長江貴士

これまで4000冊近くの本を読んできました。 「文庫X」とか「帯1グランプリ」とかやり…

長江貴士

これまで4000冊近くの本を読んできました。 「文庫X」とか「帯1グランプリ」とかやりました。 『書店員X』(中央公論新社)とか『このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんて マジ絶望』(秀和システム)とか著作があります。 なるべく、フラフラと適当に緩やかに生きていきたいです。

記事一覧

固定された記事

<索引>【オススメ本リストのリスト】【映画 感想・レビュー・解説】【本 感想・レビュー・解説】【思考の断片・思索の途中・…

<プロフィール>【オススメ本リスト】のリスト <索引>【本】感想・レビュー・解説 <索引>【映画】感想・レビュー・解説 <索引>【思考の断片・思索の途中・価値観の…

長江貴士
4年前
9

【映画】「マッドマックス フュリオサ」感想・レビュー・解説

『マッドマックス 怒りのデスロード』を観た時は、メチャクチャ興奮した。それまでの『マッドマックス』シリーズを観たこともないし、結局『怒りのデスロード』のストーリ…

長江貴士
9時間前
2

【映画】「アニマル ぼくたちと動物のこと」感想・レビュー・解説

さて、先にこれを書いておきましょう。映画を観に行ったら、「エティーク」というブランドのシャンプーとコンディショナーをもらいました。シャンプーとコンディショナーで…

長江貴士
1日前

【映画】「バティモン5 望まれざる者」感想・レビュー・解説

「限界だよ」と言って男が泣く姿が、とても印象的だった。 日本も酷い国だと思っていたが、フランスもなかなかだ。日本の場合、「難民をそもそも受け入れない」という酷さ…

長江貴士
3日前
1

【映画】「ありふれた教室」感想・レビュー・解説

観ていて最も強く感じたことは、「日本じゃこうはならないような気がする」ということだ。 物語の割と早い段階で、こんなシーンが描かれる。これは書いてもネタバレとは思…

長江貴士
5日前

【映画】「関心領域」感想・レビュー・解説

もちろん理解できる。何を描いているのか、何を描きたいのか。全部とは言わないが、分かっているつもりだ。 しかしなぁ、それはそれとして、「映画として面白いのか」と考…

長江貴士
7日前
4

【映画】「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章」感想・レビュー・解説

いやー、やっぱり面白い!前章から2ヶ月待っての後章公開。普段の僕なら前章の内容を結構忘れちゃうと思うんだけど、案外覚えてました。設定的な部分はなかなか衝撃的だっ…

長江貴士
8日前
2

【映画】「湖の女たち」感想・レビュー・解説

えーっと、どゆこと? まったく意味が分からんかった。うーん、これはなんともなぁ。 正直なところ、メインであるはずの「松本まりかと福士蒼汰の物語」が、僕にはなんの…

長江貴士
10日前
3

【映画】「ミッシング」感想・レビュー・解説

嫌な世界だ。 もちろんそれは、石原さとみ演じる「失踪した娘を探し続ける母親」の物語に対しても感じた。しかし、表現はともかく、そちらは「分かりやすい嫌悪感」である…

長江貴士
11日前
4

「電話が苦手」「本が読めない」理由を、「日本語の特殊さ」と「テレビ・YouTubeのテロップ」から考察してみる

以前、友人と話をしている中で、「今の若い人は、『話し言葉』と『書き文字』を同時に認識する状況が多いせいで、それぞれを単体で受け取るのが不得意になっているのではな…

長江貴士
2週間前
5

【映画】「胸騒ぎ」感想・レビュー・解説

いやー、これはダメだろう。ダメだよ、こんなん。これが成立するんだったら、何でもありやん。 というような話をしたいと思う。 映画を観ながら頭に思い浮かべていたのは…

長江貴士
2週間前
6

【映画】「水深ゼロメートルから」感想・レビュー・解説

いやー、これはメチャクチャ面白かった!正直観ない可能性の方が高かったから、観に行って良かったなぁ。しかも、全然狙ったわけではなかったけどトークイベント付きで、そ…

長江貴士
3週間前
3

【映画】「またヴィンセントは襲われる」感想・レビュー・解説

以前、こんな話を聞いたか読んだかしたことがある。 誰しもが「背中に視線を感じる」という経験をしたことがあるだろう。「誰かに見られている気がする」と思って振り向く…

長江貴士
3週間前
2

【映画】「ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版」感想・レビュー・解説

本作は、映画館の予告でその存在を知った。とりあえず、「リマスター版やレストア版は可能な限り手当たり次第観る方針」なので、本作も、予告の映像しか情報を知らないまま…

長江貴士
3週間前

【映画】「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」感想・レビュー・解説

面白い映画でした! 本作は、実話を基にした作品で、普通に描いたらシリアスになってしまいがちな物語なんですが、全体的にとてもポップに楽しい感じに仕上げているのが良…

