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【サイゼリヤで再ヤムチャ】

⚠︎本文は多少のフィクションを含みます



 森の中から空を見上げると、生い茂った木の葉がたくさん見える。その合間の枝をぴょこぴょこと跳ねるように渡る鳥がいる。そんな感覚によく似ているのが、ディズニーリゾートラインに乗りたいなって衝動だと思う。
 舞浜駅からすぐのその駅。長いエスカレーターを昇ると、遠くから小さな音楽がゆっくりと近づいてくる。その間、エスカレーターの上でノルウェイの森の冒頭を思い出す。
「大丈夫です、ありがとう」
 わたしはそう口にする。日本屈指のアミューズメント・パークの一画で、わたしは誰よりも一人で、誰よりも強くエスカレーターを昇りきる。
 このホームにいる人すべての心には、それどころか、ディズニーリゾートを満喫する人々の心の中に京成勝田台駅前のリブレ京成というスーパーのことなどきっとない。東京ディズニーランドも東京ディズニーシーもリブレ京成も同じグループ会社だなんて思ってもみないのだろう。なにせ知名度が違いすぎるのだ。
 行ってみると、果物が美味しそうに並んでいてとてもいいお店だし、隣にはミスドもある。お手頃なお値段で美味しいコーヒー豆を売ってくれるドリームコーヒーもあって夢しかないというのに。

 浦安の言葉の通りにわたしは心を落ち着かせる。
 そして世界三大千葉のことを思う。ピーナツ、東京ディズニーリゾート。もう一つ大事な何かを忘れてしまっていた。灯台下暗し、クリオネ腹くだし。ひどく混乱している。ヒドクコンランシテイル。全く思い出せない何かもう一つの世界三大千葉。真実を掴み取りたい。 Seize the real。サイゼリヤ!!千葉発祥のサイゼリヤやんか!!


 もう半年近く行っていない気がしてきたので早速ホームページへ飛んでみた!船橋のららぽーと近くには三百メートルくらいしか離れていないのに二店舗もあるほど千葉にはサイゼリヤが溢れていて、人口一人当たりのサイゼリヤの数は世界一位とも言われてるの。ちなみにわたしが一番最近(半年ぐらい前)に行ったのは船橋駅近くのサイゼリヤ!
 ではさっそくメニューを見ていこうね!中部地方以東バージョン!2024年5月20日現在のもの!

 まずはドリンクメニュー。今回はお酒を楽しみながらサイゼリヤを満喫するイメージトレーニング。本番で練習以上のパフォーマンスを出せることってあまりないから、毎日の鍛錬を欠かしてはならないの。それがサイゼリヤ道。これは千葉の県立高校では選択授業の一つでもあるの。目を閉じて、サイゼリヤのメニューを思い浮かべながら読んでほしい。

 グラスワインの値段がまず飛び込んでくる。本場イタリアより安いんじゃないかってくらいの衝撃。なんと91円。イタリアでワインを作ってそれを容器に詰めて港まで運び、船か飛行機で日本の港まで運ぶ。そこからトラックか飛脚かでサイゼリヤまで届いて、サイゼリヤの店員さんがグラスに注いでその後洗ってまでで1グラス91円!ここまで来ると、流通コスト的には千葉=イタリアがあるってことになる。千葉とイタリアって姿形も大陸からぴょって生えてる感じもほぼ類似しているしルイージはイタリア系アメリカ人なのでこれはほぼ確定。地産地消ですね。
 グラス以外にはデカンタの250mlと500ml、1500mlのマグナムボトルがあるのね。このマグナムボトルの実物大の写真がメニューに載ってる。ファンの方は残念に思うかもしれないけれど、等身大の松岡修造の写真はメニューには載っていませんでした!

 気軽に飲めるお値段でも、サイゼリヤなので美味しくないものはそうそう置かないんじゃないかって信頼感はある。
 気になるのはボトルワイン。飲み口の良さそうな感じでなんとも楽しそう。ドンラファエロ気になるなあ。ベルデッキオも多分わたし好きなやつよこれ。もうね、イタリアワインって葡萄の品種で味を予測するのが難しいからとにかく飲んでみるのが大正解って思ってる。
 ハマる人はイタリアワインは一生楽しいよ。葡萄の品種だけでも無数にあるし、造り手の個性も強い。本屋さん好きでお酒も好きな人ならイタリアワインの世界はきっと好きだと思うなあ。なんせ目の前に知らないワインや気になるワイン、これ一体なんなんだろうってワインがひたすらあるの。
 サイゼリヤもそのイタリアワインの世界の中の一部分。選択肢が多すぎなくてとっても親切。多すぎるとどれがいいかわかんなくなっちゃって結局何も飲まないってパターンもあるからね。逆に絞り込んでくれてるんだと思う。それにしてもドンラファエロ気になる。
 ドンラファエロもいいんだけどさらに上をいく衝撃はグラッパ。これ泥酔するなってのが困難なやつじゃないの?グラッパで結構やらかしてるからこそわかるけど、これサイゼリヤの前で千葉県民総ヤムチャになるやつじゃない。ドンラファエロとグラッパで既に満点です。
 

