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2023年映画寸評『ベネデッタ』『ザ・ホエール』『逆転のトライアングル』などなど。


2023年も思ったほど劇場に足を運べず見逃した作品が多数あったが、のちに配信やDVDで鑑賞できたものも多かった。
これから観られる方のきっかけになればと
2023年公開作に絞ってメモ程度に寸評してみた。


1月公開

『イチケイのカラス』

2月公開

『バビロン』

★★★☆☆
サイレントからトーキーへ 栄枯盛衰を壮大なスケールで描くも後半は失速気味。面白かったのだが、自分は『ラ・ラ・ランド』もそうであったが、チャゼル監督と相性が良くないかも。マーゴット・ロビーが素晴らしかった。

酒池肉林 体現できる女優は少ない

『別れる決心』

★★★★☆
パク・チャヌク監督作品。脚本と演出が秀逸。歪な純愛物語。美しきタン・ウェイ、切なきラスト。堪能した。

美しきタン・ウェイ

『逆転のトライアングル』

★★★☆☆(3.5/5)
モデル・ヤヤ役のチャールビ・ディーンが素晴らしく良かった。しかし公開後に敗血症のため32歳の若さでなくなった。知ってショックを受けた。非常に残念だ。
様々な立場の人間が集まり、ヒエラルキーの逆転が起こる。桐野夏生「東京島」ほどはドロドロせず、皮肉を込めた笑いがあった。『フレンチアルプスで起きたこと』『ザ・スクエア』のリューベン・オストルンド監督作品。

交通事故で脾臓摘出していたチャールビ・ディーン、悲運のトップモデル。美しかった。R.I.P

『アラビアンナイト三千年の願い』

★★★☆☆
ディズニーによって刷り込まれていた「アラジン」ではないジョージ・ミラー版魔法のランプ(小瓶)の魔人の三千年にわたる物語。予想以上に愛の物語であった。3つの願いは何にする?

3つのお願い考えなきゃ

『ベネデッタ』

★★★★☆
ポール・バーホーベン監督 神の声を聞いたのは敬虔な修道女かペテン師か、真実に発想を得て作られた作品。観始めてすぐに没入、面白かった。バーホーベン映画はやめられない。

奇跡の人かペテン師か、恐ろしくも魅力的な修道女の生涯

『バンバン!』

★★★☆☆
2014年製作だが『RRR』のヒットを受けて急遽公開が決定した、トム・クルーズ&キャメロン・ディアス『ナイト&デイ』(2010年)のボリウッドリメイク。物語の大筋は踏襲、そこにインド映画らしくダンスをミックス。有名なバイク・ガンアクションも再現されていた。粗削りだが、テンポ良く楽しめた。
これを機に元祖を観直した。やはり面白い。ヒロインはC・ディアスに軍配!あと初見ではわからなかったが、”ワンダーウーマン”GGがチョイ役で出てた。

リティク・ローシャン キマッてるぜ

3月公開

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンズ』

★★☆☆☆
アカデミー作品賞受賞作品だが CGにも真新しさを感じず 乗り切れなかった。作品賞のほか監督賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞等受賞している。

ミシェル・ヨーは良かったが…

『フェイブルマンズ』

★★★☆☆
スピルバーグ監督の自伝的映画。如何にして稀代の天才監督は生まれたのか。有名映画監督になる前までで映画は終わっている。その先も観てみたい。デビッド・リンチ監督があの人物を…

この映画体験が、少年を映画の世界へ誘っていく

『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』

★★★☆☆
世界的人気ゲームを豪華キャストで実写映画化したファンタジー・アドベンチャー・アクション。
ゲームはやったことがないが、充分楽しめた。笑いとアクション満載でテンポよく進みキャラクターもみな好感良し。太っちょドラゴンも◎、続編ができそう。
マッチョなミシェル・ロドリゲスがカッコいい。ウォルター・ヒル監督の『レディ・ガイ』(2016年)のミシェルもおススメ。

クリス・パインが意外に普通で

『ロストケア』

★★★★☆
誰の視点で観るか、何が正しいのか答えはない。主人公の主張を完全には否定できない。現代社会の闇をリアルに描く。松山ケンイチ、長澤まさみの演技に魅入る。そしてやっぱり柄本明は凄かった。

それぞれの正義がぶつかり合う

『わたしの幸せな結婚』

★★★☆☆
予想外に面白かった。アイドル映画と侮るなかれ。続編あるかな?

めめはデビュー当時の吉川晃司によく似てる

4月公開

『ザ・ホエール』

★★★★☆(4.5/5)
ダーレン・アロノフスキ―監督がまた名作を生んでくれた。個人的には毎回そそられないテーマなのだが、観ると毎回面白い。ワンシチュエーションものだが飽きずに、むしろどっぷりハマってあっという間の2時間弱であった。アカデミー主演男優賞受賞のブレンダン・フレイザーをはじめ出演者皆が素晴らしかった。

タイトル「ホエール」の意味するところは…

『KNOCKノック終末の訪問者』

★★★☆☆
究極の選択。人生は選択と決断の連続。何のために生きるのか、何のために死ぬのか。シャラマン監督お得意のシチュエーションもの。不穏な空気感は良かったが、少し消化不良であった。

