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ヘルスデータサイエンスとは?


分析屋の藤島です。
医療系データの利活用に興味があるので、ヘルスデータサイエンスについて調べてみました。




1.そもそもデータサイエンスとは何か

米国の国立標準技術研究所の報告書によると、データサイエンスとは「発見、仮説、仮説検証のプロセスを経てデータから直接実用的な知識を抽出すること」と定義されています。

また、米国のあるデータサイエンティストが作成した下記の図によると、データサイエンスはプログラミング、数学・統計学、ビジネス力などの複数分野が複合されていることがわかります。


このことと私の経験を踏まえると、データサイエンスは「単にAIや統計学を駆使してデータ分析を行うだけでなく、分析するためのデータを作成したり、業務でどうデータを活用するのかを提案したりするなど、社会の問題に対してデータを用いてどのように解決していくのかを考える学術」と私は考えています。


2.医療分野におけるデータ活用について

医療分野では「エビデンスに基づく医療(EBM)」のもと、データ活用を行っています。
エビデンスに基づく医療(EBM)とは、「入手可能で最良の科学的根拠を把握した上で、個々の患者に特有の臨床状況と価値観に配慮した医療を行うための一連の行動指針」と定義されています。
つまり、EBMとは患者に合わせて信頼できる根拠がある治療を行う指針のことです。

【参考URL】

「質の高いエビデンス」は臨床研究や疫学研究を通して得ることができます。
そのため、医療分野のデータサイエンティストはAI・統計学の知識はもちろん、疾患の知識や医療における評価手法も必要になってきます。
また患者の個人情報や副作用等の医薬品の安全性に関わる情報なども扱うため、倫理規範の知識も必要です。

臨床研究や疫学研究における倫理規範として、ヘルシンキ宣言とGCPの2つが有名だと思います。
それぞれの内容はまとめると下記の通りです。

  • ヘルシンキ宣言
    医学の進歩のためには人体実験が必要なことを認めた上で、被験者の健康を第一とする

  • GCP
    治験を倫理的かつ科学的に実施し、被験者の人権や安全、治験の信頼性を確保するために制定されたルール

詳しくは下記サイトを参照
【参考URL】


3.ヘルスデータサイエンスとは

一般社団法人ヘルスデータサイエンス学会によると、ヘルスデータサイエンスは「診療・遺伝子・健康データのみならず、社会や環境、経済等あらゆる内的・ 外的なビッグデータから価値を見出し、人の健康に関する予測モデルを構築して、イノベーションへとつなげる学術である」と定義されています。

また同学会によると、ヘルスデータは以下の3要素から構築されています。

  • データアーキテクチャ
    電子カルテ、健診等の健康関連データの統合やデータ標準など

  • データマネジメント
    品質管理や評価手法、個人情報保護など

  • データアナリシス
    機械学習を活用した医療機器や医薬品の効果を確かめるための因果推論など

【参考URL】


4.最後に

最初ヘルスデータという言葉を聞いたときに、リアルワールドデータとの違いはなんだろうと疑問を感じました。
調べて自分なりに考えた結果、リアルワールドデータは「日々の臨床現場から取得できるデータ」のことで、ヘルスデータは電子カルテやレセプトなど含めて、健康に関わるデータ全般を指している。
そう考えると、ヘルスデータの中にリアルワールドデータというものがあると考えました。ヘルスデータサイエンスについて、勉強していく中で改めてリアルワールドデータとヘルスデータの違いを考えてみたいと思います。



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