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書道教室はやめとけ?需要・将来性をデータとイラストで可視化してみた【市場分析】

どもー。
分析太郎です。

今回は書道教室の
市場分析レポート
です。

仕事の将来性を把握する上で
市場分析は必要不可欠です。

起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと、
キャリア選択で痛い目を見ます。

なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。

それでは、見ていきましょう。




書道教室の将来性


まずは需給バランスを理解する

前編では、書道教室業界の
将来性を確認していきましょう。
その前に、需給バランスについて説明します。

世の中には様々な市場があり、
その中でお金が取引されています。

そして市場の中には、
供給(事業者)需要(お客様)
存在します。

これらを釣りで例えるなら、
市場=釣り堀
供給=釣り人
需要=狙っている魚
と言えます。


そして、需要と供給にはバランスがあります。
イラストにするとこんな感じです。


本レポートでは、
書道教室市場が4つのうち
どこに分類されるかを、
行政機関と業界団体のデータを
フル活用して考察していきます。

それでは、本題に話を移しましょう。


書道教室の市場規模

それでは最初に、
書道教室業界の
市場規模を確認しましょう。

経済センサス(総務省・経産省)の
データによれば、R3の書道教授業の
市場規模は161億円
推移は縮小傾向でした。

グラフを作成しました。


書道教室の市場規模推移(2012~2021・9年間)
※「書道教授業」データより作成

出典①:H24 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


どんどん縮小していますね…。

同規模の市場には
下記が挙げられます。

  • お好み焼き粉・たこ焼き粉(130億円)

  • お茶漬け(175億円)

  • トマトケチャップ(177億円)

国内市場の立ち位置としては
このあたりです。


国内市場における書道教室市場の立ち位置
出典:市場規模マップ


市場規模はかなり小さいです。
この市場で、需給バランスは
どうなっているのでしょうか。



確認していきましょう。


書道教室市場の供給の推移

それでは、書道教室市場の
需給バランスを確認しましょう。
まずは供給から確認します。

書道教室市場における供給は
下記の二つと定義します。

  1. 書道教室の数

  2. 書道教室で働く人の数

まずは、書道教室の数が
どう推移しているのか確認しましょう。

経済センサス(総務省・経済産業省)の
報告によれば、2021年の書道教室数は
7,005事業所、推移は減少傾向にありました。
グラフを作成しました。


書道教室事業所数の推移(2012~2021・9年間)
出典①:H24 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


書道を教えてくれる場所が、
どんどん減少している
ということですね。

では、書道教室で働く人の数は
どうなっているでしょうか。

グラフを作成しました。


書道教室従業者数の推移(2012~2021・9年間)
出典①:H24 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


