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【読後感想】大学生・社会人のための言語技術トレーニング

初心者がライティングスキルを上げるためには、勉強が不可欠です。

ライティングが上手な人のように、わかりやすくて伝わる文章を書きたいと思うがどうすればいいんだろうと初心者だと悩みます。
悩みを解決するには、「スクールに通う」「プロの個人レッスンを受ける」「書籍で勉強する」方法が頭に浮かびます。

ライティング初心者のわたしも同じ悩みを持っていて、できることなら経済的にお金をかけたくないものです。

そこで何か初心者にとって良い書籍はないかと思って、図書館で探しました。その時に読んだのがこの本です。

大学生・社会人のための言語技術トレーニング
著者:三森ゆりか
発行所:大修館書店

どんな人にオススメ?

・ライティング初心者
・記事の書き方を勉強したい人
・小論文の書き方をしりたい人
・大学生や社会人
・言語能力を高めたい人

にこの本はオススメです。

ライティングをしたことがない人がnoteやweb記事を見た時、
イメージはフォーマットがあって、書き方のコツみたいなものがあるだろうなと思っても「どうやって書けばいいんだろう?」と悩むと思います。

webライティングの記事では、作文技術が必要になります。

作文技術を始めとするテクニック的なところから、トレーニング法がこの本には書いてあります。記事を書いてみたいなと思っている初心者の人には、刺さる内容であると思いました。

わたしは中学生や高校生の頃に、この本と出会いたかったなと思えた内容です。

概要


まずこの本は、端的に言うと
言語技術のスキルを獲得しましょう。言語技術が社会で活躍する上でとても重要になってきますから的な本です。

言語に関して、実社会では下記のように多くの能力が求められています。

論文を書く・スピーチをする・読解する・議論する・人と論理的に対話する・報告する・質問する・批判的な思考力を持つ

即戦力で活躍するためにも、この本に書かれている言語技術の習得なしでは、十分に能力を発揮することが難しくなるのです。

この本では言語技術を獲得した最終目標が【人間形成】にあると説いています。

日本の言語教育と世界の言語教育には違いがあります。
国際化に対応する基礎力の獲得し、教養のある自国の文化を大切にする人間の育成を目指しているのです。

言語教育の参考例として、ドイツの教育を紹介しています。
わたしたちが小中高で学んだ国語の授業とは様々な面で異なっているのです。
それは、小中高の12年間で「情報の取り込み」「思考」「表現」の教育をカリキュラムに則って実行されている点です。

教授法は「議論」が中心になっています。
評価対象も発言の量や質が含まれていて暗記した知識ではなく、自分の考えをしっかり構築してそれを話せる人間でないと評価されません。
日本のように筆記試験の出来よりも発言の質を求めており、ドイツと日本とでは異なることがわかります。

教授法とは
教師が子供の学習の成立を目ざして働きかける組織的な手だてや手段のことをいう。一般に「教え方」といわれることをさす。教師中心的な教授法を排し、子供の自発的な学習を期待して助成し方向づけることを強調して、学習指導法という語を用いることも多い。

精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について


それでは、どのようにして言語技術を身につけていけばよいのか。
身につける方法は、知識の習得はもちろんトレーニングを行うことも重要です。

この本には、言語教育で得られる知識やトレーニングは対話・物語・要約・説明・報告・記録の項目として分けられていて、それぞれの構造を学び理解していくことで言語技術を獲得できるものとされます。

例えば対話でいえば、ビジネスシーンでは会議などの場で論理的な議論が求められることになります。
論理的で建設的な対話ができるようになるには、対話の基本型を理解してトレーニングをして習得する必要があるのです。

それは5W1Hを意識し、意見・根拠・意見の型を知る事。そして対話のトレーニングをしていきます。
これらを意識していく事で文章の抜けや情報の不足に気づけるようになり「事実」と「意見」を適切に振り分ける能力が身につくというのです。

わたしたちは日本語で会話をするときに、表現があいまいであったりぼかしたり、主語を抜いたりしてもなんとなく会話を成立させてしまうことがあります。
そのような状態に慣れてしまうことは危険で、論理的な対話を成立させることが困難になってしまいます。

他には説明する能力を高めるトレーニング法として、2種類の提唱があります。

レシピでよく見る、料理の作り方の手順を見たことがあるとおもいます。これは「時系列の説明」の方法を上手く使っています。
大きい情報から拾っていった情報が、他の項目とどのような関係性を持っているのかを探っていき、自分自身が考えたことを記述していく「空間配列の説明」は、絵の分析をするときにも役立ちます。

このような様々なスキルを、取得していくことの重要性が書かれています。


そして対話・物語・要約・説明・報告・記録のスキルを獲得しても、
伝える必要が出てきますので、作文技術が必要になります。

基本的な技術には、主語の省略しない使い方やかぎかっこの使い方があり、論文を書くのに必要となる「パラグラフ」の重要性を知ることが大事になってきます。

これは使いこなせると、様々な文章に対応できるようになり、大学や社会で書く論文や報告書などに応用させることができます。
このパラグラフには、模写型パラグラフなど様々な型があります。
それらを学び習得することで、様々な記述に対応することが可能になるのです。

このように、社会では自身が習得したスキルがコミュニケーションの質に大きく関係しています。

この本は、教養のある人間形成と社会で求められる言語スキルを取得して、言葉を適格に表現できるよう指南してくれているのです。

感想

ライティングで必要になるパラグラフの型を始めとしてどのようにトレーニングをして言語能力を向上させるか、その方法が書かれています。

今は、ブログやwebライティングなどでも論文の型が当たり前に使用されているので、言語技術の基礎を理解する書籍として大変に参考になります。

内容はボリュームがあります。

何度も読む必要があり習得するのにも時間がかかりそうですが、もっと早くから知っておきたいと思える本でした。


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