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「ある風景」②〜焼き野菜と親の夢

「ある風景」というテーマで思うがままに
書いてみる。

それを講師に添削いただくことで、
この一年の創作講座で、
「小説を書くのか、エッセイを書くのか」
が見える。

ということで、
第②弾を書きました。

「焼き野菜と親の夢」


週末は、お父さんがごはんをつくる。
わたしの親もそうだったからか、
自然とわたしもそうなった。

週末の、食卓を作り、
食卓を囲む風景。

土曜日の朝には、晩御飯何がいい? 
と子供らに聞く。

まだ朝ごはんも食べてないのに。
準備する側としては、買い物やら
残り物やらを想定した段取りをしておきたい。

たこ焼き、お好み焼きか。冬なら、鍋もあるが、だいたい「焼き野菜」と返ってくる。

食べ盛りの年ごろではないので、
肉メインではなく、野菜メイン。
肉は高くつくので、野菜メイン。
だから、「焼肉」ではなく、「焼き野菜」。

かといって、
子供らは野菜が食べたいわけではない。
さつまいも、かぼちゃ、たまねぎ、もやし、
きゃべつ。
油にのって、強火で
パチパチと、ホットプレートのうえで、
ちょっと踊る感じ、
焼き目、香りが大人としてはたまらない。
焼きながら、焼き上がる前のビールが、
たまらない。

子供はそんな気はもちろんない。

小4、年長の子供らは、「自分で焼きたい」。置きたい、ひっくり返したい。それが楽しい。
たぶん、「鍋を囲む」感じの楽しさを、
「ホットプレートを囲む」楽しさと
似たような感情で
過ごすのだろう。

「一人一皿」で予め取り分けられた
ご飯よりも、
「複数人大皿」から、取り分けていく方が、自然と会話も弾む気がする。
※取り分けていただいてある平日も
非常に有難い。

小4は、
宇宙はなぜできたのか。
生きている不思議 を語り出した。

理解、社会という科目が始まり、
より抽象度が高い問いや不思議に
興味を持ちだした。

語り返すのもまた楽しい。

年長は、
「お父さんの夢は」と聞いてきた。
こういう場合、「子どもの頃の夢」は
考えるし、伝えてきた。

たとえば、幼児の頃はスーパーマリオ。小2で寿司屋。小6で宇宙飛行士。中3で国際協力。
そんな具合。

「今の夢」は何だ? 

とまってしまった。
言えなかった。

「あなたたち(子供)の成長」
「独り立ちして、家族を持ち、
 あなたがあなたの夢を叶えられたら」

それが夢。

まちがってはないけど、
なんかどこか、不全感。

夢ってだいたい、

職業➕なりたい。

で語られる。

お金持ち
有名
海外に住む

など、
「なりたいもの」が浮かぶ。

考えがとまってしまったのは、

「42歳会社員が、
いまからなりたいものは?」

という夢を考えようとしたからか。

こう考えたい。

「ありたい夢」

成りたいではなく
在りたい。

becomeではなく、
to be。

お父さんの夢は、
「書くことで、人の役に立てる人で在ること」

作家に成る
エッセイストに成る
ライターに成る
編集者に成る
noterに成る

それもいまは、今年にできた新しい
夢だけど、

どう在りたいか?

を書いていく中で磨いていきたい。

焼き上がった野菜やお肉。
それを焼く過程こそ、夢かもしれない。
どんな気持ちで、焼く前後に在りたいか。

在りたいから、焼く。
今しか楽しめないんだろう、
このひと時に感謝して。


きょうもお読みいただきありがとうございます

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