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鎮魂の思い 御嶽噴火

みなさん。こんにちは!
2014年9月27日に発生した御嶽山(おんたけさん)の噴火をご存じですか。

長野県と岐阜県の県境に位置する霊峰で、御嶽教の本山と位置づけされている活火山です。
また、3000m級の山ですが登山道は整備されており、頂上に至るともうもうと噴煙を上げている火口を間近に見られる醍醐味もあり、シーズンには多くの登山者で賑わっています。

山体には、五つの火山湖があり、それぞれ四季折々の表情が見られて、特に9月は紅葉した「ナナカマド」などの樹木が、無機質な岩地に色を添えています。

9月27日午前11時52分
蒸気を上げる火口を眼下において、また、ナナカマドの紅葉を眺めながら昼食を摂っていた多くの登山客の上に、爆音とともに大量の噴石が降り注ぎました。

当時、噴火レベルが1という、平常レベルでの突然の火山噴火という未曽有の災害で登山者58名が死亡、行方不明5人、日本における戦後最悪の火山災害となりました。

翌、未明の午前3時から、救助部隊を率いて現場へ赴き、捜索活動に従事しましたが、その山容の変貌ぶりに愕然としました。
前日までの、ナナカマドの色合いが全て消失して、山肌一面すべてが火山灰のグレー一色に塗り替えられていました。
目に入る色は、一帯が火山灰の灰色で埋め尽くされている山肌と、稜線上を境にした青空の色のみで、その透き通ったような青色が無常の色に映りました。

山頂からは、轟音と共に噴煙が巻き上がっていて、さながら天蓋を支える巨大柱に見えました。
砂塵のように舞い落ちる火山灰を浴びながらも救助活動を続け、岩陰や、被災していない山小屋に避難している登山者を発見するや誘導して下山へ、また負傷者はぎりぎりのタイミングでヘリに収容できました。

あまりにも、すざましくも無慈悲な自然の驚異を目の当たりにして、人間の無力さを痛感しました。
この日が来ると、遭難した登山者たちに鎮魂の思いを馳せるとともに、未だ行方不明の登山者の早期発見を祈っています。

翻って、我々の生活基盤となっている町にも、いつ災害に見舞われるとも分かりません。
これから、台風シーズンです。
いざという時の心得と準備は、怠らないようにしたいですね。
センシティブな題材にお付き合いいただきありがとうございました。




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