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移住日記を毎日書いていたらドイツから連絡がきた。その後⑤

あっという間の2022年が過ぎた。

思えば11月の上旬にベルリン自由大学からイタリア経由で豊前に地方移住の研究にやってきたチェチリアさん(日本語堪能)は、もう豊前滞在3ヶ月目だ。

1才半のお子さん連れで海外、しかも移住環境が充実しているとは言えない豊前で手探りで過ごしている気力体力には驚かされる。

こちらも日々思ったより慌ただしくて大して助けにはなっていないとは思うが、彼女が豊前にやってきたことで何か得ること、持ち帰れるものがあればよいなと思う。

年末には一度だけ彼女を私のとっておきの場所に連れて行くことができた。

写真撮影禁止、平安時代作の大きな木像が並ぶ真木大堂

この日はうちの子も一緒。

「また会いたいよー!」とチェチリアさんたちが豊前に到着した日以来、タイミングを待ちわびていたようだ。

そんな我が子は二度目になる真木大堂へ。

真木大堂とは豊後高田市のホームページから引用すると以下。

幻の大寺院・伝乗寺の大堂に伝わった9躯の仏像
 真木大堂は、かつて馬城山伝乗寺(更に古くは喜久山(きくやま))と呼ばれた大寺院で、その寺域は現在の田染真木にとどまらず、真中・小崎・横嶺へと伸びて、西叡山と接するあたりにまで広がり、夕日岩屋・朝日岩屋・稲積岩屋(鍋山磨崖仏)などの7の末寺、大門坊をはじめとする36もの坊をしたがえていたとされています。
 鎌倉時代の六郷満山の様子を記した「六郷山諸勤行幷諸堂役祭等目録写」によると、喜久山には丈六(仏像の背丈の基準で、立像であれば高さ4.85m、坐像であれば高さ2.43mが本物の仏様と同じサイズと考えられました。単に仏像が大きいことを表すこともあります。)の阿弥陀如来、不動明王、大威徳明王が、今と変わらぬ組み合わせで安置されていたということが分かっています。

豊後高田市ホームページから引用

もともとは大きな寺院があったところで、不動明王像、大威徳明王像が今の真木大堂と変わらない組み合わせで安置されていたそうだ。

初めて訪れた時、その大きさと存在感に圧倒された。
子供時代は近畿のあちこちに行っていたこともあるけど、ここの木像と空間は独特だったので、日本通のチェチリアさんにもぜひ体感してもらいたいと思っていた。

写真撮影は禁止なので、豊後高田市が無料の写真素材を用意してくれているので紹介したい。

豊後高田市公式写真素材 真木大堂 不動明王像・二童子像(国重要文化財)

日本最大の不動明王木像。像高255cm。

豊後高田市公式写真素材 真木大堂 阿弥陀如来坐像・四天王像(国重要文化財)

中央の阿弥陀如来像は像高216cm。
周りの四天王はすべて160cmほど。

豊後高田市公式写真素材 真木大堂 大威徳明王像(国重要文化財)

像高241cm。
「牛の上に乗っているなんて初めて見ました!」とチェチリアさんが驚いていた。

「京都にあれば、きっと大行列でしょう」とも。

千年以上前から景色が変わらない日本の原風景「田染荘」

時間があったので、もう一箇所。

以前チェチリアさんが「昔と変わらない景色が見たいです」と言っていたので、平安時代から変わらないと言われる田染荘(たしぶのしょう)の展望台へ。

耶馬渓のような岩肌が見える山の手前には田んぼが広がる。

ここは田植えの時期から収穫までの景色がインスタ映えスポットとしてもよく紹介されている。

(冬はライトアップイベント)

豊後高田市公式写真素材「田渋荘」

この景色もいつか見てみたい。

お昼ごはんは福岡で人気のうどんチェーン店「ウエスト」

チェチリアさんから「うどんとラーメンが大好き!」と聞いていたので、うどんのお店かつ子供にやさしい人気チェーン店にお連れした。

予想どおりスタッフの方は親切に子供椅子を出してくれて、子供用のコップも持ってきてくれた。

息子くんはニコニコ、「かしわおにぎり」をもりもり食べていた。

チェチリアさんは福岡のうどんは初めてだったみたいで、ごぼ天うどんや丸天うどんに興味津々だった。

最終的に「かしわうどん」を注文。

「これなんですか?」備え付けの天かすについて尋ねられ、具材の天ぷらをするとこのような破片ができて、うどんやそばに入れてまた食べるのだと説明したら「面白い!」とうどんに入れていた。

反応を見て次はお気に入りのラーメン店もいいかな、なんてインプット。

おわりに

片道1時間ほどの豊後高田市への日帰り旅は無事終了し、お互いの年末年始の情報交換をした。

年明けは大学のワークショップのために一時帰国しなければならないと言っていたので、彼女の心身がもつのかかなり心配になった。

「えー、オンラインじゃダメ?なぜ?この時代で?体こわしたら元も子もないのでは…」と思わず言葉に出てしまったが、大学側から呼ばれているので仕方ないらしい。

仕事も研究者の道も厳しいようだが、少しは歩きやすい道になってくれたらいいなと、子育てと仕事の両立で苦慮してきたものとして切に願う。


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