瑳月 友(さづき ゆう)

第3回『THE NEW COOL NOTER賞』エッセイ部門特別賞受賞。不定期に小説・…

瑳月 友(さづき ゆう)

第3回『THE NEW COOL NOTER賞』エッセイ部門特別賞受賞。不定期に小説・詩・短歌・エッセイ投稿。非フォロバ100%。 http://radius7.blue.coocan.jp/ http://radius7.blue.coocan.jp/moon.html

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記事一覧

【エッセイ】「やだ」の意味について考える

 父の仕事の都合で、小学校4年生の時に熊本から千葉へ転校した。  転校先は同じ日本国内であり標準語圏なので、基本的に言葉は通じた。  それでも、それぞれの地域なら…

お知らせ(2024/5/20)

 4月23日に、お祝いメッセージが届きました。  「記事への合計14000回スキ」についてのお祝いでした。  これまで、みなさんからたくさんのスキをいただいた結果です。…

【短歌】羽ばたき

あの頃は みにくいアヒルの子だったよ       居場所もなければ 力もなくて 遠い空 見上げ己に 問いかける        自分らしさと 生き抜く術と 飛べぬ日…

【詩】雫

ハートウォーミングなテレビ番組 愉快なシーンで声を上げて笑い 心揺さぶられるシーンで感涙にむせぶ それは無意識にしていたこと ドアを開けた別室の君を 気にもせずに …

【掌編小説】ロボットに宿る心

 「高橋さん、お疲れさまでした。また明日」  「はい、お疲れさま~」  「リーさん、お疲れさまでした。また明後日に」  「はい、あなたもお疲れさま」  17時15分を過…

【短歌エッセイ】テレビ体操

 この3月末で前職を離職して、自宅で過ごす日が増えた。  それに従って少しずつ体重が増えて来た。  前職では通勤時間が片道1時間半かかっていた。その内徒歩だけで3…

お知らせ(2024/4/15)

 4月1日に、うれしいお知らせが届きました。   「次の空へ」に対するお知らせでした。  みなさんからスキをいただいた結果です。  ありがとうございます。  更…

【短歌】花曇りの日に

 4月2日にパートナーと、地元の熊本城近くの公園に花見に行って来ました。  その時の写真11枚(見出し画像+10枚)と短歌2首、返歌1首です。 緩やかに 舞い散る桜…

またいつかどこかで

 「次の空へ」の記事に記したように、3月末での退職を決めた私に対して、3月20日の祝日に、他県の関連施設へ異動になる方と併せて、所属部署で送別会が行われました。 …

次の空へ

 「長きブランクの果てに」という記事に記したように、昨年2月より長く離れていた職種に復帰して勤めていました。  仕事は、「【短歌エッセイ】無我夢中の日々に足を止…

【詩】迷宮

松明の灯りを掲げながら歩く暗い通路 響く自身の足音が不安を掻き立てる 自分は何者なのか どこへ向かって進むべきなのか 十字路で迷って立ち止まり 採るべき選択肢に悩…

お知らせ(2024/3/11)

 3月8日に、note公式マガジン「#小説 記事まとめ」に「【掌編小説】勘違い」という記事が選ばれた、というお知らせが届きました。   上記のnote公式マガジンに、下…

【掌編小説】勘違い

 密かに好意を寄せている人から、バレンタインデーにチョコレートをもらったら、大抵の人は大喜びするだろう。  僕もその点に関して半分は同意する。  あと半分は……疑…

【短歌】次へ

梅の枝 空指すごとく 真上へと             伸びて背を押す 次へ進めと  「次」の意味するところは、またの機会に。  最後まで読んでいただきありがと…

note2年半~3年での高スキ率記事ベスト4

 noteを始めて3年が経ちました。  note2年半以降これまでの全投稿記事26本について、スキ数を閲覧(ビュー)数で割った数、スキ率を出しましたので、スキ率の高かった…

【短歌エッセイ】移り変わるバレンタイン事情

今年また 会社でチロル ゲットする?        それも楽しき バレンタインかな  約2年前に投稿した上記の記事にも記したが、この短歌を作った2002年当時の私は…

