見出し画像

東南アジアのコーヒーについて

最近、スペシャルティーコーヒーのお店で東南アジアのコーヒーってよく見かけませんか?

普段からよく見る東南アジアのコーヒーと言えば、代表格はインドネシアのコーヒーでしょうか。マンデリンコーヒー、とても有名ですよね。
後は、コーヒー豆生産世界第2位の国はベトナムだったりするので、ベトナムも東南アジアの主要なコーヒー生産地と言えるでしょう。

このように、実際、東南アジアはコーヒーシーンの大きな役を担っているわけですが、「スペシャルティーコーヒー」の生産にフォーカスされたのは意外と近年だったりするのです。それが、「最近、スペシャルティーコーヒーのお店で東南アジアのコーヒーをよく見る」理由だったりします。

そんな最近スペシャルティーコーヒー界隈でもアツい東南アジアのコーヒーですが、気になる東南アジア諸国のコーヒーについて調べてみました!

台湾(Taiwan)

実はコーヒー生産100年の歴史を持つ台湾。初めにコーヒーを持ち込んだのはイギリスの開拓移民でしたが、その後コーヒー生産が栄えたのは日本の台湾占有期間に日本人が始めたコーヒービジネスだそうです。

台湾には、コーヒー生産で有名な4つの地域(台南・阿里山・屏東・雲林)があります。それぞれに特徴があり、例えば、雲林では標高の高い山でコーヒー生産をしている一方で、台南では小さな丘でコーヒー生産がされています。もちろん地形の違いは味にも大きく影響するので、個性豊かなコーヒー豆が台湾では取れます。

そんな台湾では、賃金が高いために、生産者が自家焙煎をしてカフェやコーヒースタンドを経営していることが多いです。
そのため、台湾産のコーヒー豆のほとんどが国内の消費に回っており、輸出用として出される量はあまり多くはありません。

台湾のスペシャルティーコーヒーが、お店で割と高い値段で売られているのを見かけることがあるかと思います。それは、品質が良いことはもちろんですが、この賃金や輸出量にも理由があることが伺えますね。

パプアニューギニア(Papua New Guinea)

オーストラリアの北部沿岸に位置するパプアニューギニアでは、およそ人口の90%が田舎に住んでおり、その3分の1ほどがコーヒーで生計を立てています。

その中でも、スコアを80点以上を取るようなスペシャルティーコーヒーの農家の人たちは、自分達の生活水準を上げるべく、直接の貿易関係を作り上げる取り組みをしています。
例えば、2021年にパプアニューギニアの国際貿易センターは、イギリスのトレード・パートナーシップ・プログラムに参加し、SNSを広く用いることでスペシャルティーコーヒー市場の発展を試みる活動を行っています。それにより、85%以上の農園が直接新しい顧客を得ることに成功したそうです。
この活動により、単にコーヒー市場の発展だけでなく、地域住民の雇用を増やしたり、子どもたちに教育を受けさせるきっかけを作るなど、広く多岐に及ぶ効果がありました。

このように、まだまだ開拓の余地のあるパプアニューギニアのコーヒー生産なので、さまざまな方法を使い、地域住民から海外のトレーダーまでがこぞって農園の発展を試みようとしています。
そんなパプアニューギニアのコーヒーは、今後もっと市場に出回り、日本のコーヒー屋さんでも見かけることが増えるかもしれません。

ベトナム(Vietnam)

冒頭にもあるように、コーヒー生産量世界2位であるベトナム。ロブスタ種だけに絞ると生産量世界一位の国です。

現在のベトナムでは95%がロブスタ種の栽培、残り5%がアラビカ種の栽培です。その大量のロブスタ種のコーヒーは、各国のバイヤーがインスタントコーヒーにするために買い付けにきます。

大量生産されているベトナムのコーヒー豆の生産は、外国からの出資によって行われているという背景があります。そのため、外国のコーヒー産業に大きな影響を持つベトナムコーヒーですが、農園にまで焦点が当たることは少ないのです。また、今まで続いてきた、また現在も続く大量生産の「ベトナムコーヒー」のイメージが、「品質の低い」ものであることも問題です。

実際は、近年、小規模の農園が品種や精製方法の実験を行ったりして、ベトナムの地形・気候に適した品種を育て始めたりと、品質の高い新しい「ベトナムコーヒー」の形が模索されています。

今はまだ、全体のたった5%しか栽培されていないベトナムのアラビカ種ですが、今後「ベトナムコーヒー」が「スペシャルティーコーヒー」として広く認識されていくこともあるのではないかと思います。


今回は東南アジア3カ国を取り上げてみました。いかがでしたか?
徐々に増えてきている東南アジアのコーヒー、試してみたくなりますね。コーヒー屋さんで見つけたらぜひ、飲んでみてください!

相場千咲


引用


この記事が参加している募集

私のコーヒー時間

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?