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変わりゆく世界と価値観にどう対応すべきか~スター 朝井リョウ~2024年小説5冊

僕にとって良い小説とは、
気づきと問いをくれるものです。

この小説は僕が読んだ朝井リョウの中でも
良い問いをくれましたね~

物語は映画監督を目指す2人の才能ある若者
1人は有名な映画監督の下で修業
1人はYoutubeというかネット動画の道へ

僕が映画監督を目指した25年前?
もしそのまま映画の世界に行ったら、
ネット動画へのシフトで悩んだんだろうなあ
なんて思いながら読みました。

今ってiPhoneのシネマチックモードで、
簡単に質の高い映像が作れるわけです。
映像で食べていくのは苦労しただろうなあ~

映像というエンタメはさ、
テレビが普及する前は映画で、
テレビが生まれて映画とテレビになって、
今はSNSで誰もがクリエイター

価値観も多様化されてるから、
スターっていうのも生まれにくい。
僕にとってのスターは、
あなたにとってスターではない。

誰もが自分の価値基準で
良し悪しを判断するわけです。
そもそも大量消費コンテンツがダメでも、
こだわって作ったものがダメでもない。
昔よりも判断とかが難しい時代になったよね~
これは良い面もあるし、悪い面もある。

時代が変わってテクノロジーが生まれ、
社会そのものが変わると価値観も変わる。
それによって何を大切にするかも変化する。

この本を読んで感じたのは、
あなたは何を大切にしますか?
って問われた気がしますね~

主役の二人は
芸術性の追求か、商業的な成功か・・・
これは社会に出た多くの人に当てはまる。
お金を稼ぐのか、やりたい事をやるのか
時代に迎合するのか、己の道を行くか

辻村美月の傲慢と善良と、
この朝井リョウのスター
どちらにも共通するのは今の社会的な問題というか
誰もが抱えるだろうテーマを上手に描いてますね。

僕が好きな伊坂幸太郎もそうだしね。
今回も良い「問い」を頂けました。
朝井リョウ・・・なかなかやりますね~



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