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英会話は、まず話したいことを話してみる。

私は短期大学で英語科を専攻していた。その中で外国人の先生による単純な「英会話」的な授業を受けていた時の事。とにかくその先生の持ってくる英会話のトピックがつまらなかった。。。。トピックの細かな内容は忘れてしまったけれど、18歳、19歳の女子達が興味を持つようなものでは無かったことだけは覚えている。しかし、大人しい日本人の生徒たちは粛々とそのトピックのできるだけ沿った内容の英会話をするしかなかった。大概その授業の教室は水を打ったように静かで、私はその授業に向かうのが憂鬱だったものだ。そしてある日、私はついに先生に提案してみたのだ。

「昨日観た映画がとても面白かったので、今日はみんなと好きな映画について会話をしてみたい。」と。私は周りの生徒たちの緩やかに変わる嬉しそうな表情を見逃さなかったし、隣に座っていた友達は何度も大きくうなずいた。しかし先生は間髪入れず私に言った。「それはあなたが話したいことでしょ?」そして私が「Yes」と答えると、「その内容では授業にならない。」とピシャッと言われ・・・・・それっきりだった。また先生の選んだトピックについて盛り上がらない英会話を繰り広げ、授業が終わるまで耐えたのだった。

日本の高校を卒業し、日本の短期大学の英語科を専攻するほとんどの生徒は入学してすぐに英語が流ちょうに話せる訳もなく、何なら卒業したって英語がペラペラになることの方が珍しかった。そんな英会話に不慣れな私たちが、何の興味もない事を英語で話すのはなかなかの試練だった。私はその日以降先生に提案することはやめてしまったけれど、今でも思っている。「英会話はまず、話したいことを話してみる」、それが上達への取っ掛かりだと。言うまでもないことだけれど、興味ないことなど母国語でだって話すことは難しい。「幼児教育がもたらす未来への功罪について語りましょう!」なんて言われても、「あ。。。。え?」となってしまう。もちろん英会話力を向上させる為、様々なトピックについて語り合い、新しい単語や言い回しを学んでいく授業の重要性も重々理解した上でお伝えしてるのだけれど、やはり初期段階では、「話したい事できるだけ英語で話して楽しもうぜ~~~♪」で良いと思っている。英語の勉強は楽しくないと続けられないからだ。続けられない、つまり『継続できない』ということは、もう上達は元より、習得さえ見込めない、というのが語学学習だと私は思っている。

最近はカフェなどでネイティブの先生と自分が話したいトピックを自分で提案し、それについて気楽に会話をしながら英会話を習得していく、と言う人達も多いように見受ける。カフェに入った時にそんなレッスンをしている人を見かけると、つい近くの席に座って聞き耳を立ててしまう事もある。楽しそうに英語を話し、どんどん話が盛り上がって大きな声になっていく様子などを見ると、私もなんだかウキウキしてしまう。そう、まずは楽しめる内容の会話からスタートするのが大切なんだ!と、心の中で改めて私は思うのだ。

語学学習は継続が命。その為にも楽しむことを忘れずに、私も引き続き英語に触れ続けていきたいと思っている。

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