 続いてはサラダ。世界標準になりつつある小エビのサラダがまず眼球にダイブでintoしてくるし、どのサラダも全弾フルスイングで好みすぎる。早くも再ヤムチャ決定でもう立ってられん。無言で横たわるしかない。

 グリーンサラダとその他ほとんどのサラダの値段が変わらないってことは、もうこの小エビ、チキン、ワカメは実質サイゼリヤ持ちみたいな感じかしら。これは想像でしかないけれど、小エビもチキンもワカメもお店の裏のガーデンでシェフがハーブ感覚で育てている可能性すらあるよね。今年は天気がいいから小エビの育ちがいいなあ!って感じでね。
 ちょっと罪悪感すら感じるレベルの攻めた値段設定だけにこれはグラッパ追加しないとって気持ちになってる。本番前にイメージトレーニングしてなかったら多分この時点で3ヤムチャ目をきめてたな。あぶねえ!
 でもサイゼリヤのサラダって本当に美味しいよね。このサラダという、世界のいろんな店で売ってる商品で変化球なしの名物料理を作り出したのは本当にすごい。
 日本に住んでる人全員に、外食で一番美味しかったサラダを聞いたらさ、多分サイゼリヤの小エビのサラダが一位になるよね。店舗数もあるし食べる機会も多いだろうからっていうのを考慮してもこれは本当に名物。

 続いてはスープにパン。たまねぎのズッパを絶対に注文する。これにガーリックトーストでもう頭がパンクしそう。寒い冬のニューヨーク。心温まるオニオングラタンスープ。香ばしいバゲット。
 この二品だけでサイゼリヤが日本でもありイタリアでもありニューヨークでもある気がしてくる。フランク・シナトラよ、サイゼリヤって。フランク・シナトラが日本語ペラペラになったらサイゼリヤになるのよ。きっとそうよ。じゃないと説明できないことが多すぎる!
 NY。マンハッタンの南北の長さがだいたい20kmで、その実成田から四街道までの距離もだいたい20km。勘のいい方はここで気づいたかもしれないね。そう、ニューヨークのNYってNarita Yotsukaidoのことでもある。フランク・シナトラはニューヨークであの日の成田-四街道間の思い出を歌っていた。サイゼリヤのメニューは、読み込むと果てしない示唆に溢れてるの。これまでも伝え続けてきたけれど、レストランのメニューはしっかりと読み込むと面白い!

 次は本命コーナーです。わたしの願望でもあるけれど、もしオーセンティックなレストランでなければメインを注文せずに前菜だけでお腹を満たしたい!そんなスペインのバルみたいに楽しめるのもサイゼリヤの魅力の一つ。わたしなら、にんじんサラダと青豆の温サラダとアスパラを。ここで事前に仕上げてきてるかどうかの差を見せることができると思う。冷静に勝負しつつさらに魅せるサイゼリヤ。周りのテーブルが「ちょっと、あの人見てよ。メインの炭水化物ないじゃない」「ほんとね、ニワカかしら」「なに小食アピールしてんのさ!」ってヒソヒソ話を始める可能性は否定できない、それでもわたしはいっこうにかまわんっ!!

 青豆のサラダも正直言いまして、控えめに表現しても最高傑作。夏に枕の中をこの青豆のサラダに入れ替えたいほどほんのり爽やか。その青豆を半熟のポーチドエッグが!歓声を包み込む!
 これは本当に有名な豆知識、といっても青豆とは関係ないんだけどね、ビッグエッグってよばれていたこともある東京ドームについてのお話なの。
 よく大きさの比較で東京ドーム何個分ってあるわよね。あれってこのサイゼリヤの柔らか青豆の温サラダに乗ってるポーチドエッグのことなの。そんなの知ってるって!?ふふふ、いいの。ドヤ顔で言ってみたかっただけなんだもの!
 にんじんのサラダは次回絶対食べる。オレンジ香るドレッシングっていいね、おいしい予感がしてる。

 驚愕の前菜ラッシュはまだ続くよ。このページから肉肉しさがマシマシしてくる。ここはムール貝(写真では4つで一皿!)のガーリックバター焼きでドンラファエル。ここで再認識するけどサイゼリヤのバルとしての適応能力が高すぎる!手頃なお値段で色々つまめて楽しくワイン飲めるって最高だし、揚げ物のほとんどないところがまた良いね。居酒屋さんとかぶらないし、サイゼリヤならではの楽しみ方がある。どこかの代わりとかじゃない、サイゼリヤでお気軽バル。ところでサイゼリヤとサイバイマンってなんとなく文字が似てるね。

 バル気分で4thヤムチャしたところで、ここらで炭水化物と行きたいところではある。でも今はダイエット中なのだよ。だからイメージトレーニング中も炭水化物はできるだけ抑えたい。お肉類とデザートは空腹をかなり引き寄せそうなので今回は見送ります!

 サイゼリヤのイメトレはかなり面白かったです!もちろん飲み過ぎはダメ!みんなも楽しくサイゼリヤで過ごそうね!またねー!









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