書道教室で働く人も
かなり減少していました。
9年間で33.1%ですから、
ものすごい減少幅です。

2021年はコロナウイルスの
影響がかなり大きいのではないでしょうか。
コロナを理由に辞められた方々が、
再び戻ってくるかどうかが
ポイントですね。

供給のデータを
簡単にまとめると、こうです。

・書道教室の数は減少傾向
・書道教室で働く人も減少傾向

つまり、
書道教室市場における供給力は
減少していると考えてよさそう
です。

従って現時点では、
先ほどの四分類のうち
このどちらかに分類されるのでは
ないでしょうか。


では、需要はどう
推移しているでしょうか。
確認していきましょう。


書道教室市場の需要の推移

それでは、
書道教室市場の
需要がどう推移しているか
確認していきましょう。

残念ながら、
書道教室に通う人数の
公的な統計データは見当たりませんでした
(見つけた人すぐ教えてください😭)。

従って、
限られたデータから、
書道教室市場の需要を考察
してみましょう。

まず大前提として、
現段階では一旦、書道教室の需要は
減少していると考えていい
でしょう。

理由は、冒頭でご紹介した通り、
市場規模がどんどん縮小
しているから
です。

基本的に、
市場規模が縮小しているのに、
需要が拡大しているとは考えにくいです。

改めてグラフを確認しましょう。


書道教室の市場規模推移(2012~2021・9年間)
※「書道教授業」データより作成

出典①:H24 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


このような状況に
陥っている理由としては、
大きく3つのことが考えられます。

  1. 利用者が減少しているから

  2. 利用者の単価が減少しているから

  3. その両方

個人的には、
単価が減少していることよりも、
利用者が減少していることの方が
マズい
と考えています。

そう考える理由は、
利用者の減少は、
1円もお金を払う価値が
ありません(=興味がありません)」と
社会全体から認識されつつある
ことを
意味するからです。

客単価の低下は、
支払われる金額は減りますが、
それでもまだお金を払う価値はあると
認識されている
ということを意味します。

従って、
利用者の減少だけは
避けたいところなんです。

さて、色々データを探してみたのですが、
客単価の推移データは見つけることが
できました。

どのように推移しているのか、
確認してみましょう。
グラフを作成しました。


書道教室1ヶ月あたりの料金の推移(2015/1~2023/10・8年9ヶ月間)
出典:小売物価統計調査(総務省)


書道教室の1ヶ月あたり全国平均価格は
上昇傾向にありました。

つまり、
市場規模が減少している理由は
3つのうち、こちらだと考えられます。

  1. 利用者が減少しているから

  2. 利用者の単価が減少しているから

  3. その両方

あちゃ〜。
しんどいっすね…。
こりゃしんどい…。

この仮説を証明するかのように、
書道をレジャーとして楽しんでいる
書道人口全体は減少傾向にあるようでした。

グラフを作成しました。


書道人口の推移(2010~2020・10年間)
出典:第2期 文化芸術推進基本計画に対する意見(公益財団法人 全国書美術振興会)

書道人口は
2010年は約530万人いたのが、
2020年は約220万人になっており、
10年間で58.5%減少していました。
CAGR(年平均成長率)は-9.3%です。

んんん〜。
減ってるようですね、書道やる人…。

書道は日本の伝統文化ですから、
継承していく必要があると
個人的には感じているのですが…
(僕も4年間書道やってました)。

伝統的なものって、
どんどん失われつつありますね。

伝統工芸品の生産額について、
グラフを作成しました。


伝統工芸品の生産額の推移(1974~2016・42年間)
出典①:地域サプライチェーンと小規模事業者の関係 ~工芸業界の場合~(一般社団法人 日本工芸産地協会)
出典②:現在の伝産業界の情勢(一般社団法人 伝統的工芸品産業振興協会)


伝統工芸品の生産額は、
最盛期(1983年)の5,410億円から、
960億円まで減少し
ていました。
減少幅は82.3%です。

伝統工芸品には
磁器や陶器、傘や提灯など
様々なものが含まれますが、
書道用具の生産額も減少していることが
考えられます。

さて、需要のデータを
簡単にまとめると、こうです。

客単価が増加傾向だが、市場規模は縮小傾向にあることから、書道教室の利用者数が減少していることが考えられる。書道を趣味やレジャーとしている書道人口も減少傾向にある。

さて、データが出揃いましたね。
それでは、結論に入ろうと思います。


分析太郎の結論

まとめると、
書道教室市場の
需給バランスはこうです。

  • 供給:書道教室の数は減少傾向
       書道教室で働く人も減少傾向

  • 需要:客単価が増加傾向だが、市場規模は縮小傾向にあることから、
       書道教室の利用者が減少していると考えられる。
       書道を趣味やレジャーとしている書道人口も減少傾向にある。


結論を出しますね。
需給バランス四分類で言えば、
ここに当てはまりつつあるのでは
ないでしょうか。


書道教室市場の予測需給バランス


釣り堀(=書道教室市場)の中で、
釣り人(=事業所数・従業者数)が減り、
魚(=市場規模、書道人口)が
減少傾向にあることから、
このような結果になりました。


書道教室だけで食べていけるの?

最後に。
書道教室は、年間どれくらいの
売上を上げているのか確認しましょう。

経済センサス(総務省・経済産業省)の
データから、書道教室一事業所あたりの
売上高を算出しました。

グラフを作成しました。

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