小説家になるのに何年かかるのか調べてみた
小説家になる方法として、一番メジャーで多いのは新人賞を受賞してデビューすることでしょう。最近はラノベを中心に投稿サイトから書籍化されるケースも多いですが、いわゆる一般小説では新人賞からのデビューの方がまだ多いと思います。
「小説家になるのに平均何年かかるか」を調べるには、どこからどこまでを計測するかによります。中には「小学校の頃から小説を書いていました」という人もいるでしょうけど、それを調べるのは難しいので、新人賞に応募してから、何年で新人賞を受賞したかを調べたいと思います。
調べるのに便利な「文学賞の世界」というサイトがあります。かなり多くの新人賞の選考結果が掲載されています。すごいのは、その人が選考を通過していれば何回投稿しているかもわかることです。この人は毎回最終選考に進んでいるのに受賞していないなど選考状況がわかります。
リンクが貼られていない人は初めて選考に残った人ということになります(第一次選考以降の通過者名を記載されている賞もあります)。
色々な賞の受賞者を見ていると、選考通過するようになって数年で受賞している人と、第1作で受賞した人(応募者全員が記録されているわけではないので、一次で落選している場合もありますが)に大きく分かれるようです。
10年単位で応募を続けて、受賞した人は少数派なのかもしれません。途中で諦めてしまう人が多いのでしょう。
最初に書いた小説が受賞した人も結構いそうです。受賞インタビューを読んでも、初めて書いた小説を投稿したら受賞したという驚愕の人をよく見かけます。そういう人って、今までどんだけ本を読んできて、文章を書いてきたのでしょう。小説をほとんど読まず文章も書いてきていなかったのに受賞したという人がいたら、本当に驚きです(実際にいそうで怖い)。
正確な統計情報は見つかりませんでしたので、賞に投稿しはじめてから、どれだけ書けば小説家になれるかわかりませんが、一回で受賞する人、何年か投稿し続けて受賞する人に二極化している感じがします。
僕は、10年以上新人賞に投稿し続けて、初めて最終選考に残った新人賞で「奨励賞」をいただきました。
それまでの間に20作以上の作品を書いては投稿し落選を続けていました。
そういう人は全体からするとレアケースかもしれません。才能がある人はもっと早く受賞しているでしょうし、そうではない人は投稿をやめてしまうでしょう。しつこくてよかった。
最初の投稿で受賞している人もいれば、長く書き続けてようやく受賞する人もいます。その違いは才能と言ってしまえば簡単ですが、しつこく長く書き続けるのも才能だと思います。
才能だけではなく気持ちの強さで、人生は大きく変わるかもしれないし、変わらないかもしれません。
どちらになるかはわかりませんが、やり続けることで、後悔が少ない人生を過ごせる気がします。
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