

ずっと読まれないままなら辞めてしまおうと
思っていた。

はじまった矢先からおしまいをイメージするのはわたしのいつもの癖だ。

そしていつか書いたのがエッセイだった。

次第にエッセイもいつしか家族のことを書くようになっていた。

それはわたしの中で巣食っていたせいだと思う。

家族と離れることばかり考えて若い時に一度それに失敗してやむを得ず実家に戻って母と暮らしていた。

紆余曲折あった父との関係も、じぶんはこのまま修復しないまま人生を終えるだろうとしか思えなかったのだ。

それだけに受け入れられない事実もたくさん
あった。

父に今まで申し訳なかったと謝られると心が
きしんだ。

きしんだこともたくさん書いた。

でもある日。

noteのお題のタグの中に「私の本棚」
というものがあった。

思えばわたしは父を拒絶していた時代から
20年間に渡ってクリスマスに本を贈って
もらっていた。

最初届いた時は、本屋さんに返してくださいとまでいいたくなるぐらいその本が、憎かった。

プレゼントとかでごまかさないでほしいという荒れた心もあった。

でも毎年届く。

毎年届くそのラインナップはなぜかわたし好みの高くて手にできなかったものなど。

恐ろしくかゆいところに手が届くほど欲しいものだった。

そしてわたしは衝動的に父が贈ってくれた本だけの本棚をある時作っていた。

ちょうど二段分の本がそこに配置された。

このnoteを書くために自分の部屋の本棚を
こしらえていたら、いつのまにか
父があきらめずに20年間わたしに本を贈り
続けたことの想い、意味がふいに伝わって
きた。

そして本棚の前で泣いていた。

それはありがとうなのかごめんなさいなのか
わからなかった。

抗っていたわたしがデフォルトのわたしには
かなりのプレッシャーであったし、自分が受け入れようとしていることへの大いなる戸惑いもあった。

でも一度この記事を書いてしまうと、なぜか
堰を切ったように父とのことを書いていた。



ほんとうにnoteおそるべし。

あんなに卵のように頑なだったわたしが
こんなふうに父のことを何度も書いてし
まうなんて。

書くことで、父を許そうと思った何か。
そしてわたしも許されようとしていたのかも
しれない。

父にはぜんぶ書いていいよと言われていたけれど。
一切このnoteのことを知らせていない。

わたしの張りつめた想いは日々noteを書く
ことでほどけていった。

書くことでほどけたまま、父に会っていた。

今わたしの家族は母の病と闘っているけれど。

でも父との関係性を繋ぎ直していて
良かったと思う。

家族を生き直している今。
その中で母のことをわたしたちなりのやり方ですこしでも幸せに思ってもらえるような
日々を作りたいと思う。

そして振り返るとほんとうにこわいけれど。
あの日noteに来ていなかったらこんなふうに
わたしは父と向き合えてなかったんだと思う。

noteという場所がわたしにもあって、あの日
ここを選んだことほんとうによかった。

Xでは末吉宏臣さんにうれしいポスト頂きました!夢のようです。

note10周年おめでとうございます!

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