長江貴士
3週間前
1

【映画】「殺人鬼の存在証明」感想・レビュー・解説

これはなかなか見事な物語だった。「実在した、ソ連史上最凶の連続殺人鬼」をモデルにしたという情報だけ知っていたので、ドキュメンタリーに近い作品なのかと思っていたが…

長江貴士
4週間前
4
<索引>【オススメ本リストのリスト】【映画 感想・レビュー・解説】【本 感想・レビュー・解説】【思考の断片・思索の途中・価値観の表出】【乃木坂46メンバーのまとめ】

<索引>【オススメ本リストのリスト】【映画 感想・レビュー・解説】【本 感想・レビュー・解説】【思考の断片・思索の途中・価値観の表出】【乃木坂46メンバーのまとめ】

<プロフィール>【オススメ本リスト】のリスト
<索引>【本】感想・レビュー・解説
<索引>【映画】感想・レビュー・解説
<索引>【思考の断片・思索の途中・価値観の表出】
<索引>【乃木坂46メンバーのまとめ】

【映画】「マッドマックス フュリオサ」感想・レビュー・解説

『マッドマックス 怒りのデスロード』を観た時は、メチャクチャ興奮した。それまでの『マッドマックス』シリーズを観たこともないし、結局『怒りのデスロード』のストーリーもさっぱり理解できなかったが、「脳にぶっ刺さる興奮」みたいなのがずっと続くみたいな感じがあって、度肝を抜かれた。普段僕は「物語そのもの」に興味を抱くタイプなので、映像とか音響とかには対して興味はないのだけど、『怒りのデスロード』にはメチャ

もっとみる

【映画】「アニマル ぼくたちと動物のこと」感想・レビュー・解説

さて、先にこれを書いておきましょう。映画を観に行ったら、「エティーク」というブランドのシャンプーとコンディショナーをもらいました。シャンプーとコンディショナーですが、液体ではなく個体です。石鹸みたいな感じで、これによってプラスチックボトルの削減をしましょう、ということのようです。もちろんまだ使ってないのでどうか分からないけど、「なるほどこんなものがあるのかぁ」と思ったし、映画のテーマと絡めて「行動

もっとみる

【映画】「バティモン5 望まれざる者」感想・レビュー・解説

「限界だよ」と言って男が泣く姿が、とても印象的だった。

日本も酷い国だと思っていたが、フランスもなかなかだ。日本の場合、「難民をそもそも受け入れない」という酷さがあり、それはもちろん最悪である。しかしフランスは、難民を受け入れていながら、酷い扱いをする。それもまた、最悪と言えるだろう。

映画後半の展開なので、ネタバレ的にもあまり触れたくはないのだが、本作の場合「ストーリー展開」云々以上に、「作

もっとみる

【映画】「ありふれた教室」感想・レビュー・解説

観ていて最も強く感じたことは、「日本じゃこうはならないような気がする」ということだ。

物語の割と早い段階で、こんなシーンが描かれる。これは書いてもネタバレとは思われないような気がするが、どうだろう。物語の大きなきっかけとなる展開なので、この展に触れないとちょっと話が進まないので書くが、知りたくないという方はこれ以上読まない方が良いかと思う。

さて、本作では冒頭から、「学校内で窃盗が多発している

もっとみる

【映画】「関心領域」感想・レビュー・解説

もちろん理解できる。何を描いているのか、何を描きたいのか。全部とは言わないが、分かっているつもりだ。

しかしなぁ、それはそれとして、「映画として面白いのか」と考えると、なかなか難しいものがある。

「ホロコースト」を描いた映画はこれまでにも散々観てきたが、本作には「ユダヤ人」は映らない。アウシュビッツ収容所の隣の家に住む者(アウシュビッツ収容所を管理する司令官一家)は、時折響く銃声や看守の怒号、

もっとみる

【映画】「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章」感想・レビュー・解説

いやー、やっぱり面白い!前章から2ヶ月待っての後章公開。普段の僕なら前章の内容を結構忘れちゃうと思うんだけど、案外覚えてました。設定的な部分はなかなか衝撃的だったから記憶にあるし、それ以外のキャラクターたちのやり取りについては抜けてる部分もあるだろうけど、ただ「こういう雰囲気だった」ということはもちろんちゃんと覚えているから、後章を観るのに支障はありませんでした。

