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「秋田愛を語る資格は無いと僕はおもっている」と言われた悲しみと小さな決意 〜んだども、秋田が好ぎだもの〜

 4月21日午前0時31分にX(旧twitter)にて、いわゆる「平成の大合併」前の秋田県旧69市町村名入りの地図を掲げて、「これ、ぜんぶ言える?言えない人は、秋田愛を語る資格はないと僕はおもっている。マジで。」(改行、行間は省略)とポストされた方がおられました。(2024.4/21.17:35の時点で6.5万表示と沢山の方が見ています。追記:21:00には10万表示を突破しています。再追記:4/22には当該ポストは削除さたようです)

 地図は白地図ではなく、旧市町村名がすべて入っており、「答え合わせ」ができる状況であったので、自分の"資格"を試すこともなかったのですが、私は生まれも育ちも県南のため、秋田市より北の、特に町村については地理に自信が無く、恐らくテストをしたら無資格となる者の一人だろうと思われます。

 さて、このポストには沢山の批判的なリプライや引用RPがついており、発信者はそれらに対して、言い訳とも開き直りとも取れる強弁を重ねています。 
 
 私はこの一連のポストに触れ、とても悲しい気持ちになりました。

 何故悲しくなるかと考えるに、まずは自分の好きなものについて、「〇〇を知らないなら愛を語る資格が無い、マジで」などとという世界で生きて来なかったからかと思いました。
 私は秋田が好きだし、競馬も好きだし、甘いものは好きだし……と沢山の好きなものがあります。
 しかし、そのどの分野においても、同好の士から上記のようなことを言われた記憶もなければ、言った記憶もありません。仮にそんなことを言った/言われたとしても、楽しい冗談だと通じる仲でだと思います。 
 それが、今回のように強い表現で言われたので、すごく悲しい気持ちになったのだと思います。

 それから、やはり、自分が否定されたような気になったというのもあります。
 
 私は日頃、昨今は好きなものを大手を振って好きって言える、良い世の中になったなーと感じています。
 一昔前ならちょっと変わった趣味扱いされていたことでも、今はそれぞれに「界隈」があって自分の「知らない世界」があるのが当たり前になっていると思います。
 例えば、秋田だと、いわゆる人形道祖神がそこかしこにあるなあ、とは思っていたんですが、それを好きって言って良いんだ、本を出したり、イベントまで開いちゃうんだ、すごい!と感じたのがその象徴的なことでした。
 そして、少なくとも私の身の回りでは、他人が好きだと言うものを否定される方はおられませんでしたし、だからこそ私も安心して、梵天が好きだ、バナナボートが好きだ、花見団子が好きだ、金沢が好きだ、秋田が好きだと発信してこられました。
 しかし、今回の「愛を語る資格が無い」発言で、「旧69市町村を知らないお前が秋田愛を語ってんじゃねえ」と名指しで否定されたような気分になって悲しかったということだと分析しました。話はずれますが、細かいことをいえば69市町村といえども若美町とか仙南村とか「新しい」地名もたくさんあるんですけど、どこまで遡れば……ってなりますよね。

 改めて、件の発言には本当に悲しい気持ちになりました。そして、表現の自由を笠に着た、開き直りのような態度には、怒りにも似た感情も少し抱いています。

 「んだども」、なんです。
 なんと言われても、
 
 「んだども、秋田が好ぎだもの」なんです。

 紆余曲折を経て、私は今、宮城県で暮らしています。でも、心は常に秋田にあります。私はこれを「宮城で暮らして秋田で生きてる」んだ、と勝手に思っています。
 普段から秋田産あきたこまちを食べて、東北醤油のあじどうらくの里を醤油変わりに使っていますし、近くのローカルスーパーでは耕新農場(横手市平鹿町)の卵に十和田高原ポーク「桃豚」を買って常食しています。納豆は言うまでもなくヤマダフーズです。だから私は宮城で暮らしていても体の半分は秋田県産のものでできているんです。
 それだけではなく、スーパーでもコンビニでも秋田の物があればできるだけ買って応援するし、ここ最近もかぶき屋の花見団子やらポルミートのソーセージやら榮太楼のさなづらやらを取り寄せたりして応援してるし、それらを職場で配って布教してるし、帰省すればできるだけお土産を買っています。
 風呂に入れば秋田民謡を口ずさむし、プロ野球はチーム推しではなく、秋田県出身者を応援しています。
 秋田は人口減少やら少子高齢化やら明るくないニュースも多いですが、自分のできる範囲でお金を使って、Xで呟いて、noteに書いて、なんとか元気になって欲しいし、世間にもっと知ってほしいと思っていますし、逆に沢山の情報を仕入れさせてもらってもいます。
 ほんとに秋田が大好きなんです。(大事なことですが、他の都道府県を貶している訳では無いですし、好き度合いを人と比べるものでもありません)
 
 だから、これからも、ある人から見れば、語る資格が無えぞ!と言うことになるかもしれませんが、自分の好きな秋田のことをどんどん発信していこうと、小さな決意を持ちました。
 
 今までと何が変わるわけじゃないですし、外に出ていった奴が何かほざいてると思われるかもしれませんが、これまでよりもほんの少〜しだけ、胸を張って秋田愛を語ろうと思いました。

「んだって、秋田が好ぎたがら」

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