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2011年個人的洋楽ベストアルバム20

X(Twitter)とThreads上で続けていた2011年発売洋楽マラソン。約60枚聴いたところで気に入ったもの20枚に順位を付けて終了します。では早速!


20位 PJ Harvey/Let England Shake

マーキュリー賞を受賞した8th。PJといえば90年代はドロドロした男女の情愛とかヒリヒリしたアルビニサウンドというイメージだったが本作は第一次大戦時の英国を題材とした内容。曲調はむしろ明るく聴きやすいというのが実に奥深い!


19位 The Black Keys/El Camino

オハイオの幼馴染2人組ブルース・ロック実力派Black Keysの7thでビルボード2位を記録したヒット作。カッコいいローファイとはこういうものさ!と言わんばかりの磁力を放つ。なにげにDanger Mouseとの共同プロデュースだったりする事は知らなかった!


18位 Beady Eye/Different Gear, Still Speeding

解散時のOasisーノエル+ベーシストで結成された1st。アンディ、ゲム、リアムの3人が書いた瑞々しい曲が並びシンガーや演奏者としては油が乗ってて若干閉塞感の漂ってた末期のOasisよりちょっと良くないか?とか思ってしまったよ。同時に「ノエル抜きだけど絶対失敗できないぞ」っていう気合いも伝わってくる。


17位 Arctic Monkeys/Suck It And See

メロディアスな明るいトーンでまとめられたLA録音の4th。後半なんてちょっとムーディーだったりして1stから7thの「The Car」に至るまでの中間地点って気がする。作風の変化もひっくるめて楽しめるバンドだな、と本当に思う。


16位 Bon Iver/st

山小屋で作った1stに続き今度はスタジオで録った2nd。内容はもはや精霊じみてる。音像色なんてものがあるとすれば白か透明しかありえない。本作からは強い「時代の寵児」的オーラを感じる。今もこういう音楽作られまくってるもんな。潮流を作ったんだよな‥


15位 Noel Ghallagher’s High Flying Birds/st

ノエルのソロプロジェクト1st。新章の幕開けを感じさせるM1“Everybody’s On The Run”のイントロはゾクゾクする。最近のライブで演奏されているのは“If I Had A Gun”と“AKA‥What A Life”の2曲のようだ。これがリアムのBeady Eyeと同じ年に出たとは‥それこそ「What A Life」だね!


14位 Red Hot Chili Peppers/I’m With You

ジョン・フルシアンテが再び脱退しジョシュ・クリングホッファーが在籍している時期の10th。どんなんだろうと思って身構えて聴いたら何のこたぁない。ちょっとメロウで大人しい印象はあるけどその分メロディアスでしっかりレッチリしてて。素晴らしいじゃあないですか!


13位  St. Vincent/Strange Mercy

評価を高めた3rd。「21世紀のギター・アルバムの名盤」の文脈で取り上げられるほどここでの彼女は20世紀の先人達とは異なる形でギターと楽しく戯れている印象。捻りのあるメロディラインとコケティッシュな声の組合せもまたいい!


12位 Drake/Take Care

リアーナやニッキー・ミナージュに加えBIGになる前のザ・ウィークエンドも参加し内省的でマッチョじゃないHIPHOP/R&Bを展開。テン年代のポップミュージックを方向付けたとまで言われる一枚。ロック「だけ」が好きな方にはひょっとしたら邪魔な存在だったかも知れない‥でも僕は好きです。ローBPMでローテンションでフワフワしてこれぞ「非ギャング系・ザ・文化系HIPHOP」って感じ。


11位 Laura Marling/A Creature I Don’t Know

2ndの1年後に発売された3rd。素朴なアコギと歌中心だった前作に比べるとバンドサウンドの導入でM9 “Sophia”のように1曲の中で前半から後半にかけてスケールアップしていくような展開も増えて「フォーク」から「フォーク・ロック」に!


10位 Atlas Sound/Parallax

Deerhunterのリーダー、Bradford Coxによるソロ・ユニット3作目。前作「Logos」同様、耽美なのに甘酸っぱい、「いやそれ別に対立概念じゃないから!あ、じゃあいいのか?」‥というどうでもいい自問自答を繰り広げてしまう快作です。


9位 Tedeschi Trucks Band/Revelator

Susan TedeschiとDerek Trucksの夫婦を中心にフロリダで結成されたブルースロックバンドの1st。本当に21世紀に作られた音楽?と思ってしまう激シブ楽曲集。2011年にはダブステップやチルウェイブが鳴る一方でこんな極上ギターロックも鳴っていたんだなぁ。


8位 The Streets/Computers And Blues

リリシズムを武器に1st 2ndで成功し「英国のエミネム」などともてはやされて少し悩んだ後の5th。ひょっとして世間的には低評価?ハードコアすぎてノンネイティブには辛い印象もあった初期作よりトラックが表情豊かで粒揃いでこれは発見だな〜


7位 SBTRKT/st

ロンドン拠点Aaron Jeromeのプロジェクト。クールなビートとSamphaやLittle Dragonなどゲストメンバーのエモーショナルな歌声が絶妙にフィット。今年6月に出た最新作も気心知れたゲスト達とその路線を推し進めてより洗練させたもの。何とも心地よい音楽だ!


6位 Unknown Mortal Orchestra/st

ポートランド拠点3ピースの1st。今年3月発表の5thも良かったけどサイケデリックさとファンクネスが同居する彼ら独特の粘着質なスタイルはのっけから確立されていたことが確認できた。これはクセになるなあ‥ジャケットの旧ユーゴスラビア建築物もいい味出してる!