みんなのために死んでくれませんか?194㎝の大男デイヴ・バウティスタは元プロレスラー
「GotG]シリーズのドラックスだ

『東京リベンジャーズ2 運命』

★★★☆☆
東卍結成時のエピソードが好き。ドラケン推しだが、今回は場地がかっちょいい。

東卍結成時、マイキーはまだバブには乗っていない

5月公開

『TARター』

★★★☆☆(3.5/5)
もう少しサスペンス色が強いと思っていたが、難解な部分が多く、感情移入もできなかったが、ケイト・ブランシェットの圧倒的な存在が飽きることなくラストまで連れて行ってくれた。

主演女優賞はブランシェットに1票だ

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3』

マンティスは『MI:デッドレコニングPART ONE』に
ドラックスは『KNOCK来訪者』に出演してる

『ワイルド・スピード ファイヤーブースト』

★★★☆☆
今回も安定の面白さ。今回もドムのダッジチャージャーはズタボロで、相変わらずステイサムのアクションはキレキレだ。敵役のジェイソン・モモアがハマってた。シリーズ最終章突入、最終作を前後編とした前編なので未解決事項がたくさん。大団円に向けて“やっぱり死んでいなかった”人や色々もめてたあの人は… ここにきてヴィン・ディーゼルが3部作になるかもと言い出したのであと2作あるかも。続きを楽しみに待とう。(次作は2025年4月全米公開予定)

悪役のアクアマン=モモアがいい

6月公開

『カード・カウンター』

★★★☆☆
オスカー・アイザックが激渋。監督・脚本ポール・シュナイダー、制作総指揮マーティン・スコセッシの『タクシー・ドライバー』コンビ。いかに稼ぐかのギャンブル映画と思いきやそれだけではない、やや重めのスリラー。

激渋アイザック

『東京リベンジャーズ2 決戦』

★★★☆☆
場地と千冬のエピソード好き。メガネの場地さんがいい。キャストの年齢的にも続きの制作を急いでほしい。

場地さんかっちょいい 牙も再現されててよかった

7月公開

『君たちはどう生きるか』

『ミッション・インポッシブル デッドレコニングPART ONE』

★★★☆☆
こちらも今回も安定の面白さ。が、真新しさは感じられなかった。黄色のチンクは『カリオストロの城』を思い出した。前作『MI:フォールアウト』からトムの頬の弛みが少し気になっている。ポム(GotGのマンティス)が最高!ただ「PART TWO」は2024年6月公開予定だったが、成績不振のためタイトルも変更して仕切り直しを図るようで、2025年5月に延期になった。期待したい。

黄色のチンク、かわいいな

『キングダム 運命の炎』

★★★☆☆
泣けるエピソードあり。羌瘣が強く美しい。楊端和の出番を増やしてほしい。漫画原作からするとまだ序盤か、こちらも続きを急がないと。『キングダム 大将軍の帰還』は2024年7月12日公開予定だ。

”天下の大将軍に、オレはなる!”

『658km、陽子の旅』

★★★★☆
菊池凛子がいい。陽子になかなか肩入れできずにいたが、手を握るシーンに震えた。口下手だが手から伝わるものは雄弁。
“もう一度手を繋ぎたかった”再生のロードムービー。
熊切監督の『私の男』(2014年)も必見。

658㎞先に見たものは

8月公開

『春に散る』

★★★★☆
キャスティングが見事にハマっていた。
脚本にあと少し深みが欲しかったが、それを遥かに上回る俳優陣の熱演。 
迫真のボクシングシーンは必見。ただスローカットは興ざめしたが、目を瞑ろう。”今しかねえんだよ!”叫ぶ翔吾に胸が熱くなる。そして仁一達は忘れ物を取り戻しにいく。如何に生き如何に散るか。久しぶりに阪本順治監督『どついたるねん』(1989)が観たくなった。

熱き男、横浜流星

『バービー』

★★★☆☆
バービー、リアルワールドへ行く。マーゴット・ロビーを観たいがために観た映画。満喫した。ノー天気なコメディ映画と思いきやフェミニズムをテーマにしたメッセージ強めの内容。コメディ部分とのバランスが良くなかった気がするが、楽しめた。バービー&ケンで星3.5。

ケン=ゴズリングも良かったな ボディ仕上がっていた

『MEGザ・モンスターズ2』

★★☆☆☆
米中合作の巨大サメのパニック映画第2弾。
スケールはアップしていたものの、サメ以外の生物もたくさん登場でとっ散らかった印象。肝心のサメの脅威が薄れてしまった。
J・ステイサムは安定のアクションを披露。

J・ステイサムは今回もいい仕事しているぞ

9月公開

『アステロイド・シティ』

★★★★☆
とにかく絵面、画角が好き。
どこが面白かったかと説明はできないが、
アンダーソンマジックなのか、しばらく頭から離れなかった。
ジェフ・ゴールドブラムの熱演?もシュール。
ヨハンソンとマーゴット・ロビーが出ていたのも嬉しかった。

色もいい

『パターン』

★★★☆☆
『RRR』の興奮を期待して鑑賞。
パターン役のシャー・ルク・カーン(ボリウッド「3人のカーン」の一人らしい)はなんと58歳。バキバキの肉体美。
意欲的でやりたい事てんこ盛りのド派手アクションであったが、テンポが悪いのか最後まで乗り切れなかった。しかしながら熱量はビシビシと伝わってきた。もちろんダンスありだ。
シリーズ化されそうなので次作に期待しよう。

バッキバキ
いい男といい女

10月公開

『ザ・クリエイター創造者』

『ドミノ』

11月公開

『首』

12月公開

『ナポレオン』


 2024年もいい映画に出会えるといいな。
 
(text by電気羊は夢を見た)
 
 


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