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SOSを出すこと、サードプレイスは大事【ミナトホテルの裏庭には】

「ミナトホテルの裏庭には」を読んだ。

祖父から「ミナトホテル」の裏庭の鍵捜しを頼まれた孫の芯輔。
ちょっと冷めた性格の芯輔だが、祖父の頼みなのでしぶしぶ鍵探しをする。
鍵探しだけのはずだったのに、なぜかホテルの受付の仕事や猫探しもすることに。
ミナトホテルは「わけあり」のお客さんを泊める、少し変わったホテル。
「わけあり」のお客さんとの交流や「わけあり」の元ホテルの所有者について、なぜこのホテルを経営していたのかという謎解きっぽい話も楽しめる本だった。

この本を読んで「サードプレイス」が人間には必要だと思った。
「サードプレイス」自宅や学校、職場でもない、居心地の良いカフェ等第3の場所のことを言う
自宅や職場以外にゆったりとリラックスして、責任感やストレスなどから開放される場所。
「ミナトホテル」も追い込まれた余裕がない人たちの心の駆け込み場所として存在していた。
今の時代、健康に長生きするには心の拠り所、依存先と言えばいいのか、それらを複数持つことが大事だと思えるようになった。
「ここにしか私の居場所はないの!!」と思ってしまうと、もしそこから追い出されそうになったときに、自分が追い込まれていく。
そこで何か失敗して逃げたくなった時、八方ふさがりになる可能性もある。
私も自宅と職場しか自分が居る場所がないとき、とても息苦しかった。
私にとってサードプレイスは今のところ鍼灸院かなぁと思う。
体調を整えてもらって、悩み事を聞いてもらって、体も気持ちもリフレッシュさせる。
ただマッサージを受ける場所ではなく、今は私にとってなくてはならない大切な場所になっている。
どうせ生きなければならないのなら、これからもっとサードプレイスを増やして、健康的に生きていきたい。

「ミナトホテル」を読んでもうひとつ思ったことは周りに「助けを求めること」が大事だということ。
物語の中では悩んで自分一人で責任を背負い込もうとしている女性に、周りの友達が「無理をするな」と手を差し伸べる。
「助けて」ってなかなか人に言えない。
やっぱり人間、プライドがあるし、こんなことで助けを求めるなんてどうなん?と思ってしまう。
でも意外と周りに助けを求めると、解決策を一緒に考えてくれたり、実際に助けてくれたりする。
ひとりじゃないんだと思えるだけで一歩前進。
何も言わずに自分の中で溜め込み、爆発してしまうほうが迷惑をかけてしまう。
人生をうまく生きてるように見える人はSOSを出すのがうまい人なのではないか。
助け助けられ生きていく。
もちろん「助けて」を言う相手は選ばないといけないが、声に出して「自分は今困っています!!」と言うことは大事だと思う。
言わないと助けを求めてる、困ってるなんて誰も分からん。

前に書いた記事。
「助けて」と素直に言える人が今の時代は強い。
なんだかんだ素直な人が今後は生き残っていくのではないかと私は勝手に思っている。
勢いで書いたものだが、あながち間違ってないかもしれないと今回この本を読んで思った。

誰かの助けを借りても、最終的に自分の人生を助けるには自分が動かなければいけないので、そのあたりは勘違いせず。
助けられた分はいつかどこかでお返しできるように頑張りたい。

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