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2006年洋楽マラソン(前編)

↑サムネイルの作品リスト(左上から右下へ)

1990年分からTwitter上で続けてきた洋楽マラソン。最近「Twitter消滅」なんて物騒なワードがトレンド入りしたのでバックアップを…というのは冗談ですが文字数制限をあまり気にせず総評的なことを書けるので直近の2006年分を手直ししながらnoteにまとめてみることにしました。


マラソンの概要

このテーマでnoteに投稿するのは初めてなので概要を書くと要するに「いち後追いリスナーの感想文集」です!レビューなんておこがましいものではありません。僕がTwitter上で勝手にやっている事です。

元々洋楽が好きでしたが随分長い間きちんと聴いていなかったので空白を埋めるため1990年から1年ずつその年に発売されたアルバムを1枚1枚出来るだけ丁寧に聴いて気に入ったものだけの感想をアップするというものです。

なので必ずしも時代を代表するものばかりじゃないですし、的外れな事を言ってるかも知れませんが大目に見て頂ければと思います。最近は邦楽もチラホラ混じります。

「こんなのもあるよ」と教えて頂いたり、「懐かしい!それよく聴いてたよ!」とコメントを頂いたり、いいねをくださるフォロワーさんには本当に感謝しかありません!

Twitterへのリンク

↑こんな風に宣言して事前にリスニングプランを立てますが、フォロワーさんからおすすめ頂いたものや自分で他にピックアップしておいたものと大抵かなり入れ替わります。50〜60枚聴いてジャケットをサムネイルにレイアウトしやすい25枚か32枚の感想をツイートしています。


総評(というか雑感)

確認できた各メディアの2006年1位作品はこんな感じでした。

NME :Arctic Monkeys/Whatever 〜
Rolling Stone:Bob Dylan/Modern Times
Pitchfork :The Knife/Silent Shout
スヌーザー: Arctic Monkeys/Whatever〜

という訳でアクモン1stが業界を席巻した年です。…それは事実として尊重しつつ、今回殆どの作品を2022年に初聴きしてみて個人的に印象に残ったことは以下のとおり。

・アクモンデビューというイシューはあったがガレージロックリバイバルも一段落してロック界はやや盛り上がりを欠いている印象。

・そんな中マイ・ケミカル・ロマンスには勢いを感じた。ストロークスの3rdも佳作。トゥールの「10,000 Days」には威風堂々とした凄みが。

・エイミー・ワインハウス、リリー・アレン、キャット・パワーなどの女性SSWが活躍。

・Jディラが遺作「Donuts」 を発表し32才の若さでこの世を去る。

・邦楽ではアジカンの「ファンクラブ」に感銘。エルレガーデンを初体験して鳥肌。

・その他、ジャンル分けもままならない謎のデイデラスとハーバートからは結構な愉悦を頂きました。

さて、これより先はTwitterに掲載した個々の感想文をベースに手を加えたものです。ざっくりジャンル分けしましたが間違ってるものもあるかも。ちなみに順位は付けていません。


<洋楽ロック>

Arctic Monkeys/Whatever People Say I Am, That's What I'm Not

https://songwhip.com/arctic-monkeys/whatever-people-say-i-am-thats-what-im-not

UK1位。マーキュリー賞。NME・スヌーザーで年ベス1位。勲章の数が多すぎるアクモン1st。
改めて聴くと…美声!上手い!若さ・勢いよりも既に熟成感感じる…”Riot Van”が好きだけどこの辺のメロウさが2022年の「The Car」に繋がっていったのかな?


The Strokes/First Impressions Of Earth

https://songwhip.com/the-strokes/first-impressions-of-earth

UK1位US4位を記録した3rd。
当時は革新性がないとか批判もあったようだけど曲は揃ってるしバンドとしてスケールアップしてる感じがして僕はむしろ好きです。後追いリスナーからすると革新性って重要な要素になりにくく純粋にいま作品としてどうか?っていう尺度で聴いちゃうしそれは間違っていないと思っています。


Yo La Tengo/I Am Not Afraid of You and I Will Beat Your Ass

白状するとヨラテンゴって年代マラソンの時しか聴いてない。でも1995年の「Electr-O-Pura 」で初聴きして以降一度も感想を書かなかった事がない。これって凄い事なんです(力説)!単なる僕の好みの問題かも知れないし正直長いだけで退屈してしまう曲も入ってたりするんだけど安定して必ず何曲かピリっとした曲が入っているのでアルバム通しで聴いたのを後悔した事がない。本作も80分の大作ですがM1,2,4,6,8,12がピリっと!


