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イマジナリーフレンド

ちょっとホラー的な要素があるかもしれません、ご注意

私にはとても不思議な記憶があります。

私が小学1年生の頃、家に知らないお姉さんが2人、遊びに来たことがあるのです。

突然見知らぬ上級生のお姉さんたちが夕方ころに家に来て、

「私たち、●●小学校(私が通っていた小学校)の6年生だよ」
「●●ちゃん(私の名前)、ここに住んでるの私たち知ってたんだ、ちょっとだけ一緒に遊ぼう」

同じ小学校と言うけれど、ふたりとも一度も見たことのないお姉さんたちでした。

結局家に上がってもらって少しだけ一緒に遊びました。とても楽しかったです。
人見知りでうまく話せない私にも、ニコニコして、目線を合わせて、たくさん質問をしてくれました。そんな人は今まで身近にいなかったので、このお姉さんたち好きだなあ、と思って、とても嬉しくなりました。今でもその温かい感じを覚えています。

一緒に本を読んだり、私が描いた絵を見てもらったり、お話をしたりして遊びました。
そして、5時のチャイムが鳴ると共に、彼女たちはまたね、と帰って行きました。

そしてこの記憶のおかしかった点。

まず、その時家族が誰もおらず、一人きりで家にいたことです。
自営業の父、専業主婦であった母、自宅仕事をしていた祖母、揃って家族が家にいない時間帯は絶対にありませんでした。しかしお姉さんたちの訪問の際に、家族は誰もいませんでした。ペットの猫すらもいませんでした。

次に、お姉さんたちが天井に何度も頭をぶつけていたことです。
立ち上がって動くと、天井にこつん、と軽く当たって、また当たっちゃった、いたたーととても愉快そうに笑うので、私もつられて笑っていました。
うちは特に天井が低いわけでなく、ごく普通の設計の家でした。ですので、天井は平均通り2メートル50いくかいかないかくらいの高さです。

小学6年生の女の子。
2メートルを遥かに超える身長の2人組。
いやいや…明らかに人間じゃないよね…?

1年生から見ると6年生は大きく見えるものですが、大き過ぎます。笑
そんな長身の子たちが小学校や近所で目立たないはずがない。
しかし今でもお姉さんたちが本当に優しく遊んでくれたことを、温かい気持ちで思い出します。
帰ってしまった時本当にさみしかったことも、私の名前を誉めてくれたこともかなり鮮明に覚えています。

今でもお姉さんたちが自己紹介してくれた名前を覚えているし、顔つきや服の色まで覚えています。
あまりにも楽しくて幸せな記憶だったため、ノートにお姉さんたちについての絵日記を書いたことも覚えています。

一人で寂しすぎた当時の私が、心の均衡を保つため脳内で生み出したイマジナリーフレンドだと思います。
鮮明な夢かもしれません。
しかし凄まじいリアリティだったので、今でも忘れられません。あの時私の前にはお姉さんたちが確かにいました。

通っていた小学校に行った時、保存されている卒業アルバムを一応見てみたことがあります。自分がいた前後のものを確認してみましたが、もちろんお姉さんたちはいませんでした。初めから分かっていたので、全く怖いとかは思わず、「まあ、そうだよね」と思いました。笑

かなり古い記憶ですが、この年齢になるまで覚えているので、ずっと覚えているんだろうなあと思います。

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