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引っ張り蛸:ひっぱりダコ #176 辞書の生き物

引っ張りダコ

 とても人気があり、皆に求められている状況や、人気がある物や人を表す慣用句です。

 語源は、タコの干物を作る際、8本の足をそれぞれ引っ張り伸ばして干していました。その足が各方向に引っ張られている様子からできた言葉です。
 由来は海の「」ですが、凧揚げ(たこあげ)の「」も、糸を引っ張って揚げることから、「引っ張り凧」と「凧」の字も使われており、どちらも間違いではないようです。

 8本のタコの足は、手や腕と表記される場合もありますが、エサを獲ったり、物をつかむ際にも使うことから、手もしくは腕という方がよいのかもしれません。どこまでが手のひらなのかわかりませんので、全体をと言った方がよいでしょうか。 

タコの利き腕

 昨年、科学雑誌に報告された論文によると、タコには利き腕があり、目の前にある腕を1番目として、目で見ている側の2番目が利き腕とのこと。
その利き腕でエサを捕まえる場合には、その両隣(1番目と3番目)の腕も協力して確保するのだとか。

 自由に使える腕が多いのは便利なように思いますが、それぞれを同時に効率よく動かすよう指令する脳も、それ以上に発達していないともつれてしまいそうです。
 タコが賢い動物と言われるゆえんはこういうところにあるのかもしれません。
 

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