2-1.「小さな」自分を受け入れられた瞬間

 高校生として過ごした3年間は私にとってこの上なく充実していました。その中で最も印象に残っているのは海外留学です。ヨーロッパに滞在した約2週間、日本との文化の違いを学ぶ場面ばかりでした。また私自身に向けられる目も日本とは少し違うと感じました。日本にいた頃はよく指を指され異形扱いされることもありましたが、留学先でそういったことは殆どありませんでした。言語の違いもあるので実際に言われていても気付かなかっただけかもしれません。しかし明らかに「ジロジロと見られる」感覚は留学当時なかったのを覚えています。また多様な国籍の学生が在籍している留学先でもあったため、日本のいた環境と比べて「珍しい見た目」に寛容的だったのかもしれません。私は留学を通して自分の見た目を言い訳にせず、相手に自分の強みを伝える姿勢を学びました。
 
 留学を経験するまで私は「障害を持たずに生まれてくることができれば、どれだけ良かっただろう」「障害さえなければ、もっと良い人生を歩むことができたのでは」と考えることが多々ありました。前述した通り街中を歩いているだけでも「体のバランスがおかしい」だの「見た目が気持ち悪い」だの言われてきた人生でしたので、自分と向き合うまで本当に長い年月かかりました。ただ留学後の最も大きな変化として、そういった周りからの偏見や視線を気にすることが徐々に少なくなりました。海外での経験が自分を確立させる自信に繋がったと今では確信しています。

※ 次回は留学後から現在(大学生)に至るまでに経験した最も大きな失敗と今の教育観を書く予定です。

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