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「スーパーマン リターンズ」とシャマラン監督の「サイン」ー2つとも「希望」を見出そうとする人のための映画です。


全然テイストが違う作品なのに同じものを与えてくれる映画たちっていますよね。私にとっては「サイン」と「スーパーマン・リターンズ」がまさにそういう作品なんです。

M・N・シャマラン監督の「サイン」

映画好きな人ならM・N・シャマラン監督は絶対知っていますよね。そう、あの「シックス・センス」の監督です。

非現実的なストーリーを現実的に着地させてくれる作品は毎回すごいと思うのですが、特に最近の「OLD」や「Mr.ガラス」はこの原点回帰の感が強くて嬉しい限りです。

さてメル・ギブソンが主演の「サイン」は一般的にはあまり評価が高くないのですが、私はシャマラン監督の作品の中では一番好きです。



妻の突然の死により、神を恨み信仰を失った元牧師をメル・ギブソンが地に足の付いた演技で人間臭さたっぷりに演じています。
子供達の演技もめちゃくちゃ上手いです。

主人公の痛みを観客に観せるタイミングも、宇宙人の襲来という非現実的な状況に家族で立ち向かうストーリーが徐々にリアルに感じられる運びも、宇宙人の出現を最小限にしたのに観てる側に緊迫感を与える作り方もお見事です。

そして主人公が信仰を取り戻すラスト、恥ずかしながら私は毎回泣いてしまいます。

サスペンスとは無縁の雰囲気のこの家族の家が舞台になります。
こんなシーンもあるのですが、シャマランワールドに入ると完璧にリアルに感じます。
さすがです。

「サイン」を皆が観たタイミング


実はこの作品、作られたのが意図せずして9.11の直後でした。上映された時には作品の内容そのままに多くの人がそれまで拠り所にしていたものをそれぞれ失っていたに違いありません。
この作品を観て、失ったものを取り戻したいと感じた人がきっと沢山いただろうと私は勝手に思っています。

「スーパーマン リターンズ」が観せたかったこと


私には観る度に9.11を想起せずにいられない作品がもうひとつあります。2006年の「スーパーマン リターンズ」です。

予告
https://youtu.be/EFElv1RmnWc

この作品の中では9.11後のアメリカ人の願いが全て叶えられています。
オープニングでスーパーマンは自分の恋人も乗っている飛行機が墜落しそうになるのを、どこからともなく現れヤンキースタジアムに無事に着地させます。
その時のスタジアムの観客たちの大歓声と拍手は何回観ても泣けてきます。あの日にスーパーマンに来てほしかった、こうして救ってほしかった。日本人の私も心の底からそう思ってしまうシーンです。

こんな感じで飛行機をスタジアムに無事着陸させてくれます。
実際に映画を観てほしいです。


さらにこの作品ではどんなにビルが崩れてもスーパーマンのおかげで犠牲者は一人も出ません。スーパーマンがクラーク・ケントとして働いている新聞社・デイリープラネットのシンボルである地球のオブジェがビルの屋上から落ちても彼のおかげで傷つきもしないのです。そうであって欲しかった情景をこれでもかと観せてくれます。

ラストに彼は去りますが、残された者の力で平和を守れる希望をメタファーの形で残していってくれます。
そのメッセージはとても分かりやすいけどとても強いメッセージです。


最強なのは「希望を見い出そうとする」こと


全く異なる映画ですが、両方とも「人生には希望がある」のを伝えてくれます。
何を通じてでもいいんです、絶望に溺れず希望を見出そうとする限り、どんな人でもその人の人生には可能性があるんだと私は思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんがどうか今日も人生の2時間を使う価値のある作品に出会えますように!















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