緋海書房/ヤバ猫

小さな出版社が発行する雑誌形態で様々なジャンルの記事を掲載しています。緋海がたくさんの…

緋海書房/ヤバ猫

小さな出版社が発行する雑誌形態で様々なジャンルの記事を掲載しています。緋海がたくさんの思いを詰め込んだnoteです。よろしければお目にとめて下さい。

最近の記事

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人生は箱詰めのチョコレートなの

Life is like a box chocolate,Forrest. You never know what you are gonna get. 人生は箱詰めのチョコレートのようなものよ、フォレスト。 食べてみるまで、中身はわからないわ。 この言葉は、有名なアメリカ映画『フォレストガンプ』の中で、フォレストの母親が息子に放つ言葉。私がとても好きなセリフのひとつです。 私の息子も、フォレストほどではありませんが、社会に順応できず生きずらい人生を送っております。 自

    • 《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

      前回 6.寵愛ー(2)  ベイエリアのFM局は、この坂の先にある。 「うわあ、聞きしに勝る凄さだわ」  スザンナは急勾配の坂を見たあと、ダッシュボードの時計を確認した。時間がない。助手席のジミーは微かな寝息を立てている。スザンナは勢いよくサンダーバード・コンバーチブルを路肩へ寄せた。ジミーの身体が左右に揺れた。思わずパナマ帽を押さえる。 「なんだよ」  と言ったところで、スザンナからの返事はないだろうと思いジミーは帽子を深く被り直した。 「交代して」  スザンナからすぐに

      • 宝探しと本屋さん #GWの過ごし方

         町の小さな本屋さんが好き。 店主のこだわりの品揃えがある本屋さんが好き。 それはまるで、宝探しのようなワクワクとドキドキに巡り合えるから。  この言葉、最近読んだ本屋大賞翻訳部門を獲った『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』に出てくる言葉。 偶然にも、以前読んだ本屋大賞翻訳部門を獲った『書店主フィクリーのものがたり』の書店主フィクリーが「本屋のない町なんて町じゃない」と言っている。 「本というやつは、しかるべきときがくるまで、読み手が見つからないことがある」とも言っている。つまり

        • 雨後に見つけた平穏    #平和を考える

           このところの気圧の変化や気温差によって、体調をくずしておりました。 note記事の更新はおろか、みなさんのnote記事を拝見することもできておりませんでした。  このままではどんどん体力が落ちてしまうと、気持ちばかりがせっていた状態です。  雨もあがったことだし、散歩がてら少し外に出てみようと思い財布とスマホ、エコバッグだけを持ってスーパーへ。  雨あがりのためか、少し肌寒く感じます。  無理をしない程度に一番近い店へ行き、当面必要な物だけを購入して足早に帰路に着きまし

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        人生は箱詰めのチョコレートなの

        マガジン

        • 【みんなで創る】クロサキナオの運営マガジン
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        記事

          牡丹のように咲き誇れ #緋海の散策記

          「西の長谷寺・東の西新井」とは、牡丹の名所を表す言葉です。  今日は、noteをはじめて7ヶ月が経った記念の日ですので、少し出かけてみたくなりました。桜の次は何のお花を愛でるかなと調べていましたら、ちょうど牡丹の花がきれいですよとの記事をみかけたので行ってみることにしました。  と申しましても、体力・気力ともに減退している今、奈良の長谷寺までの遠出は致しかねますので、東京の西新井大師の牡丹を愛でることに致しました。  平日にもかかわらず、参道や境内には多くの人が見学にみえ

          牡丹のように咲き誇れ #緋海の散策記

          《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

          前回 6.寵愛ー(1) 今日もカルフォルニアの空は高く、日差しが綿のシャツを抜けてスザンナの白い肌に貼りついてくる。助手席のジミーはパナマ帽を深めに被り、フレームが細い真っ黒なサングラスをかけている。サングラスのせいで目元が見えず、彼が寝ているのか起きているのか、スザンナには確認できない。運転に集中しているせいもあるが、何時間も会話もなく走り続けるというのは、よほど運転が好きか車を愛しているかの人間でしかできないことだとスザンナ自身も思う。  スザンナは眠気覚ましにラ

          《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

          セピア色の桜吹雪 #青ブラ文学部

          あなたと桜を見たのは、何年前になるのかしら 今日の暖かい陽ざしに誘われ、散りゆく桜を見にでかけてみたの  遠い記憶の中にあるのは、セピア色した桜だけ その桜は色褪せてしまったけれど、けっして風に飛ばされることはないの あなたとの大切な思い出だから  今日と違って、少し肌寒い中で二人肩を寄せ合い、桜並木を歩いていったわね。覚えてる?  あなたがあの風に、桜の花びらとともに連れて行かれてしまってから、私はもう桜を愛でることはないだろうと思っていたの  でも、今日は

          セピア色の桜吹雪 #青ブラ文学部

          本物の役者って、本当にヤバい奴ができる人(韓国人俳優:本命版)

