上下揃ったランジェリーをコレクションして
着飾ることが大好きだった。

30歳で子供を産んでからは
そうはいかなかった。

初めての授乳では乳首が切れ
血が滲み

子育ての大事なツールの一つとして
乳首はしっかり保湿したが
乳房全体の存在はいつしか軽んじられて忘れられ
背中やお腹に放出された。

「何年振りのブラジャーですか」
と聞く店員に
まさか10年と答えることを躊躇していたが
プロが見るとわかるのだろう。

「これから頑張って育乳していきましょう」と
笑顔が眩しい彼女の胸は何故か小さいことが気がかり。

出産前は特に悩みもなかった胸も
今は自由に散らばり見る影もなかったが
10年ぶりの号令をかけて寄せ集めると
確かにそこにはまたEカップの乳房があった。

ずっと気にかけてあげてなくてごめんね、と
試着室で自分の脂肪に小声で謝りながら
鏡に目を向けると
変わり果てていたのはブラジャーが関係する部分だけではなかった。

下着の手洗いの方法を教わりながら
理想のボディラインを手に入れることができたら

また夫に愛されたい、と
改めて感じた。

40代になり、残り少ないかもしれない性生活を
充実させることができれば
自分のことが大好きになれそうと思うのは
異常なことなのだろうか。。。?


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