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The Ding Dong Song
夕暮れに青く染まったモスクから巡礼の声が聞こえ漏れてくる。瓦斯灯に灯りが点って、街々から人の気配が薄れていく。
僕は坂道を駆け上がって、滑り込みセーフで昆虫館の扉を叩く。館長は椋木の椅子に腰掛けていて、眠たそうにその黒い口髭を擦っていた。僕の姿を見ると立ち上がり、手を振ってくれた。
お父さんが僕をここに連れてきてくれたのだった。それから、もう毎週、毎週、通っている。本当には毎日来てもいいくらい
書店パトロール45 美しい アナベル・リイ
コミックの新刊で『DOGA』の2巻を購入。
私は結構、漫画本にお金を使っている。
最近は、映画館に一月も行っていない。観たい映画がないわけではないが、やはり、プライオリティとして、映画館での鑑賞は低い位置にある。Netflix、Amazonプライム、Disney+と入っているため、まぁ、これらのコンテンツだけでも十分だが、然し、本当に観たい作品は少ない。
そもそも、映画、を、映画館で観る場合
成功者でも敗北者でもない、普通の人生 『遠雷』
遠くで雷がなることを、遠雷という。
『遠雷』という、立松和平の小説があって、これを私は読んでいないが、然し、映画版は猛烈な傑作だと思っている。
1981年の映画で、アート・シアター・ギルド、すなわち、ATG映画なわけだが、監督は根岸吉太郎、そして、主演は永島敏行だ。
永島敏行、と、いえば、『サード』を思い出す。
『サード』は1978年の映画で、少年院を舞台にした話だ。サードとは永島敏行演じ
7日間ブックカバーチャレンジ DAY.7 『理由なき反抗』を。 『未青年』
7日間ブックカバーチャレンジもいよいよ最終日である。
最後の7冊目は、春日井建の歌集、『未青年』を。
1960年、作品社から刊行された伝説的な歌集だが、まぁ、ウルトラにレアな本である。
春日井建がこの本を上梓した時、彼は22歳だった。
歌人の家に生まれて、短歌を詠むべくして育ってきた。この本の表紙には、ジャン・コクトーの絵が使われている。自身の歌集に使いたいのだと、仏語に翻訳した手紙を認め
7日間ブックカバーチャレンジ DAY.5 長い映画嫌いなんだよね。
蓮實重彦が苦手である。
だって、とっても、難しいんだもの。と、いうか、何を言っているのか、わからないんだもの。
なにせ私は馬鹿だから。
でもこの本は、銃口を向ける小明に撃ち抜かれて買っちゃったの。
と、いうことで5冊目は蓮實重彦著、『ショットとは何か 実践編』。
2024年講談社刊行。
さて、小明。エドワード・ヤン監督の『牯嶺街少年殺人事件』の言わずと知れたヒロインだが、まぁ、この映画、長いで
7日間ブックカバーチャレンジ DAY.4 神戸、愛してる。
世界で一番好きな街はどこかと問われたら、神戸と答える私である。
で、その神戸。神戸といえば足穂。そして、トアロード。
と、いうことで4日目は、『TOR ROAD STYLE BOOK: 神戸トアロード・ハイカラ散歩案内1868-1999』。
今Amazonで調べたら高騰してるなぁ。9,000円か。
神戸の何がいいって、やっぱりその素敵な海辺の街の空気感、であるが、
まだまだ幻想の香り、オリ
7日間ブックカバーチャレンジ DAY.3 『ブレードランナー2099』ってどうなるんじゃろ
プロフィールにも書いているように、私が最も愛するものの一つに『ブレードランナー2049』がある。汎ゆる映画の中でこれを一番愛する。
で、その親である『ブレードランナー』、これも愛している。
3日目の本は、2004年刊行、筑摩書房、加藤幹郎 『ブレードランナー」論序説 映画学特別講義』、である。
この本は、まぁ、評論本だが、評論、というよりも、『ブレードランナー』という作品を読み解いていき、そこ
7日間ブックカバーチャレンジ DAY.1
このような企画がコロナ禍の時に流行っていたのだという。
そういえば聞いたことがある。
毎日、7日間、何も言わずに、本のカバー(表紙)をSARASU。
人が晒す本、というのは面白いものである。まぁ、開チン、みたいなもんであり、その人の趣味嗜好がわかるからだ。本棚を見るとその人の念能力がわかる、というのは、よく聞く話だろう。
ちなみに私は強化系。単純一途なのだ。
そして、このブックカバーチャレンジ