〔短編小説〕嗅覚(エピローグ)
日曜日の午前11時ちょうどに、咲夜は昼食を持ってやって来た。ノックをするや否や、ガチャガチャと開けようとする。
「だーかーら!鍵を開けるまで待てって!」
鍵を開けながら注意するが、ふくれっ面の咲夜は全く怯まない。
「だーかーら!私が来るんだから、鍵を開けておけば良いんでしょ!」
この間と同じ不毛なやり取りをした後、咲夜は弁当とお茶を袋から出した。
「おっ。今日はすき焼き弁当か!」
俺は、暑がる咲夜を横目に冷蔵庫の前に陣取り、弁当を味わう。
「それにしても酷かったわね、あんたの