【エッセイ】「やだ」の意味について考える

【エッセイ】「やだ」の意味について考える

 父の仕事の都合で、小学校4年生の時に熊本から千葉へ転校した。
 転校先は同じ日本国内であり標準語圏なので、基本的に言葉は通じた。
 それでも、それぞれの地域ならではの言語はあるもので、中には理解に苦しむ言葉もあった。
 それが、今回話題にする「やだ」という言葉だ。

 クラスの女子達が、楽しい話をしていると必ず口にする言葉があった。
 「え~、うそ~、やだ~」だ。
 毎日、笑顔で、何度も、まるで

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お知らせ(2024/5/20)

お知らせ(2024/5/20)

 4月23日に、お祝いメッセージが届きました。

 「記事への合計14000回スキ」についてのお祝いでした。
 これまで、みなさんからたくさんのスキをいただいた結果です。
 あらためて、ありがとうございます。

 そして5月13日に、うれしいお知らせが届きました。 

 「【詩】雫」に対するお知らせでした。

 みなさんからスキをいただいた結果です。
 ありがとうございます。

 更に今日5月20

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【短歌】羽ばたき

【短歌】羽ばたき

あの頃は みにくいアヒルの子だったよ
      居場所もなければ 力もなくて

遠い空 見上げ己に 問いかける
       自分らしさと 生き抜く術と

飛べぬ日は 休み力を蓄える
        傍でさえずる 青い鳥愛で

晴れ渡る 空に呼ばれて 巻き起こす
       羽ばたきによる 大いなる風

 最後まで読んでいただきありがとうございました。
 よかったら「スキ」→「フォロー」してい

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【詩】雫

【詩】雫

ハートウォーミングなテレビ番組
愉快なシーンで声を上げて笑い
心揺さぶられるシーンで感涙にむせぶ
それは無意識にしていたこと
ドアを開けた別室の君を
気にもせずに

君は微笑みながら言う
「笑ったり泣いたりできる
素敵な番組に出会えてよかったね」
心が温かくなる
同時に気づかされる
君の存在を意識せずにいたことに

それは10歳になるかならないかの頃
アニメ番組のストーリーに心打たれ
涙を流しなが

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【掌編小説】ロボットに宿る心

【掌編小説】ロボットに宿る心

 「高橋さん、お疲れさまでした。また明日」
 「はい、お疲れさま~」
 「リーさん、お疲れさまでした。また明後日に」
 「はい、あなたもお疲れさま」
 17時15分を過ぎたスタッフルーム。
 退勤して行く同僚に挨拶しているのは人間ではない。ロボットだ。

 この国の労働人口の減少が懸念されるようになり、特に介護の分野において、それ以前からの深刻な人手不足への対応が急務となった。
 研修を受けた外国

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【短歌エッセイ】テレビ体操

【短歌エッセイ】テレビ体操

 この3月末で前職を離職して、自宅で過ごす日が増えた。
 それに従って少しずつ体重が増えて来た。
 前職では通勤時間が片道1時間半かかっていた。その内徒歩だけで35分間だ。往復なら徒歩1時間10分になる。かなり歩いている感覚だった。
 それでも、歩くことによって特に体重が減るということはなかった。今思えば、食べることと併せてプラスマイナス0だったのだろう。
 つまり、離職によって徒歩分のマイナス

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お知らせ(2024/4/15)

お知らせ(2024/4/15)

