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オランダで骨を折りまして【事故〜救急搬送編】

※この話は一部ショッキングでグロテスクな表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
今後海外で怪我等をされた際に、少しでも参考になれたら幸いと思い記録を残したいと思います。

4月中旬。私はパートナーの「ひでまる」と約5年ぶりの海外旅行に出かけました。オランダ、ドイツ、スペインとヨーロッパを周遊する予定でオランダのアムステルダムに到着した翌日、早速「ザーンセ・スカンス」という風車が沢山あるTHEオランダって感じの観光地を巡ることに。

ザーンセ・スカンスの風景

時々降る雨と雲間から覗く光がレンブラントの絵のようでとても幻想的な風景でした。ククク…これがレンブラント光線か…とかニヤニヤしながら、オランダ在住の友人「Hさん」、同じタイミングでオランダに遊びに来た友人「Mさん」とともに4人で、風車の仕組み教えてもらったりフォトスポットで写真を撮ってはしゃいだりしていたのですが…

フォトスポットで骨を折る直前のアホ面の私

写真を撮った後、階段を降りようとすると…

ドスッ・・・

気づくと私は尻餅をついていた。
何が起きたのか分からず立ちあがろうとするけど、右足が動かない。
『なにこれ???』
心配した友人達も何が起きたの分からず、ひとまず皆んなの肩を借りて休憩用のベンチへ移動。施設の方も来てくれて、この時点ではあまり痛くなかったので私も含めてみんな捻挫かな〜くらいの感じでした。
そんなに高い台でもないし、盛大にすっ転んだ訳でもない。
試しにベンチに足を伸ばしてみようとなり、右足を両手で掴んで持ち上げると…

ズ・・・

多分一生忘れられない感覚が伝わってきて私は一瞬で察した。
『繋がってない』
明らかに足首から下がズレ落ちるのを感じた。
骨を折るのは初めてだった。
階段から落ちたり、自転車で吹っ飛んだり、車で事故っても骨が折れないくらい昔から骨は丈夫だと思ってたのに、こんな簡単に折れるものなの?というか折れた瞬間全然痛くなかったんですけど??
そんな事を思う暇もなく激痛が走る。

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!」

本当に痛いとき人間って「イタイ」って言わないんだね。叫んだり歯を食いしばったりを繰り返す。
足がつったような肉離れのような激痛が走り、人生で痛かったことランキング第一位を一瞬で塗り替えた。仕方ないよね多分本当に離れちゃったんだもん。
施設の方が救急車を呼んでくれる事に。現地の人が救急車呼んだほうがスムーズに来てくれるだろうとのこと。イケメン過ぎる。また来るよ施設ニキ!!

救急車は本当に一瞬で来てくれた…多分。自分の体感では一瞬だった気がするけど、この後の投薬のせいで記憶が怪しいだけかもしれない。
救急隊員のお姉様(以降、救急ネキ)が状態を確認して脚を触る。

救急ネキ「あ〜これダメね(意訳)」

すぐに左手に点滴打ったりするのに使う針を刺されて色々投薬されて行く。
柔らかい謎のハイテク素材の座布団的なモノで脚が固定されていく。激痛だけど気になって観察しちゃう。
謎の薬を取り出して説明するけどよく分からないのでMさんが通訳してくれる。(基本的に私は英語はあまり分からないしこんな状況なので更に分からないので、HさんとMさんの通訳がベースです)

救急ネキ「このお薬はBadな事を考えているとそっちに引っ張られちゃうので、Happyな事を考えてね!!」

あっ…これイケナイお薬にする説明じゃん!
医療用◯薬的なヤツだよねぼくはくわしいんだ。
でもこの状況でハッピーな事考えるとか難易度高過ぎだよ救急ネキ!
左手から薬が投入されるのが伝わってくる。
ヤケクソで叫ぶ私。

「ハッピィィィィィィイイイ!!!」


景色が写真で切り取られたみたいに停止している。
ファミコンプレイ中にカセットを蹴ってバグった画面みたいになっている。
音もバグったゲームみたいにループしていて何の音なのか分からない。
写真が何枚も重なって行く。
今度はタイル状に並んで行く。
また別の風景に切り替わるけどやっぱり停止している。
ずっとそんなのを繰り返して時間が無限に続いている。
なんでここに居るんだっけ?
さっきまでは夢だった?
いつまでこの画面を見させられるんだろう。
これが死ぬ前に見る風景なんだろうか。
いつかこの画面が暗転した時、
私は死ぬんだろう。


少しづつ停止していた画面が動き始めるが、何が見えているのか相変わらず分からない。
音もループしなくなったが、全てがノイズに聞こえる。

「後から追いかけるから!!」

ひでまるの声だ。
急に我に帰る。
HさんとMさんの声も聞こえてくる。
救急車に全員は乗れないので、Mさんが通訳を兼ねて付き添ってくれるらしい。
どうやら救急車に運び込むところらしいが、相変わらず風景は溶けていて上手く認識出来ない。身体がどこにあるのか分からなくて、意識だけ浮いているみたいだ。
救急ネキとMさんが側にいるが、どちらも黒い点が数個あるだけにしか見えない。何かに似てると後々考えたらUnderworldのアルバムジャケットに居たヤツだコレ。

A Hundred Days Off - Underworld

扉らしきものが閉じて白っぽい空間にいる。
Mさんが話しかけてくるので答える。
喋れる!
喋れるけど身体へのレスポンスが無いので喋っている感じがしない。
音も客観的に聞いてるみたいで遠い。
救急ネキの個人情報確認が始まる。名前、生年月日、etc…
パスポートが必要らしいのでポーチを開ける。
手が動く!!
動くけど相変わらず身体へのレスポンスが無いので実感が全くない。夢の世界のほうがまだ実感があると思う。
朦朧としたまま救急ネキとMさんと会話をしていると病院に到着した。一瞬だった気もするけお薬のせいで感覚が怪しいので、それなりに時間は経ってると思われる。

搬送直前の私とそれを見送るひでまる(※救急車に乗れないメンバーは後から追いかけ病院で確認するために記録を残しています)

尚、救急車に乗るまで私は、ニヤニヤしながらずっとハッピーハッピー言ってたらしい。今となっては笑い話だが、当時はその異様な光景に皆んな引いていたとのこと。当然私はずっと幻覚を見ていたのでなにも覚えてない。クスリ。ダメ。ゼッタイ。

次回に続く?
現在絶賛療養中です。可能であれば帰国後の保険の手続き等についても記録を残しておきたいが、その辺は手続きが無事終わったら考えます。

次回↓

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