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移住日記を毎日書いていたらドイツから連絡がきた。その後⑦

ベルリン自由大学の研究生であるチェチリアさん(日本語堪能)が日本の地方移住を研究しに豊前に滞在して、はや4ヶ月目。

来月には豊前市を離れて長崎県の波佐見町にまた滞在するという。

思ったより早い、早すぎるとチェチリアさんと連絡を取りながら、少しでも会えるように動いている。

先日は3時間ほどお互いの時間が合ったので、ランチプラスアルファのお出かけをご一緒した。

まずはお気に入りのラーメン店「満福ラーメン」へ

いつか連れていきたいと思っていた、私のお気に入りのラーメン店。

北九州の名店「珍竜軒」の流れをくむ椎田の人気店だ。

味は美味しく接客も感じよくぶれないお店。

日本食ではラーメンが大好きという彼女に食べさせてみたかった。

「美味しい…!ヨーロッパにあったら大人気ですよ、これは」と気に入ってくれたようだ。

ヨーロッパどころか東京に住んでいるグルメな親戚が「これこれ、この味。東京には無い」と言っていたから多分このエリア(北九州)特有の味なんだろうけど。

食後のドライブはガイドブックに載っていない穴場史跡へ

ラーメン&餃子ランチの後は近くのとっておきの史跡スポットへ。

以前ラーメン店から豊前に戻る時に迷った道で見つけた雰囲気の良い神社と遺跡へと。

まずは正八幡宮。

素敵なところですね、とチェチリアさんも前のめりに進んでいく。

豊前にもよくある二本の石柱と猿田彦大神の石碑がある。

この木は変わっていて、並んでいる二本は楠とイチイガシで違う木なのに根本は一緒になっている。

宇佐神宮にあるイチイガシと兄弟木であるとも伝えられている。

「不思議な木!こんなの初めて見ました!」とチェチリアさんに驚かれた。

「京都で見ましたが、ここにも天井に絵。
でもどこにでもこれがあるのは九州が多いように思います。」

日本通のチェチリアさんは、他の地域の神社仏閣のこともよく知っている。

自分は近畿育ちで広島、北九州と移り住み、今は豊前に住んでいるけど確かにこの北部九州エリアは当たり前のように色々なものが残っていて驚く。

正八幡宮の近くの小原不動窟は求菩提山ゆかりの場所

正八幡宮を見た後は歩いて三分程度の小原不動窟へ。

小川が流れ、鳥の声が聞こえる田園地帯を歩く。

「とても気持ちよい場所ですね」

と言うチェチリアさんに「不動窟あたりは縄文時代の骨や石器も発掘されたそうです。その時代から人がいるということは住みやすい場所だったのかもしれませんね」と言いながら進む。

窟とは要はへこんだ崖のことで、そこの建物の中に木彫りの不動明王が祀られているのが小原不動窟だ。

今住んでいる豊前市のシンボルである、修験道の聖地と呼ばれる求菩提山と縁が深い修行の場所というが、ガイドブックなどで全く目にしたことがなかった。

「市という縦割りになってしまうと、横つながりが分かりにくくなっちゃうんでしょうね」とチェチリアさんにこぼすと「ぶぜんノートさんはなぜここを知ったのですか?」と尋ねられた。

「…えーと、さっきのラーメン店の帰りに道に迷って見つけました…」と答えたら「ラーメンのおかげ!素晴らしい」と言ってもらえたけどなんだか照れてしまった。

最後は自販機でコーヒータイム

その後は豊前の道の駅に行って、イタリア人チェチリアさんお気に入りの珈琲の濃さが選べる自販機で珈琲を飲んだり、資料を探した。

コンビニでも最近は珈琲の濃さが選べるところがあるはずですよと伝えたら「気づかなかった!今度から見てみます」と言っていた。

めちゃくちゃ日本語堪能な方だけど、話したり聞いたりするより文字が難しいと言っていたから、表示を見過ごしていたのかもしれない。

おわりに・次はいよいよ豊前のシンボル「求菩提山」か

別れる前に次の約束。

2月は思ったより晴れ間が続くので、求菩提山に登れそうだと、一緒に登る約束をした。

私が移住前、豊前を知るきっかけになったあの山に彼女と一緒に登れるなんて、今から楽しみだ。


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