Red Hot Chili Peppers/Stadium Arcadium

28曲約2時間の大作9th。意外にも初の全米1位。
ジャケットは宇宙がモチーフでDisc1が木星Disc2が火星。内容はポップですね〜。2022年には実質3枚分量のアルバム出してる訳だしこの人たち周期的に創作意欲がパンッパンに膨れ上がるのでしょうか。
感触的には最新作の”Return of the Dream Canteen”が17曲75分と似たような長さでしかも聴きやすいというところに共通点を感じます。


Primal Scream/Riot City Blues

エレクトロパンク路線からストーンズ直系のオーガニックなR&R路線に回帰した8th。94年の「Give Out But Don’t Give Up」の路線とも言えるが色々通過してきたからかもっとヒリヒリした感触の00年代版プライマルに。曲もアルバムタイトルも最高にカッコいい!”Country Girl”と”Dolls”はPVもあってそちらはなおヤバいですね。観た方がいいやつですね!


The Fratellis/Costello Music 

音楽都市グラスゴーの3ピース、ザ・フラテリスの1st。
ガレージロックのようでいて歌謡曲のように聴こえる瞬間もあったりする底抜けに楽しい内容。デビュー盤らしい元気とやる気がパンパンに詰まった充実作。M2,5,10が特に好きです。


Thom Yorke/The Eraser

トム・ヨークのソロデビューアルバム。そのエレクトロニカ寄りの内容から当時本作を「KID B」と呼ぶ人もいたらしい。誰がうまいこと言えと!…などと思いながら聴くと確かにM3,4,7,8,9などは「KID A」以降のレディヘ作品にしれっと入っていても違和感ないかも知れない。…とはいえバンドサウンドでないぶん全体的には静謐でシルキー。「Hail To The Thief」の後、本作でガス抜きしたトムがバンドに戻ってガツン!とカマしたのが「In Rainbows 」という感じなんですかね。もっと早く聴けばよかったな…


The Killers/Sam’s Town

ラスベガス出身ザ・キラーズの2nd。
英国で人気のある米国のバンドというけどとても米国らしい雄大な音楽。ネバダ州って感じがします。“This River Is Wild”なんてボス直系の王道ロック。東京で撮影した”Read My Mind”のPVも必見です。


My Chemical Romance/The Black Parade

世界的に大ヒットした3rd。
多くの先人の影響を受けつつ多くの後進に影響を与えていそうな内容!ここまでキャッチーなアルバムってなかなかないから売れたのも納得!Green Dayの「American Idiot」と同じプロデューサーなんですね!


Kasabian/Empire

UK1位を記録した2nd。
何とも仰々しく強烈なタイトル曲から始まるカサビアンワールドは2作目で既に鉄板。M1,2,4,8あたりはライブで死ぬほど盛り上がりそうだ。よく見るとこのジャケはトランプ風デザインになっているのか。


TV On The Radio/Return To Cookie Mountain

人種混交のインディー・ロック・バンド、TV・オン・ザ・レディオの2nd。
最初アニマル・コレクティブっぽいなと思ったら案の定同じブルックリンのバンドだった!色んな要素の入った熱量多めの内容なのにどこかクールでカッコいい!


Beck/The Information

ナイジェル・ゴッドリッチのプロデュースによる7th。静かめだが同じくゴッドリッチによる「Mutations」のようにフォーキー一辺倒ではなくフツフツとファンキー。全曲を映像化したDVDも存在する意欲作。M4”Strange Apparition”〜M6”Nausea”の流れが好きです。


The Daysleepers/The Soft Attack + Hide Your Eyes

フォロワーさんからおすすめ頂いたNYの所謂ニューゲイザーバンド、ザ・デイスリーパーズ。本作は2枚のEPをカップリングしたもの。
マイブラでなくスロウダイヴ寄りの幻想的で耽美的ながらも洗練された毅然としたサウンド。M4,6,8,9がお気に入り。


Belle and Sebastian/The Life Pursuit

ラフ・トレード移籍後2作目通算7作目。ビルボード65位にランクインを果たす。前作「Dear Catastrophe Waitress」に引き続きとても明るくポップな内容。特徴だった管弦楽器が殆ど姿を消したシンプルな構成。M1,2,4,9が好きです!


Tool/10,000 Days

前作「Lateralus」から5年ぶりのリリースとなった4th。普段HR/HMをあまり聴かない僕だがフォロワーさんからのおすすめで興味を持ち2006年作品という事でタイミングを逃さず鑑賞。BPM遅めのとても精緻な音楽!でも難解な印象はなく一音一音を落ち着いて堪能できる。いや〜聴いて良かった!しかしこの後5thが出るのは13年後となる…


前編はここまで。後編は「洋楽ロック以外」となります。ここまでお読み頂きありがとうございました!

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