東京消費 #9 修繕「金継ぎ」sandz
「大量消費」を支えた発想のひとつに「使い捨て」がある。使っては捨て、壊れては捨てる。「消費」が前面に出過ぎた結果、長らく「愛用」や「愛玩」が影を潜めてしまっているのではないだろうか――。
それは自宅でひとり、ゆっくりと中国茶を飲んだ日のことだった。トラブルは何気ない日常に起きる。嗜好の時間を終えて茶器を片付けようとしたその瞬間、手を滑らせて茶杯を落としてしまい、それが蓋碗にぶつかってしまった。どれもこだわりがあって買った茶器である。すぐにそれぞれを確認すると、落とした茶杯