さて、これから感想を書くのは後

もっとみる

【映画】「湖の女たち」感想・レビュー・解説

えーっと、どゆこと? まったく意味が分からんかった。うーん、これはなんともなぁ。

正直なところ、メインであるはずの「松本まりかと福士蒼汰の物語」が、僕にはなんのこっちゃ分からなかった。そしてどちらかと言えば、それ以外の話の方が面白かった。

個人的に一番好きなキャラクターは、文潮社の記者の池田(福地桃子)である。彼女を追う話が、個人的には一番良かったかなぁ。

物語の中では様々なことが描かれるの

もっとみる

【映画】「ミッシング」感想・レビュー・解説

嫌な世界だ。

もちろんそれは、石原さとみ演じる「失踪した娘を探し続ける母親」の物語に対しても感じた。しかし、表現はともかく、そちらは「分かりやすい嫌悪感」である。この母親に向けられる「匿名の刃」はとても現代的だし、狂ってるし、世の中のおかしさを凝縮していると思う。

しかし僕は、中村倫也演じる「事実を報じようと奮闘するテレビ局の記者」の物語に対しても同じことを感じた。もちろん同じような嫌悪感を抱

もっとみる
「電話が苦手」「本が読めない」理由を、「日本語の特殊さ」と「テレビ・YouTubeのテロップ」から考察してみる

「電話が苦手」「本が読めない」理由を、「日本語の特殊さ」と「テレビ・YouTubeのテロップ」から考察してみる

以前、友人と話をしている中で、「今の若い人は、『話し言葉』と『書き文字』を同時に認識する状況が多いせいで、それぞれを単体で受け取るのが不得意になっているのではないか」という話になったことがある。

というわけで今回は、そんなテーマについて少し掘り下げて考えてみたいと思う。

まず、「『話し言葉』と『書き文字』を同時に認識する」という状況についてだが、僕はYouTubeなどの動画配信をイメージしてい

もっとみる

【映画】「胸騒ぎ」感想・レビュー・解説

いやー、これはダメだろう。ダメだよ、こんなん。これが成立するんだったら、何でもありやん。

というような話をしたいと思う。

映画を観ながら頭に思い浮かべていたのは映画『ぼくのエリ』である。作品のタイプとしては別に似ているというわけではないが、「狂気的な状況を描いている」という点は共通しているし、北欧発のホラーでもあるので、ちょっとこの作品との比較で本作『胸騒ぎ』の話をしたいと思う。

映画『ぼく

もっとみる

【映画】「水深ゼロメートルから」感想・レビュー・解説

いやー、これはメチャクチャ面白かった!正直観ない可能性の方が高かったから、観に行って良かったなぁ。しかも、全然狙ったわけではなかったけどトークイベント付きで、そのトークイベントも面白かったからとても得した気分である。

本作は、映画『アルプススタンドのはしの方』(僕は観てない)と同じシステムで、高校演劇を劇場映画版にしたものである。トークイベントで語られていた話については後で触れるが、本作が映画化

もっとみる

【映画】「またヴィンセントは襲われる」感想・レビュー・解説

以前、こんな話を聞いたか読んだかしたことがある。

誰しもが「背中に視線を感じる」という経験をしたことがあるだろう。「誰かに見られている気がする」と思って振り向くと、やっぱりその通りだった、というような。しかし、どうしてそんなことが起こるのだろうか?

あるいは、「目が合った」というのは、かなりピンポイントな感覚としてやってくるはずだと僕は思っている。ほんの僅か視線をズラすだけで、「目が合った」と

もっとみる

【映画】「ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版」感想・レビュー・解説

本作は、映画館の予告でその存在を知った。とりあえず、「リマスター版やレストア版は可能な限り手当たり次第観る方針」なので、本作も、予告の映像しか情報を知らないまま観に行った。

予告の映像は、実に「不思議」な雰囲気だった。乾燥した岩山を、真っ白の高貴な服を着た女性たち登っている。とにかくその「背景」と「佇まい」の違和感が凄まじかった。その「なんとも言えない妖しげな雰囲気」から、僕は、「ファンタジック

もっとみる

【映画】「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」感想・レビュー・解説

面白い映画でした! 本作は、実話を基にした作品で、普通に描いたらシリアスになってしまいがちな物語なんですが、全体的にとてもポップに楽しい感じに仕上げているのが良かったなと思います。僕は普段から「シリアスな実話を基にした映画」を観るけど、やはりそういう作品は一般的に、あまり広くは観られないように思います。でも本作の場合は、扱われる内容はシリアスなのに全体的にはコメディ的に進んでいくので、色んな人が楽

もっとみる

【映画】「殺人鬼の存在証明」感想・レビュー・解説

これはなかなか見事な物語だった。「実在した、ソ連史上最凶の連続殺人鬼」をモデルにしたという情報だけ知っていたので、ドキュメンタリーに近い作品なのかと思っていたが、それは違っていた。全体の物語は、まず間違いなくフィクションだろう。しかし、そのフィクションの物語が、かなりよく出来ていたと思う。

時系列がかなり前後するので、物語を追うのに苦労するし、「本作では一体何が描かれているのか?」が分からないと

もっとみる