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人類胃袋強化プラン|喰ったらヤバいいきもの|Review

『喰ったらヤバいいきもの』
平坂寛著、主婦と生活社、2017年

レビュー2019.01.18/書籍★★★★★

万民が食べようとも思わない生物を味わってみちゃおう。何のため? それはその生物を深く知るためだよ。「生き物が持つ生態的特徴や生息環境は、味や食感へ確実に反映される」という知識と体験があるからだよ。

著者は生物ライターの平坂寛さん。テレビでみたことがある人も多いはず。実は琉球大学理学部出身です。おもしろい人です。好物はマックポテトです。人類史のなかにこんなチャレンジャーがこれまで大勢いたから、私たちはいま飽食の時代を生きることができているんだと思い知らされますね。と同時に、あく抜きや塩漬けなど食べられないものを食べられるようにする技法を開発してきた人々にも深々と感謝します。

この本の中から、沖縄に生息する生物で「食べると要注意!!」なやつらをいっちょう紹介しましょう。

ミナミコメツキガニ
生態はかわいい。味はなぜか甘い。人工甘味料のようなケミカルな甘さ。で、まずい。ふつうは熱を入れると赤くなるけど、こいつは灰色になる。不気味!

オニヒトデ
この見た目はふつうは食べる気にならないし、それが正解。ゆでると、見た目が長崎皿うどんっぽくなるが、苦味と渋味とエグ味の三重奏、とのこと。

オオイカリナマコ
みたことあるかな〜? イノーの中にふつうにいる細長いナマコ。泳いでて突然出くわすと一瞬ウミヘビかと思うからイヤです。表面に錨状の骨があり、食べづらいそうです。味もエグい。

サソリモドキ
八重山に生息。酢酸臭の毒ガス持ち。ガスを吐き出させてから食べるとまあまあ美味。ガス抜きしないとすっぱいので要注意。だそうです

* * *

著者いわく、まちがいなくうまいやつはグリーンイグアナだそう(これも八重山在住)。鶏肉とスッポンの味がするらしい。外来種駆除がてら食べてみたいな(てか昔、中米で食べたような気はするが・・・)。八重山ではほかにもインドクジャクの駆除活動が行われているらしいから、辛抱強く待っていればジビエマーケットに出回る日もあるかも😜

デイリーポータルZのネット記事では調理の過程も詳しくルポされているから、興味がある食材はこちらも読んでみたほうがいいね。とくに生き物好きの子どもを持つママさんたち。我が子の好奇心に寄り添うなら必読ですよ。

(過去サイトから転居してきた文章をベースに書いてます。)

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