さよならジーンズ

ジーンズがきつい。
履き心地の良さと、どんなトップスにでも合わせやすいという理由でヘビロテしているストレートジーンズがここのところぱっつんぱっつんで、気付かなかっただけでひょっとしてスキニーだったりした？って、このジーンズのそもそもを疑ってみたりしたけれど、この子が紛れもないストレートジーンズだということは私が一番に知っている事実だった。
だってこの子はスキニーが流行った頃、私は中村アンちゃんみたいにカッコよくストレートジーンズを履いてやるんだって、2万円握りしめて買いに行った正真正銘のストレートジーンズなんだもの。
あの頃の私にアドバイスをするとすれば、2万円で中村アンには到底なれないということなのだけど。

おかしいな。この間、ゆるめのファスティングから2.5キロ落としたはずなのに、もう戻ったってこと？
そもそも戻ったって何？
痩せたことが「戻った」だったのに、いつの間に太ることが「戻った」になったの？正解ってこんなにコロコロ変わっていいの？
嫌だよー。もうダイエットは嫌だよー。

私がこれまで歩んできた人生の道のりデータによると、あぁ太っちゃったなって頃に運良く風邪とか引いて痩せてきたわけで、止まない雨も、明けない夜もなかったように、戻らない体重もなかった。それがマスク生活のおかげか、痩せるほどの風邪はひかなくなって、前回仕方なくファスティングしたというのに。なんか年々色んな意味で逞しくなってない…？これはもうマスクやめたほうが良くない？風邪ひくべきじゃない？そういうことじゃない？
じゃあ、あれか。ジーンズを伸ばせばいいんだって、丁度お土産を持って来たゴリ（昔ながらの男友達）を捕まえて「悪いけど、ちょっとこれ履いてくんない？」「え！伸びるよ。っていうか入らねーよ」イケるイケるって無理やり履かせたら、ぴょんぴょんジャンプするうちに入っちゃって、おめー何入ってんだよってショックな私と、図らずも入ってしまったことにちょっと嬉しそうなゴリ。
でも背に腹は代えられない。もうジーンズの方に大きくなってもらうしかないのだから、そのまま屈んだり、脚を伸ばすような体操を幾つかしてもらった。
結果、膝だけが伸びた。ゴリの役立たずぅ。

これはもう骨盤矯正だなって、久しぶりに家からすぐの整体のドアを叩く。たのもー。
ここの整体師は、私が太ると嬉しそうに「少し太りましたね。2キロですか」と頼んでもないのに当ててくるデリカシーのなさだから、今回は初めから「骨盤矯正お願いします。ちょっと太っちゃったんですよね」と告げておいた。
整体師はそうですかと一通りマッサージをすると「2.5キロですね」と言った。クソじじぃ泣
それから右の足を組む癖が前よりもひどくなっていることを指摘され、じゃあ左も組めばバランス取れますかと聞くと、そういうことではないのだと静かに首を振った。今ここを訪れていること事態そういうことでもないのだと思ったが、うつ伏せで足を反対側にうぉおおおおおおと反り上げられ、捩じられ、互いにぐったりして帰宅。
ジーンズに足を通す。まだキツさはあるが、先程よりすんなり入った！姿見で後ろ姿を確認すると、裾のところが少し黒くなっている。そういえば、この子いつから洗ってないんだっけと考えると恐ろしくなって、ジーンズを裏返し、ネットに入れて洗濯機に放り込んだ。

乾いた頃、ジーンズはキレイに、そして更にキツくなっていた。どうやら私は痩せないとこの子とオサラバらしい。別に初めからわかっていたけどね。