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病院に行く時の心構え②

検査は万能ではない――あくまで目安と心得よ

私たち素人は、CTやMRI・レントゲン・エコーの機器には、すべてが写し出され、血液や尿や便その他、組織異常は検体の検査をすれば、異常は見つかるものと思っている。少なくとも、私はそうだった。

ところが自分が手術してハプニングに見舞われたり、実際病院で働いたりしてみると、必ずしもそうは限らないことに気づく。

最新のCTやMRIで撮影しても、実際手術で開いてみると、事前の画像ではわからなかった異常があったり、想定しきれない事態になることがある。

私が腰の手術をした時、当然事前にCTやMRIで確認されていたはずにも関わらず、手術で削った椎間板部分に入れる金具が院内にストックされているものでは合わず、手術中に業者に連絡して届けてもらうという、ちょっと信じられないようなトラブルがあった。

原因は筋弛緩剤と麻酔を入れて寝かせたら、予想(通常?)より椎間板が大きかった(高さがあった)ということらしい。
椎間板は、普段は体の重みを支えているクッションなので、圧迫されて縮んでいる部分だが、それを計算に入れても間にあわなかった。まさに想定外(笑)

執刀医はその界隈では有名な人で、同じ手術はだいたい年間120件以上、腰椎関連の手術をトータルすると年間250~300件と、執刀件数もダントツというベテランだった。

さらに彼と一緒に働いていた医療従事者が、彼をたいそう褒めていたので、腕は確かだと思う。

そんな彼でさえ初めての、まさに前代未聞の事態に相当焦ったらしい。手術は金具待ちとなり1時間ほど中断されたが、該当する金具の在庫が業者にあったのが幸いだった。

手術後、同じ金具の在庫が近郊の業者になくメーカーから取り寄せることになり、手術が一週間延期になったという知人が『あなた業者に在庫あって運が良かったね』と言われて、複雑な気持ちになった(笑)

医療関係者の知り合いがたくさんできてくると、血液や尿などの検体検査も、取り違えほか何らかのミスで正しい結果が把握できないこともあると知ったり。

エコー検査などは、検査する人が習熟しているかどうかで結果が変わってくる。なかには、異常の見逃しもあるらしい。

そういう事実を知ると、検査結果も鵜吞みにしなくなり、一度の検査で異常が指摘されても、再度検査するまでは信じなくなる。

また、診察の時に見せられる検査結果の画像の名前やIDが自分のものか、日付はいつか…必ず見てしまう。
しかも、なぜか医者に気づかれないよう、素早くこっそり目の端で確認している(笑)

素人の私たちは検査の結果で異常が指摘されたら、不安になるのは当たり前。
異常が指摘されても、病気でないこともある。逆に何らかの症状があっても、検査は全く問題ない場合もある。

検査は万能ではないと前向きに頭の片隅に置くだけで、受診するときの気持ちが違ってくるよなーと思う。

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