5位 Radiohead/The King Of Limbs

前半5曲は自分達の演奏をサンプリングしてダブステップに落とし込んだもの。後半3曲はミニマルな演奏もの。以前は本作を理解できず「In Rainbows」までしか聴けなかった。しかしトムがFlying LotusやBurialやFour Tetとコラボした曲を聴くと納得感しかなくなるというか、少なくとも彼らがやろうとした事やその時代の空気が分かってくる。そうなると本作はさほど難解でなく、かと言って心地よいだけでもない懐の深い音楽だと思えてきた。何で8曲しか入ってないんだろう?もっと聴きたいな。


4位 James Blake/st

ダブステップを表舞台に押し上げたとか21世紀のソウル・ミュージックと評された超有名1st。驚いたのは兄弟との不仲を赤裸々に歌ったりジョニ・ミッチェルの“A Case Of You”(後発のDeluxe Editionに収録)をカバーしていること。何だか守ってあげたい。今は貫禄出てもうそんな心配はいらなさそうだけど😅


3位 Kendrick Lamar/Section.80

記念すべき1st。Section.80とはレーガノミクス下の貧困層向け住宅で育った世代を指す。流麗なトラックと渾然一体となったコンシャスなリリックはこの頃からキレッキレ。ラス曲の“HiiiPower”を聴くと必ず一緒に「HiiiPower!」って言いたくなる。‥ちなみに2023サマソニではこのアルバムの曲からは“A.D.H.D”を演ってくれました!


2位 Yuck/st

解散したCajun Dance Partyのメンバー2人を中心に結成されたロンドンの5ピース。わかりやすいメロディラインを歪んだギターサウンドが心地よく包み込むオルタナ/シューゲイザー/パワーポップの1つの理想形。初めて聴くのにもう懐かしいってのはどういうこと?


1位 Kurt Vile/Smoke Ring For My Halo

フィラデルフィア出身SSWの4th。ローファイさと脱力感の漂うフォーク・ロックだが注意深く聴くと響きの豊かなフィンガー・ピッキングに心を奪われてしまう。このジャンル、ゼロ年代はBright Eyesを愛聴したけどテン年代はこの人を聴こうかな。


所感(思ったこと)

レディオヘッド、アクモン、ノエル、リアム、レッチリ、ウィルコ、ストロークス、ケンドリック・ラマー、ドレイク、フランク・オーシャン‥ 2011年って結構ビッグネームのリリースが多い年でした。

そんな中で僕の心を捕えたのは‥カート・ヴァイルでした。簡素なプロダクト、やる気なさそうなヘロヘロのボーカル‥しかしアコギの音の粒子はきらめいている‥一見簡素な音響もよく聴くと微妙にリバーブがかかって計算し尽くされている?‥せっかく盟友と立ち上げたばかりのバンドThe War On Drugsから離脱してまでこの人は歌いたかったのだ!こんなにもユルく!!‥などとつらつら考えながら気がつけば2022年の最新作「(watch my moves)」とセットで何度もリピートしていました。まあリラックスして聴けて聴くたび気付きがある、というのが今の自分の気分にあってるんでしょうね。

その他も気ままに選んだ結果です。インディーロック、ヒップホップ、ルーツロック、ダブステップ、チルウェイブ・・2011年はタイムリープ先としてかなり楽しい年でした!

全部で60枚以上は聴きましたが冒頭にサムネイルで掲載した45枚のリストは以下のとおりです。

↑左上から右へ
1位 Kurt Vile/Smoke Ring For My Halo
2位 Yuck/st
3位 Kendrick Lamar/Section.80
4位 James Blake/st
5位 Radiohead/The King Of Limbs
6位 Unknown Mortal Orchestra/st
7位 SBTRKT/st
8位 The Streets/Computers And Blues
9位 Tedeschi Trucks Band/Revelator

タップすると拡大できます

↑左上から右へ
10位 Atlas Sound/Parallax
11位 Laura Marling/A Creature I Don’t Know
12位 Drake/Take Care
13位 St. Vincent/Strange Mercy
14位 Red Hot Chili Peppers/I’m With You
15位 Noel Ghallagher’s High Flying Birds/st
16位 Bon Iver/st
17位 Arctic Monkeys/Suck It And See
18位 Beady Eye/Different Gear, Still Speeding
19位 The Black Keys/El Camino
20位 PJ Harvey/Let England Shake
     以降は順不同で。
Fleet Foxes/Helplessness Blues
The Strokes/Angles
Foster The People/Torches
Wilco/The Whole Love
Friendly Fires/Pala
Tyler, The Creator/Goblin
Frank Ocean/Nostalgia, Ultra.

タップすると拡大できます

↑左上から右へ
Girls/Father, Son, Holy Ghost
The Internet/Purple Naked Lady
The Go! Team/Rolling Blackouts
The Horrors/Skying
Cage The Elephant/Thank You Happy Birthday
Youth Lagoon/The Year Of Hibernation Destroyer/Kaputt
Metronomy/The English Riviera
Belong/The Pains of Being Pure at Heart Washed Out/Within And Without
M83/Hurry Up, We're Dreaming
Adele/21
R.E.M./Collapse Into Now
Katy B/On A Mission
Robbie Robertson/How To Become Clairvoyan
Oneohtrix Point Never/Replica
The Weeknd/Hose Of Balloons
Ed Sheeran / +


X(Twitter)やThreads上でお薦めやいいねやコメントを寄せて頂いた皆様、本当にありがとうございました!全部に感想を書けなくて申し訳ありません🙇

以上、最後までお読み頂きありがとうございました!

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