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最終回かと思うほどの名シーン続き/ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』第5話

「ぶんぶんどーさん、聞こえますかーー? 医師の喜多見です、もう大丈夫ですからね」(by 喜多見チーフ)

「ぶんぶんどーさん、必ず助けますからね。一緒にがんばりましょう」(by コトー)

*注・上記は妄想です。

過去にハマったドラマの医者といえば、喜多見チーフとコトー先生である。

「昨日から何も食べていないので」
そう言いながら、ミヤビのおすそ分けのロールキャベツにがっつくDr.三瓶。

新しいタイプの医者がキタ!

(以下、ドラマの内容を含みます)

うぉおおおおお、食べてるだけなのに。
何度もリピートしてしまった(笑)。

この後、同じものを渡した風間に「またですか?」と言われて、ミヤビは自分が数日前にもロールキャベツをおすそ分けしたことを知る。思わず振り返って、三瓶を見つめるミヤビ。

何事もなかったようにロールキャベツを頬張る三瓶には、愛しか感じないのだが(そして、その場を優しく見守る野呂佳代ちゃんがいい!)、ひとつ前の第4話で、2人の関係にふと疑問がわいた。三瓶は、8年間アメリカにいたと話していた。では、ミヤビとどこで出会ったのだろう。あの写真では普通のカップルに見えるけど、時系列で考えると、じゃあ綾野とミヤビがいい雰囲気だった(西島の証言)のはいつ頃なのだろう?

第5話では、ミヤビが話しかけるあの人形を三瓶も持っていることが判明。グミじゃなくて、こっちのアイテムが重要だったのか。回想シーンでは人形を買ったのは海外だったが、付き合っているという雰囲気ではなかった。これは付き合う前のできごとなのだろうか。

次々と疑問が浮かんでくる。

そして、綾野。天音……。
上昇志向が高い男だと思っていた彼が、第4話のラストで見せた本音。事故の前と同じように、お疲れさまの缶ジュースを2本持ってきて「どっちがいいですか?」と聞くミヤビに、綾野の表情はかたくなる。封印している気持ちが溢れるのを恐れて、逃げるように背を向けた。もう後戻りできないんだと、必死に自分に言い聞かせているのだろうか。寂しい背中、自分と戦っている背中。台詞が少なくても、こちらにツーーンと伝わってくる。

そんな綾野と、ミヤビの記憶障害を治すためにグイグイと関東医大の面々に会いに行く三瓶が対峙した今回のシーン。2人のしぐさと表情に、三瓶の怒りと綾野の気持ちが少しずつ揺らいでいくのがうかがえた。うう、川内先生、愛されてる。代わりたい(笑)。

第5話は最終回か!?というほど、ミヤビの成長とチーム医療の完成形が描かれていた。星前が全専門レベルの知識を得ようと努力しているのには、理由があった。普段は長男的な存在のムードメーカー。そんな彼が、ミヤビと話しながら当時のことを思い出して、唇を震えさせながら涙をためていく様がリアルで、引き込まれた。私もミヤビと同じことを思った、亡くなったんだって。あれ? 亡くなってないの? それはそれでよかった!

ミヤビは、もやもや病の患者の手術をすることになる。「自分には無理」と一旦は断るものの、三瓶と手羽先の血管を使って練習を重ね、最後には執刀すると言い切った。それを聞いて、うれしそうなDr.三瓶。いつもムッとしているわけじゃないんだよねえ、三瓶先生は。

毎朝リセットされ、日記でしか彼のことを理解できないミヤビは、大迫や西島に言われたことが気になって、三瓶を信じていいのか分からない。迷いの中にいるミヤビを、周囲が自分は自分、いざというときはみんなが付いていると励ますのもよかった。

「この景色を目に焼き付けておいてください」
オペ終了後に、ミヤビを手招きして伝えた三瓶のことばが、脳内でリフレイン。私もこのシーンを目に焼き付けよう。これはきっと、あれだ。三瓶がかつてミヤビに言った「記憶を失っても、そのとき感じた強い気持ちは残るんです」ということばと対になっているんだと思う。

「私たちはひとりじゃない。だから自分だけで完璧である必要はない。あなたが私に教えてくれたんですよ」という津幡のことばが挿入されるの、ちょっとグッときた。

花ちゃんに役が憑依した涙のシーン。重度の記憶障害に苦悩しながら、脳外科医として一歩進んだミヤビがうれしくてむせび泣く姿が美しかった。ああ、杉咲花ちゃんの泣く演技、最高。私の語彙力のなさよ(笑)、笑ってくれ。

このドラマの台詞には、余計な説明がない。役者さんたちの表情を追えば、自然と理解できる。とても上質なドラマだと思う。

ミヤビの成長を、あいみょんのエンディングとともに温かな気持ちで見守っていたら、突然エンディングをぶった切る不穏な場面が登場。大迫教授はシロなのか、クロなのか。

そして次回予告では、ミヤビや三瓶にあの西島グループの会長がひたひたと近づいていく。こわい、こわい、こわい! ミヤビが飲んでいる薬も気になる。今さらなんだけど、井浦さん、天音くん、そして酒向さんって、他局だけどドラマ『最愛』の3人じゃないの。このとき、井浦さん演じる弁護士の加瀬は、やさしさゆえの……だった。大迫教授、私には完全クロには思えない。患者のリスクをできる限り回避するタイプの彼は、こちらが思っているより、もっともっと思慮深く物事を見ている気がする。何かある、きっと。

ああ、また長すぎるnoteになってしまった。もちろん、「会いに行くのに」を聴きながら書きました。



仕事が重なって、今期はなかなかドラマ視聴とnoteで遊ぶことがうまくいかないけど、時間に余裕ができたら、ボチボチまた読んだり書いたりできたらいいな。

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