           彼の名を初めて見たのは、「WATCHA(ウォッチャ)」 という動画配信サービスで、韓国の人気俳優たちが脚本・監督を務めるオリジナルショートフィルムプロジェクト『UNFRAMED/アンフレームド』という企画作品でした。  このプロジェクトに私が推しているイ・ジェフンも参加しているのを知って、興味が沸いていました。  まず、イ・ジェフンをご存じない方もいらっしゃると思いますので、彼から紹介させていただきますと、  日本でも坂口健太郎主演でリメイクされた『シグナル』が有名ですの

          本物の役者って、本当にヤバい奴ができる人(韓国人俳優:本命版)

          夢を追ってた、あの頃のように

          夢を口にするのは簡単。夢を思い描いたり、実現させるのは困難。夢を達成させるには、多くの努力と持続させるモチベーション、体力と資金が必要になる。そして、何よりも必要なのが、周囲の理解と協力が欠かせない。  これは、夢を実現できなかった者の言い訳にしか過ぎないのだろう。 夢は願い続ければ叶うもの。 I have a dream. 夢<信念や目標>に向かって、後悔することのないように挑戦していく。 一度決心したならば、障害など気にせずに突き進め

          夢を追ってた、あの頃のように

          足の赴くまま、風まかせ

           このところ、体調が思わしくなく日課であるウォーキングにも出ることができない日々が続いておりました。体調が思わしくありませんと、頭も心も空っぽ状態になるもので、まったくと言っていいほど言葉が浮かんで来ず、大好きな絵を描くことも嫌になり、noteの投稿もできませんでした。 今も、このたった三、四行書き出すだけでも何十分と時間を要してしまっています。  それでも、ほんの少しだけ散歩にでかけました。コースを決めずにのんびりと歩こうと、当てもなく歩きはじめました。  すると、自宅近

          足の赴くまま、風まかせ

          中高年のためには休息が必須

          中高年のためには休息が必須

          掌の中の僕 #青ブラ文芸部

           手のひらの中で、転がされていた。 今思えばだけれど。あんなに人を愛したのも、はじめてだった。 生きていくだけで必死だった中で出会った恋。    人は恋を語るとき、みな詩人になる。 誰か心を寄せる人がいるのかと問われたとして、それはだた「好きだ」という感情なのか、その人を見かけるだけでときめきを感じ「惹かれる」のかの違いがある。  恋心を抱き始め、バラバラだった二つの心が寄り添い始める。それは、大正ロマンにあるような相思相愛「諸恋」なのか、ロシア文学にあるような切ない「片恋」

          掌の中の僕 #青ブラ文芸部

          《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

          前回 5.挑戦ー(4)   ダンデライオンのように強い人   何度押しつぶされようが立ち上がる   砂漠で倒れそうな俺の心と体に潤 いをくれる   口づけを交わし、触れ合う   俺の鼓動は強い酒をあおった時の ように早くなる   お前という泉に堕ちた俺   お前の鼓動は聞こえない   ダンデライオンのように明るい人   何度太陽に焼かれそうになっても 挫けない   砂漠で横たわる俺の心と体を癒し

          《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

          桜襲のミトン手袋 #シロクマ文芸部

           桜色に染まっていた。 護岸工事で真っ直ぐに矯正されている川に、下流へ長く桜の花びらが流れている。その流れる様は、深海からきた息も絶え絶えのリュウグウノツカイが浮いているようだった。  平年より少し早くに咲き出した桜の花は、先日の風雨によって一気に川面に舞っていった。桜の花びらとともに、母が作ってくれた右側の手袋が流れていく。河川堤防に降りたしたとしても、この時期の水位は低く、私の身体が流されることはないだろう。下へ降りて流されていく手袋を追いかけようか。そんなことは無駄な行

          桜襲のミトン手袋 #シロクマ文芸部

          本物の役者って、本当にヤバい奴ができる人(韓国人俳優版)

           数十年前まで私は、エンターテインメントといったら欧米と決め込んでいた節がありました。本当に浅はかな考えで、巨大な資金源を有するとくにアメリカ映画界には日本はもとよりアジアのエンタメ業界は到底太刀打ちできないと思っていました。  それは、山崎貴監督作品「ゴジラ-1.0」が今年のアカデミー賞視覚効果賞を受賞したことで見事にくつがえされました。山崎監督率いる白組が作り上げるVFXは莫大な経費をつぎ込んで作り上げたハリウッド映画をはるかに超えたのですから。  そりゃあ、ロバート・ダ

          本物の役者って、本当にヤバい奴ができる人(韓国人俳優版)

          五枚の花冠 #青ブラ文学部

           冷たい強い風が吹いている。もうすぐ桜が咲こうとしているというのに。土砂降りの雨の中、段ボール箱へゴミのように捨てられた子猫に、さらに水たまりの汚泥をあびせるぐらいの冷たさだ。この冷たい風は、アロルディス・チャップマンが投げた剛速球で開けられた君の心の穴を通り抜けていく。僕が君の前にキャッチャーミットを持ってすぐにでも駆け付けたいところだけど、それはできない。今は。  火傷するぐらい熱いコーヒーを飲む勇気は、僕にはまだ持ち合わせていないんだ。 『April is the cr

          五枚の花冠 #青ブラ文学部