 4月1日に、うれしいお知らせが届きました。 

 「次の空へ」に対するお知らせでした。

 みなさんからスキをいただいた結果です。
 ありがとうございます。

 更に4月8日と本日4月15日に、うれしいお知らせが届きました。 

 「またいつかどこかで」に対するお知らせでした。

 1つの記事について2週に渡ってお知らせをいただくのは初めてで、驚きましたが嬉しかったです。
 みなさんからスキをい

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【短歌】花曇りの日に

【短歌】花曇りの日に

 4月2日にパートナーと、地元の熊本城近くの公園に花見に行って来ました。
 その時の写真11枚(見出し画像+10枚)と短歌2首、返歌1首です。

緩やかに 舞い散る桜 見上げつつ    
        二人の幸も 穏やかに満つ

満開の 桜の下で 行く春を       
         君と味わう 卯月の風に

はらはらと 舞うさくらばな 曇りの日  
      空は見えねど うつくしきかな

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またいつかどこかで

またいつかどこかで

 「次の空へ」の記事に記したように、3月末での退職を決めた私に対して、3月20日の祝日に、他県の関連施設へ異動になる方と併せて、所属部署で送別会が行われました。
 退職する私1人のためだったら辞退しようかと思っていましたが、併せてとなると余計な発言は控えるべきであり、ありがたく参加しました。
 育児休業中の同僚、そして同じく育児休業中の前任者である同僚も、連絡を受けて参加してくれました。

 雰囲

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次の空へ

次の空へ

 「長きブランクの果てに」という記事に記したように、昨年2月より長く離れていた職種に復帰して勤めていました。

 仕事は、「【短歌エッセイ】無我夢中の日々に足を止めて」に記したように、充実したものでした。

 「お知らせ(2023/10/23)」に記したように、事情により通勤手段が変わり、徒歩移動の時間が増えました。このスタイルで持続可能なのかどうか、という懸念はありながらも通勤を続けていました。

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【詩】迷宮

【詩】迷宮

松明の灯りを掲げながら歩く暗い通路
響く自身の足音が不安を掻き立てる

自分は何者なのか
どこへ向かって進むべきなのか

十字路で迷って立ち止まり
採るべき選択肢に悩む

地図を見ながら確認する現在位置
進む先は行き止まりで引き返さざるを得ない

何でもできそうな気がしていたのに
今は何もできないかもしれないとさえ思う

蝕まれて行く自己肯定感
自信も右肩下がりだ

階段を下りたところにある小さな

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お知らせ(2024/3/11)

お知らせ(2024/3/11)

 3月8日に、note公式マガジン「#小説 記事まとめ」に「【掌編小説】勘違い」という記事が選ばれた、というお知らせが届きました。 

 上記のnote公式マガジンに、下記の私の記事が登録されています。

 note公式スタッフの方、選んでいただきありがとうございます。

 そして今日3月11日に、うれしいお知らせが届きました。 

 同じく「【掌編小説】勘違い」に対するお知らせでした。

 みな

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【掌編小説】勘違い

【掌編小説】勘違い

 密かに好意を寄せている人から、バレンタインデーにチョコレートをもらったら、大抵の人は大喜びするだろう。
 僕もその点に関して半分は同意する。
 あと半分は……疑いを持つ。どの程度の気持ちなのか、と。
 と言うのも、僕がもらったのは明らかに義理チョコっぽいものだったのだ。

 谷口弥生さんは、僕が勤める会社の2年後輩で、隣りの部署に所属している。
 笑顔がかわいらしく誰にでも親切で、多くの同僚から

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【短歌】次へ

【短歌】次へ

梅の枝 空指すごとく 真上へと     
       伸びて背を押す 次へ進めと

 「次」の意味するところは、またの機会に。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。
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note2年半~3年での高スキ率記事ベスト4

note2年半~3年での高スキ率記事ベスト4

 noteを始めて3年が経ちました。
 note2年半以降これまでの全投稿記事26本について、スキ数を閲覧(ビュー)数で割った数、スキ率を出しましたので、スキ率の高かった記事、ベスト4を発表します。

 第4位は「【掌編小説】好きかもしれない」です。スキ率は23.4%でした。
 若い男性が若い女性に「俺、〇〇ちゃんのこと、好きかも……」と言い、言われた方もドキドキほわわんとしている。以前テレビで見

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【短歌エッセイ】移り変わるバレンタイン事情

【短歌エッセイ】移り変わるバレンタイン事情

今年また 会社でチロル ゲットする?  
     それも楽しき バレンタインかな

 約2年前に投稿した上記の記事にも記したが、この短歌を作った2002年当時の私は、ネット上での会話を楽しむチャットルームにほぼ毎晩出入りしていた。
 文字だけを使った他愛のないやり取りながらも、同じ顔ぶれによって時間を共有し、繰り返される交流を楽しんでいた。
 そのチャットルームでバレンタインデーの話題になった時

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