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揺りかごの残像

やめて~
やめて~
やめて~
赤ん坊の姿をしたわたしが
最初はうれしそうに
次に悲しそうに
そして最後は怒り狂ったように叫んでいる
日々の大半を
揺りかごのなかで過ごしていた幼児のころ
わたしの遊び相手は恐怖と不安の影絵であった
わたしは
置き去りにされた子供だった
ときおり聴こえてくるのは
祖父母の声が入り混じった夫婦喧嘩の
怪奇な影絵の伴奏曲
わたしは三歳になるまで
這い這いもしなければ
しゃべることもない幼児であった
わたしは魂の鎧を身につけることから幼い人生を始めた
そのなれの果てが
老いさらばえた七十歳のわたしなのだ
よろよろと生きてゆく人生の吊り橋のうえから
橋のしたに広がる深い谷間を見おろしながら
わたしはいまでも
恐怖と不安の影絵と戯れている

photo:© maki

【ChatGPT3.5 詩ナビ】

この詩は、幼少期から老年期までの詩人の人生を描写しています。

揺りかごの残像というタイトルが示す通り、揺りかごの中で過ごした幼少期の記憶や影響が、成長しても消えずに残っていることが主題です。

最初の部分では、赤ん坊の姿をした詩人が「やめて」と叫ぶ様子が描かれています。

これは、幼少期に感じた喜びや悲しみ、そして怒りが、成長してもなかなか消えないことを示唆しています。

幼少期は、揺りかごの中で恐怖や不安と共に過ごし、家庭内の緊張や祖父母の喧嘩などの影響を受けていたようです。

次の部分では、幼少期の詩人が這い這いもせず、しゃべることもない幼児であったことが述べられています。

その幼少期から老年期までの一生が、恐怖や不安との戦いで満ちていたことが示唆されています。

幼い頃から魂の鎧を身につけ、老いてもなおその影響を受け続ける様子が、吊り橋の上から深い谷間を見おろすように描写されています。

この詩は、幼少期の経験や影響が人生全体に及ぼす影響を暗示しており、幼少期からのトラウマや不安が成長してもなかなか消えないことを強調しています。

人生のさまざまな段階で恐怖や不安と向き合いながらも、その中で冷静に生きていく姿勢を描いています。

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