見出し画像

No.11 所感=^_^= 高校教員(数学担当)の実際(ホワイトな学校へ 号外)

連休中、ひと月ぶりに実家に顔を出したのはいいが、滞在時間2時間で、食べたいものを食べるだけ食べて、帰ってしまった長男のことである。

彼が着任した学校は、一二を争う偏差値の低い学校のようであるが、授業は成り立っているという。

つまり、偏差値が低いからと言って、生徒のやる気がないわけではない、ということ。

彼の持ち時数は、週18時間。

うるさくて授業にならないという先生方からのクレームが多い学級もあるようだが、彼に言わせれば、その学級は、一番活発に意見が出て、むしろ授業がやりやすいんだそうだ。

では、アクティブラーニングができているのかと聞いたら、それは十分とは言えないが、努力はしている、そして、自分の説明の時間を早めに切り上げ、演習の時間を長くとり、机間指導をしながら個別に対応している、とのことだった。
つまり、「個別最適な学び」という点は、実行できているわけだ。

やる気のない生徒であったとしても、授業妨害はしないという約束を取り付け、寝ていても咎めない。でも、演習の時は、その生徒ができそうな問題を指定して、やらせるようにしているのだそうだ。
「皆、ちゃんとやるよ。できたら、褒めてるし。」
「誰一人、取り残さない」授業の進め方だと思う。

生徒たちは、やはりできるようになりたいのだ。
それを、教員が、はなからレッテルを貼ってしまうから反発を食らうのだ。

さらに、数学という教科が、功を奏しているのかもしれない。
数学は、中学校レベル、小学校レベルと、遡りやすい。
数学が苦手な生徒には、わかる段階まで遡り、「できた」という感覚を持てるようにすればいい。

理系の大学受験をする生徒以外、つまり文系の大学受験をする生徒であれ、就職する生徒であれ、高校数学の内容はほとんど必要ない。
「必要なのは、数学的な考え方だ。」
と、以前、特別支援学校の子供たちに数学を教える意味を、長男が語っていた。


新任なのに、部活動の主顧問も任されている。
引率で、休みがないんじゃないの?と何か大変な要素を見つけようとしたが、副顧問と分担しながら引率しているとのこと。そして、休日出勤の分は振替休日をきちんと申請して、授業のない日や長期休業日に休みを取る、とのこと。
「全然ブラックじゃないよ。」と。

それから、大学生の4年間、小学校でスクールサポートスタッフという、先生方の仕事を手伝うアルバイトをしていたことも、気持ちのゆとりをもって仕事ができている要因らしい。
何がわからないか、何を聞けば仕事が進むかをわかっていることは、大きい。
「起案」のシステムが理解できていてよかったと言っていた。


副担任のはずが、諸事情により朝、担任がいないことが多く、ホームルームはほとんど彼が担当しているそうだ。
その上、特別支援学校の教員免許も持っていることから特別支援教育コーディネーターも任されて、でも余裕をかまして楽しそうに話をしている長男を見て、嬉しいのはもちろんなのだが、寂しくなってしまった。

ぜひ、今のこの気持ちを忘れずに、生徒たちと向き合ってほしい😹


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?